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デベロッパーからみた、HITOTOWAの価値と期待。【関西採用特集Interview】


会いたい人がいる。そんなまちが好き。

今まさに、そんな「まち」をつくろうと携わっている、エリアマネジメント組織「一般社団法人まちのね浜甲子園(以下まちのね)」。

この組織は、兵庫県西宮市にある浜甲子園団地エリアの再開発に伴い、民間の開発事業者とUR都市機構の官民連携パートナーシップによって設立されました。

現在は、開発事業者と住民が一体となって、地域の課題解決やエリアの価値向上に向けた取組みを行っており、HITOTOWAは事務局としてこの取組みのコーディネートをしています。

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今回は、このエリアの開発事業者であり、まちのねの代表理事を務められている株式会社長谷工コーポレーションの木村友啓さま(以下き)と、まちのねの事務局長を担う、HITOTOWAの奥河洋介(以下お)との対談記事をお届けします。

組織を立ち上げた当時の思いや、印象に残っている活動を通じて、2人が語った、HITOTOWAの強みとは…?


「さすが『餅は餅屋』だ」と思った、第一歩。

―兵庫県西宮市の浜甲子園団地地域の建替・再開発事業に伴うエリアマネジメント(以下、エリマネ)に携わった当初、どんなお気持ちでしたか?

き:この話が本格的に動き出したのは2014年頃だったのですが、その時は「エリマネってなんだ?」という感じで。(笑)
今となっては馴染みがあるワードだと思いますが、初めて取組むことだったので、まずはエリマネへの理解を深めるということから始めました。

お:計画初期段階から民間事業者が参画する事業パートナー方式(※)が導入されていましたよね。

(※)開発からエリマネまで継続的にまちづくりに関与する事業パートナーを募集し、民間事業者(事業パートナー)と共同でまちづくりを行うこと。

き:そうです。事業パートナー方式の目的には、「エリマネを実現する」ということが明記されていたのですが、実績がある団体や企業を参考にしたいと思っていた矢先に、HITOTOWA代表の荒さんをご紹介いただき、「一般社団法人まちにわ ひばりが丘」を知りました。
実績ある人に話を伺うのが早かった。ヒアリングや提案書の作成にもご協力いただき大変助けられました。

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お:その頃、HITOTOWAはどんな印象でしたか?

き:実は、当初はエリマネ実現に向けた協議をイベント会社としていました。というのも、エリマネにイベントチックなイメージを持っていたからです。
しかしある時、イベント会社では限界を感じたんです。もちろんイベント会社にも強みはありましたが、地域の今後を見据えると方向転換が必要でした。
そこで改めて御社にご相談し、エリマネ実現に向けて、ご協力いただく流れに。今思えば、一般社団法人の立ち上げも未経験だったので、本当に心強かったです。

お:HITOTOWAとしては、関西初の案件としてお仕事をいただけたので有難い限りです。これをきっかけに、関西でも少しずつお声がけいただくようになってきました。

き:言い方はベタですが、餅は餅屋。
専門的にエリマネを推進してこられたことは、間違いなく御社の強みだと思います。

03_photo(ウェルカム)

き:私が所属している都市開発事業部は、官公庁からの情報を基に事業を組み立てるのが主な仕事になっている組織です。
昔は役所が所有している土地は売却して終わりでしたが、今はそのようなことはなく、地域のため・地元住民のためといった要素を入れ込むケースが多くなりました。
売却や借地の条件に、エリマネの実現を掲げる案件も増えてきているなと感じています。


―エリマネの需要の高まりについてどのようにお考えでしょうか?

き:マンション用地は比較的大きい土地になってくるので、更にエリマネの需要は高まっています。
それだけでなく、地域のニーズによりますが、「子育て」「多世代交流」「防災・減災」などのテーマに合わせた取組みが求められていますね。

お:開発事業者が担うハード面だけでなく、購入後の暮らしにおける魅力や、エリアの課題を踏まえたソフト面での取組みについて、ご相談いただくことも増えました。

04_photo(歩こう会)

き:ソフト面というと、エリマネの要素をいかに販売上のメリットや、販促に使えるのかを意識していますが、直接的に目に見えて販促につながったかはわかりません。ただ、住宅購入の背中を押すきっかけになっていればと思います。
販売促進のためのエリマネでは、「なんちゃってエリマネ」になりますから。そうならないためにも、暮らしが始まった後も見据えて、私たちは積極的に取組まないといけないですね。

お:浜甲子園団地エリアのイメージは、この4年で大きく変わったと思います。
イベントを実施することでにぎわい創出につながっており、若いファミリー層が増えたことでまちの雰囲気も変化しました。このまちに引越して来て良かったという声を多く聞きます。
最近では、UR団地にお住まいの方も参加いただくことが多くなり、まち全体のエリマネという価値観は広がってきたと感じています。

05_photo(まちピク)


地域の受け皿になった、「組織」という枠組み

―まちのね浜甲子園という組織の在り方についてどのようにお考えですか?

き:世間的に、ここ最近では一般社団法人の設立も増えていますよね。奥河さんは運営側として、この現状をどう捉えていますか?

お:組織形成が公募条件に含まれているというケースもありますが、組織をつくることが目的となると、その意義を見失う恐れがあります。目的を明確にして、組織をつくることで、その枠組みがあるからこそできることもあると思うんです。

き:まちのねは一般社団法人として組織を立ち上げましたが、あと2年ほどで住民主体の組織体制になりますよね。
事業者はお金を出すだけになりがちで、事務局という存在が地域の担い手となって住民自治に向けた基盤を作ってくれることを求めています。
ですが、一般社団法人という体制だけでなく、もう少し柔軟に方針転換できるような仕組みも検討すべきだったかなと悩んだこともありました。

お:当初はいろいろと議論を重ねましたね。
プロジェクトを進める中でカフェのOSAMPO BASEや、UR都市機構の団地の敷地で展開している貸切・定期教室のHAMACO:CLASSなど、法人格があったからこそ進めることができました。
従来の自治会とは異なる取組みの受け皿になっているという点では、一般社団法人という枠組みに意味があったと感じています。

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き:組織の財源につながったことも事実ですね。
今後は住民自治に向けて、どのように引き継いでいくかが課題や尽力するポイントです。これからのまちを築いていく担い手ということを、地域住民の皆さんに意識づけしていく。
これは、常駐スタッフの皆さんが中心となって進めてくださっていますが、あと2年という時間の中で、我々事業者も含め考えていかなければと思います。


―まちのねにおける、これまでの取組みので一番印象に残っていることは何でしょうか?

き:代表理事という立場もあり、地域の皆さんと会話してみようと思って参加した、「ゆるよる」でしょうか。
地域の管理組合理事さんや住民さん、事務局スタッフが集うゆるい飲み会でしたが、御社の皆さんを見ていると、本当に地域に溶け込んで接しているんだと思いました。あの雰囲気を作り出すことで、住民さんの声を集めることができるんだと感じましたね。

07_photo(ゆる夜)

お:事業者という立場の木村さんが参加してくれたことで、住民の皆さんにいろんな立場の人が交わる意義を感じてもらう良い機会になりました。
子育て世帯もいれば、夫婦で住んでいる人もいる。また、団地や戸建て、マンションといった住んでいる環境が違う人も集まる場だからこそ、魅力的で充実すると思っています。

き:やっぱり人だなぁ、と思いますね!
業務として見せない。仕事として接しているわけではない。そんな感じに、人と人との関係を大切にしてくださっているのだと。だからこそ、イベント会社ではなかったなと改めて感じました。
皆さんを見ていると、本当に好きなことを仕事にしていらっしゃるんだと思いますよ。


協働の先にある「未来と期待」

―エリマネを通じて何か変化はございましたか?

き:エリマネに携わるようになった当初から、エリマネのイメージは大いに変わりました。普段の仕事とは違った世界を体験できていることは、有難いことです。
また、人通りも少なかった頃を思い出すと、まちとして明るくなりましたね。ほとんど弊社のグループが携われたこともあり、このエリアをつくってきたという自負がないことはないなと(笑)非常に感慨深く感じています。

08_photo(木村氏)

お:エリマネ組織・事業者としては、グッドデザイン賞や都市住宅学会長賞など評価いただけましたね。事務局長として光栄に思います。
民間事業者に所属しつつ一般社団法人の代表理事も担うといった、なかなかないケースだと思いますが、その点はいかがですか?

き:エリマネ組織や事業者という立場では、素敵な賞も受賞でき、推進してきたことはとても貴重な体験でした。
それだけでなく、代表理事という立場で携われたからこそ、学べたことも多くあります。エリマネへの理解を深めることや、暮らしている住民の方の声を伺うといった機会はここでしかできないもの。もっと弊社の社員を巻き込んで、一緒に取組めたら良かったのかなと感じていますかね。


―最後に、HITOTOWAへの今後の期待についてメッセージとともにお聞かせください。

き:まちのねの将来についてここまで描いてこられたことも、御社と現地スタッフの皆さんのおかげです。
エリアマネジメントの推進という点においては、御社のような会社が今後は必要不可欠になると感じています。

浜甲子園団地エリアだけでなく、事業機会があれば、ぜひまたご一緒したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

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この度、HITOTOWAでは今年の夏頃からの就業を目指して、関西における採用募集をスタートすることとなりました。下記に、採用情報のページリンクを掲載しておりますので、是非ご応募、情報のシェアをお願い申し上げます。

HITOTOWA Recruitページ
HITOTOWA information(関西採用について)
HITOTOWA Recruit@関西-採用説明会のお知らせ
日本仕事百貨 インタビュー記事

今回のインタビューでは、HITOTOWAが取組む事業である「ネイバーフッドデザイン」を通じて、HITOTOWAの働き方や強みをお伝えできればと考えました。

そこで、現在、一般社団法人まちのね浜甲子園の代表理事を務められている
株式会社長谷工コーポレーションの木村友啓さまへのインタビューが実現。この場をお借りして、ご協力いただきありがとうございました。

まちのね浜甲子園の取組みとしては、本記事の他にも掲載しておりますので、宜しければご覧ください。

地域のみんなでつくる、地域のための場所【Interview vol.2-1】

愛着が生まれるコミュニティカフェの在り方【Interview vol.2-2】



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