見出し画像

使う言葉

 使う言葉の傾向について話そう。

 使う言葉にはその人の育った環境や得てきた知識、そして現在の状況が反映されると思っている。これはきっと口にしないだけで誰もが思っていることだとも思う。
 自分の曲を作りたいという気持ちが明確になったのはここ数年だが、ふわっと自分の曲を作ってみたい気持ちはどこかにあって、ずっと歌詞(メロディーは残していなかったが)をメモに残し続けていた。
 それを見返すと、ここにはやはり、自分が歩いてきた道のりが見える。好きなバンドのオマージュであったり、当時の思いがストレートに書かれていたり、場合によっては一言だけ書かれているだけのメモもある。今では書けないな、と思うものもしばしば。

 そして、最近より身近な人たちが書く歌詞や自身の作品と向き合ってみて、改めて使っている言葉の傾向に関してふと考えた。
 最近の自分のメモを見返すと、概念としては「時間」「日々」「夜」などが多いように思える。書き方を変えたこともあってブレはあるとは言え、なんとなく希望を見出している。

 ここで話題に上げたいのが、最近の自身の音楽事情である。ギリギリ広義のボカロPと言えるヒトトギスは、SNS上で絡んでくださる人の曲や先日のイベントで出会えた楽曲を聴いている。すると、その人の普段の投稿以上に「へー」となる。歌詞もどういう曲を作るか、その歌詞にどれくらいの意味を持たせるかで変わると思うが、それでも多種多様。きっと彼らの言葉の引き出しは大きく、整理されているのだろう。整理されていなかったとしても、中身は濃いのだろう。
 作曲者自身の音楽への向き合い方や「この曲でどうしたいのか?」というのが伝わる気がした。もちろん、作者そこまで考えてないよ、と言う人もいるだろうが、それにしたってその言葉は作者が選んだものなので、いろいろな形で反映されているのだろう。

 キャッチーな言葉もそれぞれ作者が捻りだした一つの答えだし、難しい言葉も簡単な言葉も、並べる人によって並べ方は違う。これだから歌詞って面白い。

 少し逸れるが、普段の言葉遣いや話の流れの持っていき方にもその人の人生が出ると思う。繊細なのかな、と感じる人は喋り方や話題も人を傷つけないようなものだ。自信がある人のそれは自信に満ちている。怒りっぽい人は少し棘がある。
 ということは、自信を持っているように話せば自ずと自信がついてくる…?これは面接とかでも言われる「大きな声でハキハキと」みたいなものだろうか。もしかすると、普段の過ごし方を変えるとかける歌詞も変わってくるかもしれない。
 どこかで「暗い歌詞を書くために暗い物語を読む」といった話を聞いた気がする。明るい物語や明るい話を摂取すれば、自信がない人や明るくなれない人も明るくなれるのかもしれない。少し精神が不調な人はすこぶるハッピーエンドの物語を読もう。

 ところで、ヒトトギスもインプットはしながらも、とりあえず自分の言葉の引き出しをガサガサと漁って歌詞を書いている。どうやら、幸せな人生を送っているようである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?