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「ひとすじ」を一人ではなく、チームでやる理由

「一匹狼」

自分のこれまでのフリーランス人生、4年弱を振り返ると、とてもいいことだとは思えないけど、このフレーズに表されてしまう。

もちろん映像制作という仕事柄、クライアントさんはいて、時にはチームで動くし、決して自分だけで完結するわけではないけれど、企画・撮影・編集をできるビデオグラファーの職種も相まって、基本的に一人で動くことが多かった。

そもそも一人っ子で、兄弟もいない人生を歩んできたから、一人に居心地の良さを覚えるのは当然なのかもしれない。喧嘩もないし、マイペースに動けるし、何より気楽だ。一人旅、一人焼肉は全然嫌いじゃない。

しかし、振り返ってみると、大きな成果を出せた時、感情が振り切れた時、人生において濃い時間を過ごしているであろう時、一人ではなかった。必ず、友人や仲間と呼べる存在が周りにいた。

50年ひとつの仕事を続けた人の仕事観や人生観を、写真やインタビューを通して探るプロジェクト「ひとすじ」。一人旅している時に、いつか形にしたいと思った企画を今では6人の素敵な仲間と共に前に進めています。

「人を巻き込むが怖い」から、頼りたいへ

取材先の福岡・長崎

なんだか冒頭で絶妙にかっこつけてしまった。

一人でやっている大きな理由は、チームでやるとめんどくさい部分が増えるし、何より人を巻き込むのが少し怖かったからだ。一人っ子故に、気楽なのも間違いないが、怖さが先にきていた。

少し遡ること大学時代、ゲストハウスを作りたいと思い、まだ何も決まっていないけど、とりあえず人を巻き込んでみた。LINEグループを作り、レンタルスペースを借りて、イベントをやった。近い将来、こんなことをしたいんだ、こんな未来にしたいから力を貸してくれと声高らかに語った。結局形になることはなかった。

みんな何かしらで協力したい気持ちを持ってくれていて、ありがたかったけれど、その期待には全くもって応えられなかった。そんな失敗を何度かする中で、大きい声で人を集め、周りを巻き込むのが怖くなった。単純に自信がなくなったんだと思う。

だから、今回の「50年ひとつの仕事をしている人の働き様をまとめて、写真集をつくる」という企画コンセプトがおぼろげに頭に浮かんでも、誰かに声をかけることが億劫でいた。

でも今回一緒にやっているメンバーはみんな、企画を話すと「面白そう、楽しそう」と言ってくれた。何より、みんな友人や仕事仲間として純粋にリスペクトする人たちだ。自分は写真や映像が強みではあるけれど、それ以外は特にないんだから、それぞれの個性や強みに思いっきり頼ってみようと、いい意味で吹っ切れて、仲間として「ひとすじ」に関わってもらうようになった。

自分語りがくどくなってきたので、ぼちぼちメンバーを一人ひとり紹介していこうと思う。声をかけた順で、それぞれの自己紹介文の後に中村の一言コメントを勝手に添えた。

もしこれを読んでくださった方が気になる人がいたら、それぞれのsnsをフォローしたり、仕事や作品を追っていただけたら嬉しい。

「ひとすじ」メンバー紹介

野澤 雪乃(のざわ ゆきの):ライター / インタビュアー

1995年1月22日生まれ。埼玉県さいたま市出身。早稲田大学卒業後、広告代理店にて映画やアニメ・キャラクターのプロデュースを行う。居酒屋や旅先で出会った人についつい人生取材をしてしまう。

中村コメント:雪乃とはPOOLOというキャリアデザインを考えるオンラインスクールで出会った。そのうちの何人かで北海道のサウナ旅に行こうとなり、行く前にオンラインで話した。その時に長年ひとつのことを続けた人の写真を撮りたいと話して、「めっちゃいいね〜!最高じゃーん」と言ってくれた存在である。おそらくこの時にそんな風に言われていなければ、今もまだ形にできていないはずだ。一緒にインタビューをしていても、その明るさで一気に取材相手との距離を縮めて、相手の本音を引き出していてすごいなと思っている。

増田 亮央(ますだ りょお):ライター / インタビュアー

1997年3月3日生まれ。千葉県市川市出身。日本大学卒業後、民法テレビ局で報道・ドキュメンタリーのディレクターを経験。現在はジャーナリストとして、国内のニュースを幅広く発信。

中村コメント:亮央は小中学校が一緒で、なんなら部活も同じだ。2022年の大晦日、雪乃と同様にやりたいことを話したら、やはり「面白そう」と言ってくれ、一緒にやることになった。今は少し違う部署で働いているみたいだけれど、元々はドキュメンタリーのディレクターをやっていたこともあって、後々一緒に映像も撮れるという気持ちもあった。ジャーナリスト精神が発揮され、取材がとても丁寧。たまに堅すぎるけど(笑)。 いつも楽しいとか嬉しいとか感情をシェアしてくれてありがたい。

新野 瑞貴(にいの みずき):編集者 / コミュニケーションデザイナー

1996年10月11日生まれ。千葉県流山市出身。オーストラリア、Monash Universityを卒業。人の想いを伝えていく、コミニュケーションデザインを確立するために日々奮闘中。生き方を垣間見たり、人のこだわりをみつけることが大好物。前世はたぶんイルカ🐬

中村コメント:今回は編集者として、noteの記事の編集・推敲を担当してもらっているが、本業はデザイナー。それもコミュニケーションデザイナーという馴染みのない職種だ。言葉からデザイン、チーム内コミュニケーションまで幅広く担当してもらっている。瑞貴がいるといないでは、チームのまとまりや記事のアウトプットの質・方向性が全くもって違うと思う。とても頼れる存在です。

後藤 花菜(ごとう はな):コピーライター

1993年3月生まれ。千葉県育ち。コピーライター。広告会社で企画とコピーの仕事をしている。犬とお寿司と散歩とコントと演劇が好き。最近はプロレスも好き。家がさくらももこさんだらけ。

中村コメント:取材を進めていく中で、写真集のタイトルを決めてから前に進みたい気持ちになった。そんなことを雪乃と話していて、紹介されたのがはなさんだ。30個以上のタイトル候補を出してもらって、満場一致で「ひとすじ」に決まった。最初に候補案を見た時は本当にプロってすごい、餅は餅屋だと改めて思い知らされた。自分だけでは絶対に辿りつけない、優しくて温かい言葉を紡いでくれる。

本間 はる華(ほんま はるか):グラフィックデザイナー / ブックデザイナー

1995年生まれ、滋賀県出身。立命館大学文学部日本文化情報学専攻卒業。グラフィックデザイナーとして、インハウス、広告代理店で働いたのち独立。出版レーベル湖畔を主宰。あざらしがすき🦭

中村コメント:仕事のギルドが一緒で、ゆるく繋がっていたのがはるかさん。一緒の案件をやることはほぼなかったけれど、シンプルで洗練されたデザインがとても好きで、自分の名刺のデザインを作ってもらったりした。自分以外にも写真家さんと素敵な写真集を作っていて、デザイナーを誘うならはるかさんと決めていたので、今回一緒にやれて夢叶ったり。写真集の写真組を絶賛相談中。

勝俣 泰斗(かつまた たいと):キュレーター

1995年生まれ、宮崎県出身。キュレーター。ニューヨーク州立大学美術史学部卒業。ギャラリーMARGINでディレクターを務める傍ら、イベントなどの企画に携わる。趣味は水泳🏊

中村コメント:この企画が浮かんだ理由。それは続けられない飽き性である性格からだった。その性格故の悩みを共有していたのが、学生時代の旅友達でもある泰斗だ。人生ゲームをしながら人生を考える会なんて1回限りのイベントを一緒に企画したりした。今は都内のギャラリーでディレクターとして働いているが、元からアイデアマンで、形にするまでがとにかく早い。展示の際は、泰斗の本領を思う存分発揮してもらおうと思う。

中村 創(なかむら そう):カメラマン

1997年生まれ。千葉県出身。映像ディレクターとして観光プロモーションや企業のSNSコンテンツの企画/撮影/編集を担当。今回の「ひとすじ」プロジェクトの発起人兼カメラマン。趣味は温泉とたい焼きづくり。

コメントの代わりに、この記事を読み終わったあと、決意表明記事を読んでいただけるととても嬉しいです。

このメンバーで「ひとすじ」を最後まで

2024年5月24日現在、目標の25組中19組が終わり、だいぶ終盤に差し掛かっている。

コアメンバーとしては、自分とこの6人で最後までやりきりたい。メンバーだけでなく、取材先を紹介してくださったり、この企画を応援してくれる友人や仕事仲間もたくさんいる。

期待に添えられるように、一人ではなくチームで、時に意見をバチバチにぶつけながら、それぞれの強みや良さを組み合わせて「ひとすじ」をよりいいプロジェクト、アウトプットとしてはより良い写真集にしていけたらと思う。

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