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[百万件のクチコミが語るホテル顧客満足度と構造]5.1.2 全観光ホテルのカテゴリ別クチコミ分析

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はじめに

まずは前回の記事をザックリ振りかえりながら、今回の記事内容について簡単に説明します。

前回記事の最終的なアウトプットは「CSポートフォリオ」でした。CSポートフォリオを作成する過程で重回帰分析を行い、総合評価への各カテゴリ評価の影響度を定量化しました。結論として、重要カテゴリが何なのかが明確化されました。

このような科学的プロセスを経ることで、「観光ホテルは立地が最重要なのでは?」「いや、気の利いたアメニティ提供こそが!」と言った個人の意見の相違や気持ちの揺らぎから解放されます。

そしてホテル経営者・管理者は、自社ホテルの現状評価(強み・弱み)を基準(全観光ホテル評価平均)との比較で明確化しながらも、改善の力点を重要カテゴリに置くことで、戦略的、すなわちリソースの効率化を図りながら速やかな施策立案、遂行、効果発現を狙うことができます。

一般旅行者の視点では、総合評価に加えて、重要カテゴリ評価に着目することで各ホテルの強み・弱み、あるいは個性を読み取ることができます。「サービス評価で高い総合評価に繋げてるホテル」「他は悪くないのに、食事で評価を下げているホテル」など、的確に解釈できるようになるでしょう。

このように「CSポートフォリオ」はとてもシンプルで分かりやすい強力なツールになります。

しかしながら、各カテゴリで高い評価を獲得するための施策を策定する段階になって、「具体的に何をすれば良いのか?」と行き詰るでしょう。何故なら「サービス」や「風呂」と言うカテゴリ名だけでは、あまりに漠然としているからです。

そこで、各カテゴリそれぞれをブレークダウン、ひも解いていく必要があります。

今回の記事では、過剰に微細なレベルに入り込むことを避けながら、重要カテゴリのひも解きに入ってゆきます。言い換えると、それぞれのカテゴリの高評価・低評価がどのようなモノ・コトで引き起こされているのかを見てゆきます。

いきなり細かくならないようにするのは、現在の対象が「全観光ホテル」であって、依然としてマクロなレベルにあるためです。少し先の記事では「全観光ホテル」を「温泉ホテルとその他」「料金レンジ別」などグループ化(層別)した上で詳細な分析を行ってゆきます。その段階で、各カテゴリのひも解きも微細化していこうと考えています。

ちなみに手段系の話になりますが、今回の記事では本記事での分析手法が「世界初」であることの背景をお分かりいただけるかと思います。

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