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 1989年、伊藤園がそれまでの「缶入り煎茶」を改名して販売開始した茶系飲料のロングセラー。
 2014年7月30日、日経ビジネスオンラインに海部美知(経営コンサルタント)なる人物が寄稿した「シリコンバレーに戻ってきた日本の企業たち」と題する記事のなかで伊藤園に触れた際、「余談」としながらも、

あの「おーいお茶」という男尊女卑的な響きのある商品名は何とかならないのか、と思うのだが…。

 という謎の一文が挟まれていた。
 なお、「お~いお茶」は米国でもロゴ・商品名とも変更なしに販売している。

 どうやらこの種の「響き」を感じ取る人は、「男性が女性にお茶を持ってこいと呼びかける場面」を想像しているようだ。

 当時ネットでは「『なんで?』『意味がわからない』『おーいお茶、に男尊女卑を見るのはさすがに被害妄想』『考えすぎw』『言われてみりゃそうだね。全然気づかなかった。』『なるほど、そういう考え方もあるんだな。』と様々な意見がみられた」そうである。

 なお伊藤園は、「そのような意図はまったくありませんし、これまでに要望や問い合わせはありません」とコメントしている。

 また2021年にもツイッター上で次のように呟かれている。

 謎なのは「お~いお茶」という言葉が仮に男性によって発せられがちであるとして、相手が女性であるという発想はどこから出てきたものだろうか。
 歴史的に言っても「お茶を持ってくるのは女性である」というジェンダーロールが定まっているとは思われない。
 室町~江戸時代にあった「茶坊主」と呼ばれていた雑用係は男性であるし、石田三成が豊臣秀吉にお茶の出し方によってその才気を見出されたという逸話は(江戸時代の創作とされるが)有名な話である。

 そもそも「お~い」という呼びかけの言葉自体、女性が発しても別に違和感のある言葉ではないように思える。

 たとえば画像・動画の素材サイトであるPIXTAは「おーいと笑顔で声をかけるお母さん」のイラスト素材を普通に販売している。

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