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【航空自衛隊第2航空団マーク】

 航空自衛隊第2航空団は、航空自衛隊「北部航空方面隊」に属する航空団の1つで、北海道千歳市の千歳基地に司令部を置く。
 当該マークは隊員からの公募をもとに決定され、2022年12月1日に発表。

航空自衛隊の第2航空団マーク

 ところがこれに「文化盗用」という言い掛かりがついた。
 文化盗用とは「異民族の衣装やアートなどを他の民族の人が使うこと」(たとえばアメリカ人が和服を着るとか)でしかないのだが、いわゆる左派がそれを悪し様に言うための用語である。

 また現実でも「アイヌ政策検討市民会議」なる団体が噛みついている。

自衛隊のマークにアイヌの伝統文様が使われることについて憂慮します(要請文)

内閣総理大臣 岸田文雄様
内閣官房アイヌ総合政策室長 吉井浩様
航空自衛隊第二航空団司令空将補 柳享範様

          アイヌ政策検討市民会議(代表 ジェフ・ゲーマン)

 わたしたちアイヌ政策検討市民会議は、日本のアイヌ政策の問題点を広く市民社会で共有し、国や道主導のアイヌ政策から当事者アイヌの自己決定権に基づくアイヌ政策へと転換するための基盤、すなわち代替策をつくり、日本政府や国連の人権監視機関など国内外の関係諸機関に提示することを目的に活動しています。わたしたちは、航空自衛隊第二航空団空団マークにアイヌ文様が「使われている」ことについて憂慮します。
 本件で問題とされているアイヌ文様などは、「伝統的知識」(traditional knowledge)ないし「先住民族知識」(Indigenous knowledge)と言われ、その関係各国が保護に努めることは、わが国も署名している 2007年の「国連の先住民族の権利に関する宣言」(UNDRIP)31条が明定するところです。また、「伝統的知識」ないし「先住民族知識」は、個人主義的な知的財産権システムと齟齬を来しているので、国際条約レベルで、すなわち、「生物多様性条約」(CBD)や「世界知的所有権機関」(WIPO)で、共同体的な先住民族の利益保護を図るべく、国際的尽力がなされているところであります。
 本来であれば、アイヌ民族の伝統的知識の保護は、2019年の「アイヌ施策推進法」において規定されるべき、重要な課題でした。わたしたちはまず、アイヌ民族が文様を含めた伝統的知識、先住民族知識を自らのものとして適切に管理・運用し、そこから利益が得られるようにすべき責務が、国にあると考えます。現行の野放図なあり方をできる限り早期に是正し、遅くとも2024年の「アイヌ施策推進法」に見直しに際しては、アイヌ民族の伝統的知識の保護に関する条文が盛り込まれることを求めます。
 本来、そのような立場にあるはずの国の一機関である自衛隊が、アイヌ文様を使用することは、UNDRIPの第3条の精神に違反するものです。また、近時急速に軍備拡張を続けている自衛隊に対して、アイヌ民族自体がそのシンボルの利用を認めても良いのかという、重要な問題もはらんでいます。アイヌ民族の中には、アイヌ文様が戦争利用されるものと考えるものもおり、このような人々にとって自衛隊のアイヌ文様利用は、耐え難い苦痛を与えるものです。
 北海道アイヌ協会や千歳市に相談をしていることはうかがっていますが、わたしたちの身近にいるアイヌの人たちが「全く知らなかった」「相談されたという認識はない」と語るのを聞くにつけ、わたしたちは、「できる限り多くのアイヌ民族の合意形成」という最も肝心なことがおざなりにされたまま、伝統文様の使用が進められていることを危惧します。これではアイヌ民族の「自己決定の権利」がないがしろにされていると指摘せざるを得ません。
 以上により、アイヌ政策検討市民会議としては、このような事態に強く反対し、実質的な意味のインフォームド・コンセントを得ていないアイヌ文様の自衛隊による利用に強く反対し、その差し止めを求めます。もし岸田政権が、このようなアイヌ文様の利用を認めるならば、その誠実な説明を求めます。

自衛隊のマークにアイヌの伝統文様が使われることについて憂慮します(要請文)

 なおAV人権倫理機構の代表理事でもある武蔵野美術大学の【志田陽子】教授は朝日新聞記事で次のように一般論を述べている。

「先住民族の文化は、これまで著作権法の保護対象にならないとされてきたが、最近は集団の知的財産として保護すべきだとの議論がある。多数者側が利用する際は、当事者に敬意を払い、意に反する安易な流用を避ける配慮が必要だ」

空自航空団の新マークは「アイヌ文化の盗用」か デザインめぐり議論

 しかし第2航空団はマーク制定に際し、特許庁だけでなく北海道アイヌ協会や千歳市などにも確認し、使用に問題がないことを事前確認していた。
 実はこの「アイヌ政策検討市民会議」なる団体、かなりヤバいことに『ウラジーミル・プーチン大統領あての要望書』と題する書状を、ウクライナ侵攻開始までウェブサイトに掲げていた団体なのである。その要旨は以下のようなもの。

1.クリル諸島をアイヌ民族の自治州/区としてください。
2.クリル諸島沿海域をアイヌ民族による漁業資源管理エリアとしてください。
3.クリル諸島の自然環境を保全してください。とくに南クリル地域については、UNESCO世界自然遺産登録地である知床半島(北海道島)との一体的な保全管理をご検討ください。

わたくしたち先住民族アイヌのさささやかな要望にご配慮をたまわれば幸甚です。

ウラジーミル・プーチン大統領あての要望書

 クリル諸島というのは千島列島のロシア語名で、ロシア解釈では北方領土を含む。
 つまりこの書状はプーチン大統領に対し「北方領土と北海道を奪取して自分達に土地を分けてくれ」という内容である。なお現在ではウェブサイトからはこっそり削除されている。

 本件マークに言い掛かりをつけたのは実はこういうグループであった。

参考リンク・資料:

https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=voice&id=7268111

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