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【ミッドナイトスワン】

 2020年9月に公開された日本映画。内田英治監督・草彅剛主演。
 ニューハーフショークラブで働くトランスジェンダーの「凪沙」と、凪沙が預かる親戚の娘・一果との交流を中心に描く。
 第44回日本アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞。また主演の草彅剛が最優秀主演男優賞に輝いた。

 これに不満な人々がいる――トランスジェンダー活動家と呼ばれる連中である。
 彼らは「トランスジェンダー役はトランスジェンダーが演じるべき」だと信じているからである(なお、そうしないことを【ストレート・ウォッシング】と呼ぶ)。

 同項で指摘したこの主義の問題点は、もちろん『ミッドナイトスワン』批判においても何も解決されていない。
 たとえば草彅剛が、カミングアウトしていないトランスジェンダーでは『ない』となぜ断定できるのだろうか。明示的に否定したとしても、それは嘘かもしれない。ストレート・ウォッシング批判は、そのままトランスジェンダーを公表せずに活動している俳優たちを黙殺し、彼らから自身のセクシュアリティを演じる機会を奪うことに繋がるのだ。
 また仮にシスジェンダーであったとして、草彅剛から役を「奪われた」他の役者は、トランスジェンダーの役者だけではない。この役を欲しかったであろう他の全ての俳優たちも同様に草彅氏に「奪われて」いるのである。それは単なる俳優という世界の厳しさ、成功に至る門の狭さであって、差別とは関係がない。

 さらに「EPATAYしょうもない映画の話」というブログに至っては、未成年の役者が「レッスン費のために『撮影会』のバイトを行うシーンや、親の精神的虐待、果てには自殺」果ては「タバコを吸うシーン」にまで噛みついていた。

それは中学生の扱い方です。
この映画ではトランスジェンダー女性だけでなく、中学生も悲劇的な象徴として扱われています。

レッスン費のために「撮影会」のバイトを行うシーンや、親の精神的虐待、果てには自殺。

仮にこういうシーンを描くのはいいとしたって、演じているのは14歳、19歳と未成年の役者ですよね。ケアはちゃんと行なっているのでしょうか。

タバコを吸うシーンだってあれ必要ありました?あれがなくたってりんが親の見えないところで反抗しようとしているのは分かりますし、描くにしたって灰皿を映しておけばそれで十分じゃないですかね。実際に火がついていないからとかそういう問題ではないです。未成年の俳優にやらせているということの問題を指摘しています。

【感想】映画『ミッドナイトスワン』を有り難がってはいけない理由。

 そんなことが駄目であれば、実写で児童虐待の問題を描く映像作品そのものができなくなってしまうだろう。
 本当にしょうもない言い掛かりである。

参考リンク・資料:

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