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『大阪の駅での落武者たち』2022-12-24
立憲民主党の元衆議院議員・尾辻かなこ氏のツイートに始まった【JR大阪駅「雀魂×咲全国編コラボ」広告】をめぐる論争は、めでたくフェミニズム勢の完敗で幕を閉じた。
(概略はこちら)
いわゆるイーロン・マスクによるツイッター買収に伴うフェミニスト達のネット拡散力の低下もあっただろうが、筆者の感触としては、それ以上にフェミニズム的表現規制のおかしさが幾多の事件とその批判を通して社会的に認知され、JR側が常識的な対応を取ったことが大きいのではないかと思っている。
さて、今日の『シンカ論マガジン』では、その落ち武者たちの負け惜しみを、2例ほど気軽に読んでいくことにしたい。
小林美香編
まずは弁護士ドットコムに掲載された、写真研究者・小林美香という人物によるこちらのコラムだ。
弁護士ドットコムはすでに平裕介弁護士による高度な法的検討を経た「問題なし」という論考を載せているのだが、バランスを取るつもりだったのだろうか。しかしながら残念ながら、平弁護士に比べてそのクオリティは圧倒的に低い。
まずタイトルからこれである。
「切り取られた画像だけで判断しないで」
いやいやいやいや(笑)
「ノーカーーーーーーーン!今のなーーーーし!」にもほどがあるだろう。
まずこの「切り取られた画像」は、もともと尾辻かな子氏が糾弾するため に出してきたものである。
そもそもの出自からして、いわば悪意方向で「切り取った」ものである。画像ではおとなしい絵に見えるが現場で見るとドギツい、というようなものではない。逆だ。
「切り取られた画像だけだったから、問題なしと誤って判断してしまった」のではない。「切り取られた画像だけでもなお、世論は問題なしと判断した」のである。
そもそも写真で判断するなというのに写真研究家を呼んできて何をどうしたかったのか?
2020年8月、村上さとこ北九州市議が、同じJR西日本の京都駅で【地下鉄に乗るっ】のキャラ絵を切り取り糾弾した前例が思い出される。
お早うございます。全国政策研究集会2日目です。会場は大学です。環境省の萌キャラ(?)が話題ですが、京都駅も萌えていました。リアルに周囲を見渡すと若い女性はロングスカートかロングパンツばかり。高校生もアンダーパンツ見えませんよね(うちの高校生の3女も見えません) 男性目線のキャラですね pic.twitter.com/BbJ2drSpgV
— 村上さとこ【北九州市議・八幡西区・無所属】 (@murakamisatoko) August 24, 2020
![](https://assets.st-note.com/img/1671793737830-7AnX11wmu6.png?width=800)
また2021年11月の【rurudo個展「PLAYROOM」in梅田ロフト】も、展示場の奥にあったセクシーなイラストを切り取られて炎上させられた。
![](https://assets.st-note.com/img/1671794407760-7e2BLzlfgc.png)
お店に入った瞬間にドーン
— ローンドッグケイ素 (@XHooryjvMOfF3Zl) November 19, 2021
(態々近付いて撮影) pic.twitter.com/f8uWJJXmOs
それでは実際のお店入った瞬間をどうぞ
— 海兎 (@hinokami7053) November 20, 2021
←Nu茶屋町側(1,2枚目)
→梅田芸術劇場側(3枚目) pic.twitter.com/SUx9qihhd8
フェミニストはこういうことをしてきたのである。
「切り取られた画像で判断するな」というなら、それはまず尾辻氏と、それを応援したフェミニスト達に要求すべきものだ。そもそも切り取った画像で叩き始めたのは彼らなのだから。
実際どうだっただろう?
小林氏をはじめ他のフェミニスト達はお仲間に「ちょっと待て!尾辻さんのツイートはあくまで切り取られた画像だ!この写真で判断するのは早計だしフェアじゃないぞ!」と諫めただろうか。
馬鹿言っちゃいけない。そんな公明正大なフェミニストを私は一人も見たことがない。今回の件でも、先に述べた2例の時にも。
ちなみに、ごちゃごちゃと写真知識を並べているが、そのなか「咲×雀魂」広告の有害性を示すに足る知識は、何一つない。
中段には昔の芸術家ヘルバルト・バイヤーの言葉や、ムダ毛処理の広告の分析などが書かれているのだが、これらは「ワタシはムズカシイことを知ってるんですよー!」と印象操作をするためだけにあるに等しい。「だから咲の広告も有害なのだ」と示すような理論には何一つ繋がっていないからだ。
結局、バイヤーやムダ毛処理と「咲」は一文字も関連付けられることはなく、後段で話は切り替わってしまう。
ユーザー層が限定されているはずのいわゆる「美少女系」のゲーム広告が駅などの公共空間に溢れるようになったのは、コロナ禍を背景とした広告不況がある。不特定多数の人たちが見慣れない広告にさらされる中で、尾辻氏のように違和感を覚える人が出てきてもおかしくはない。
「おかしくはない」も何も実際に現場では文句が来ておらず、実際に未遂とはいえ炎上させられようとしたのはネットの「切り取られた画像」を通してでしかなかったのだから、机上の空論というしかない。
「ユーザー層が限定されているはずの」と言われても、その「はず」自体も思い込みでしかない。アニメ風のキャラクター造形は男女関係なく若い世代に広く支持されていることはとっくに判明しているし、そもそも『雀魂』そのものが麻雀ゲームとしては高い女性人気に支えられている。すべてが周回遅れの議論である。
九郎政宗編
上の小林美香に、ツイッターで軽くつっこみを入れていたら、喰いついてきたのがこちらの御仁である。
▼#いやそのりくつはおかしい
— 九郎政宗 🕊️【∃】🌈🚩🖖 (@claw2003) December 17, 2022
「フェミが負けた」ってwwwありもしない脳内マイルールで「精神勝利法」乙www人生楽しそうでうらやましいwww
(@∀@)つ【JR西日本への意見書】
「オタク男だけど、オタ媚びエロ広告やめて」※大意https://t.co/yJy2YnQNnc#オタクだからこそ女性の人権を守る
このツイートで「JR西日本への意見書」なるものがリンクされているが、どうやら彼自身が書いたもののようだ。
……彼?
確かにこの「意見書」とやらには、こう書いてある。
この意見書の執筆者である私は、仕事や生活でJR西日本の交通機関を利用している既婚男性です。アニメ・マンガ・ゲーム・映画・小説・歴史・政治・戦記などのオタクでもあります。
ところで、こちらのページをご覧いただきたい。
「九郎政宗=金尻カズナ説」の紹介
彼には悪名高い「ぱっぷす」金尻カズナとの同一人物説がある。2018年に彼が拡散してしまったChange.orgのページに、金尻のFacebookアカウントとの連携が残っていたというのがその根拠だ。
これが本当なら、昨今のポリコレ「トランス女性は女性です!」論に照らすと、彼がオタク「男性」だというのは偽証だということになる。
のみならず、トランス女性を男性扱いすることが人権侵害である、深く傷つけるという、彼らの論拠への有力な反証になる。なにしろ、トランス女性自らが平気で男性を名乗っているという実例なのだから。
……まあそれはともかく、内容を見ていこう。
「JR西日本への意見書」の非論理性
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