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 ミステリー作品に頻繁に用いられる題名のスタイル。
 定番中の定番で、古典から新作までこの題を冠する作品は数え切れない。なお「ニコニコ大百科」には「『○○殺人事件』というタイトルの一覧」という記事が存在する。

 2021年2月21日、表現の自由保護に実績のある山田太郎参議院議員(自民党)が、複数出版社に対し大手クレジットカード会社が「特定の表現が商品表題にある場合に扱えなくなる旨の通知」を出しており、関係者から相談を受けていることをツイッターで明らかにした。その中に「~殺人事件」という言葉も含まれていたという話。

 独占禁止法では民間事業者間の「不公正な取引方法」(第2条9項)の一種として「優越的地位の濫用」(同項5号)を定めている。
 これは「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に」なされる行為で「取引の相手方からの取引に商品の受領を拒み(略)その他取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること。」が含まれている。
 2019年頃から成人向け書籍などの販売に対し、海外資本のクレジットカード会社が決済権を振りかざして圧力をかけることが表現規制界隈では問題視されていたが、山田議員は当時からこの行為が独禁法上の優越的地位の濫用にあたることを公取委に確認している。

 2021年10月現在、AmazonRakutenなどのネット通販サービスで「殺人事件」を検索してみるとミステリー小説本などが問題なくヒットするので、「殺人事件」を使った商品を取り扱えなくなるという話は、現在のところ実際の運用に至ったわけではないようである。

参考リンク・資料:

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