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【テロと産廃 御嵩町騒動の顛末とその波紋】

 2021年2月に発刊された、岐阜県御嵩みたけ町の産廃処分場問題を扱ったノンフィクション書籍。著者は元朝日新聞記者の杉本裕明。花伝社。

岐阜県御嵩町の産廃処分場問題(2009年07月10日 朝刊)
産廃業者の寿和工業が同町小和沢地区に管理型最終処分場を計画。町は95年2月、同社から協力金35億円を受け取る協定を交わした。だが、同年4月に初当選した柳川喜郎町長(当時)が県に許可手続きの一時凍結を要望。柳川町長は96年、2人組に襲撃され重傷を負った。町は97年、処分場建設を問う全国初の住民投票を実施。反対が8割近くに達した。その後10年、問題は進展しなかったが、07年4月に県、町、寿和工業が3者会談を開催。同年末に「住民投票の結果を尊重する」と合意し、事実上の建設中止が決まった。

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 この事件とその後について取材したノンフィクションである。本書は著者によって御嵩町図書館に贈呈されていたが、渡辺公夫町長が直後の2021年3月町議会で「反論満載のウソ本」「あんなデタラメを置くわけにはいかん」と発言した。
 議会内で検閲ではないかという指摘もあったが、渡辺町長はその指摘に答えず、自身が町長になってから発生した2件の町職員自殺についての経緯や、町議時代から町長の座を狙っていたとする記述などが事実と異なると述べた。

 図書館は同書を倉庫に保管したままとし、なおかつ閲覧リクエストが計4件あったにもかかわらず応じなかった。なお『図書館の自由に関する宣言』は同館にも掲示されている。
 日本図書館協会の「図書館の自由委員会」委員長をつとめる西河内靖泰氏はこう述べる。

「地域についての本は、一級資料として一番に入れるべきだ。事実誤認があるなら、反論の小冊子を付ければいい。賛否があっても情報を提供するのが図書館の使命だ。貸し出ししても内容に同調していることにはならない。民主主義を守ったはずの町がどうしたのか」

「反論満載のうそ本」町長の発言きっかけ、町図書館で閲覧不可に

 3月15日、町教育委員会は対応を見直し、貸出の方針を決めた。高木俊朗教育長は「私も許せんと思い閲覧を止めていた。しかし、図書館の自由の尊重など今回改めて勉強し直した」「いったんは本を貸し出した上で、その後の対応を話し合うべきだったと反省している。図書館として町民の権利や自由を大事にしていきたい」と述べ、貸し出しにあたっては内容に反論する町長の文書をつける予定だという。
 しかし、いったんは貸し出すとして対応を話し合うべきだったというなら、反論文書の準備にかかわらず直ちに貸し出しを開始し、出来次第つければ良いと考えられるが、実際には2022年3月15日現在もいまだ貸出開始時期が未定であるという。


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