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【京都丹波子育て応援フェスタ2018】

2018年11月24日、京都府南丹市の国際交流会館で行われたイベント。

 プログラム中の「子育て応援講演会」で、当初講師として予定されていたのが精神科医の香山リカ氏で、演題は「子どもの心を豊かにはぐくむために」であった。しかし、これを察知した右派の抗議によって、ジャーナリストの石川結貴氏による「地域で育む子どもの未来~親子が笑顔で向き合う子育て」に変更となった。
 香山氏による講演は2017年6月にも、江東区で予定されていた「地域福祉セミナー」が右派の抗議によって中止となっている。

 香山氏は「リカちゃん人形」の設定上の本名をそのまま自身のペンネームに用い、かつては『リカちゃんのサイコのお部屋』『おかしくってもダイジョーブ!!』など、精神医学にまつわる平易で親しみやすい一般向けエッセイを書いて人気を博していた人物である。また少なくとも当時はサブカルチャーに親和的であり、1996年には当時バッシングの対象であったテレビゲームに対する擁護的著作『テレビゲームと癒し』も出している
 が、近年の言動からは「ヒステリックで過激な左翼おばさん」のイメージの方が強くなっている。特に2016年1月10日に東京・銀座で開催された、右派による「慰安婦問題での日韓合意を糾弾する大行進」デモの当日、デモ隊に向かって憎悪に満ちた表情でファックサインをしながら「バカヤロウ!桜井!豚野郎!死ねえ!」と絶叫する動画が拡散されており、香山氏といえばこの場面を連想する人も多い。

 南丹市によると、市役所に来訪し「当日大音量を発する車が来たり、会場で妨害や暴力があったりしたら大変やろ」と言い放ったり、「日の丸の服を着て行っていいか」などとする電話が市に5件あったという。同市は京都府警に相談の上、講師の変更を決めたという。
 朝日新聞の取材に西村良平市長は「「圧力に屈したわけではない」としながらも「子どもや母親らに穏やかに参加してもらうことが大事ということを考慮した」と述べている。
 右派・左派として著名な人物が出席するサイン会や講演会については、いずれからもその予定が敵対勢力によって察知されるとともに、主催者もしくは会場管理者に対して抗議が殺到し、安全を危惧した運営側がイベントを中止とするというような事態が時折起こっている。
 言論の自由・思想の自由市場という観点からは、どのような意見もその表明を許されるべきであり、仮に今回のような演題において、右派が受け入れがたいような主張を香山氏がするとしても、それは違憲の封殺でなく反論をもって対応するのが正道である。この件において南丹市や香山氏が「被害者」側であることは疑う余地がないであろう。

 しかしながら、香山氏自身が、桜井誠氏など右派著名人の講演などを集団抗議で中止に追いやった過去があることも忘れてはならない。

 また、フェミニストの石川優実氏は2020年に【くまクッキング】氏による広告がフェミニストに妨害されたことに対し、「違う女に仕事を振れば問題ない」と暴論を吐いているが、この理屈によれば本件も女性の仕事を奪った結果にならないことになる(代役として講演した石川結貴氏も女性である)。

 もちろん、こんなものは詭弁であり、ある特定の女性が不当な圧力で仕事を奪われたということは、すなわち女性の仕事が奪われたのである。

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