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【スカーレット・ヨハンソン】

 アメリカの人気白人女優。
 ルパート・サンダース監督の【ゴースト・イン・ザ・シェル(実写映画版)】で主演した際、士郎政宗の原作では草薙素子にあたるヒロイン「ミラ・キリアン」が白人である彼女によって演じられた。同作のストーリーのもとでは、彼女が白人、少なくとも草薙素子と同じ東洋人でないことに大きな意味があるものであったが、無理解な「ポリコレ」勢は彼女をバッシングした。しかしこのときは同作は無事公開された。

  翌2018年に彼女がふたたび主演女優として発表された映画『Rub&Tug』は、ポリコレ勢にとっての復讐戦となった。
 バッシングを受けたヨハンソンはジェフリー・タンバー、ジャレッド・レト、フェリシティ・ハフマンなど、非トランスジェンダー俳優がトランスジェンダー役を演じた実例を挙げて反論したが、結局は降板を余儀なくされてしまう。

 しかし、そもそもなぜヨハンソンがトランスジェンダーでないとわかるのだろう?
 もちろん、ヨハンソンは自身がトランスジェンダーだとは言っていない。だとしても、いやむしろそれを否定していたとしても、彼女が「カミングアウトしていない性別違和」を持っていないと何故言い切れるのだろうか。

 ここに「トランスジェンダー役をトランスジェンダ―俳優に独占させるべき」という論の決定的な弱点がある。
 シスジェンダー(トランスジェンダーでない人)俳優がトランスジェンダー役を演じるのをキャンセルするという方法は、トランスジェンダーを隠している人からその役を演じる機会を永久に奪うのである。
 しかも公正な競争によって奪うのではなく、圧力で禁じるのだ。

 ところで降板したヨハンソンは、同作のプロデューサーも兼任していた。
 彼女が降りたことで『Rub&Tug』自体の製作までもが見通しが立たなくなってしまったのである。

 同作は1970~80年代に「風俗街の帝王」と呼ばれた実在の人物ジーン・マリー・ジル(男性名ダンテ・"テックス"・ジル)を描いた実話映画である。トランスジェンダーへの理解を深めるはずの映画を、トランスジェンダーを「守る」はずのポリコレが破壊した結果となった。

 俳優ジョン・ロヴィッツは、本件でのヨハンソンへの批判に対して次のようにコメントしている。

「映画というものは、ビジネスなんだ。そうでなければ資金が集まらない。それに加えて、監督には作品に対してのビジョンがある。私は、慎んであなたの意見に対して異議を唱える。スカーレットは、誰のチャンスも奪っていない。彼女は8歳の頃から俳優を始め、自分でチャンス、仕事、俳優としてのキャリアを作ったんだ」

参考リンク・資料:

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