[読書メモ]『会社に行きたくない。さて、どうする?』(和田秀樹)

p3
これぐらいのストレスなんてたいしたことないはず、と思ってやり過ごしていると、ある時、ポキンと心が折れて、本当に会社に行けなくなるかもしれません。

p22
「会社に行きたくない」と思ったときに、実際に休んだことはありますか?/1回や2回はあるかもしれませんが、嫌だなあと感じながらも、たいていは真面目に出勤しているのではないでしょうか。

p32
本人が自覚している以上に、ストレスを溜め込んでいる可能性が高いからです。

p35
適応障害を「新型うつ病」と呼ぶケースもあります。/旧来型のうつ病のような憂うつ感が少なく、うつ病の薬が効きにくいのに、本人の不調感が強く、自殺も少なくないという特徴からそう呼ばれています。

pp38-39
日本の場合、精神科を訪れる人はごく少数です。大多数は行くことを拒み、足を運ぼうとしません。

pp42-43
アメリカでは心の病を恥として隠すことはしません。むしろ逆です。/ひとりで抱え込んだりせず、オープンに話して専門医の助けを乞うのが知的レベルの高さを反映すると考えられているのです。

p44
日本人はプロに頼むという発想が希薄です。/助けを求めるより前に、自分でどうにかしようとしますでも結局はうまくいかず、かえって問題を大きくしてしまうケースも少なくありません。/メンタルヘルスの問題も同様です。/プロに頼むのが近道なのにもかかわらず、それをしないがために、心の病をこじらせてしまうのです。

p48
2015年12月、従業員のメンタルヘルスケアを目的とした厚生労働省の取り組みとして、「ストレスチェック制度」がスタートしました。/同制度は、専門医が定期的に従業員のストレスチェック検査を実施し、職場環境の改善を促すとともに、メンタルヘルスの不調を未然に防止することを目的にしたものです。/従業員50人以上の事業者に義務付けられています(従業員50人未満の事業者は努力義務)。

p53
誰が休んでも代わりの人間は存在し、仕事は回ります。会社や組織というのはそういうものです。

p62
たとえば、転職サイトに登録するのもその一歩になります。何かアクションを起こすだけで、気持ちは軽くなるものです。

p64
その根本原因は、日本人にもっとも欠けている「やってみなければわからない」という思考だと思います。

p65
つまり、やってみなければわからないわけですが、日本人はそこで、やってみようとしない人が多いのです。

p68
しかし、人はなかなかこれまでのやり方を変えようとしません。新しいやり方を受け入れようとせず、変化することを嫌います。/せっかく私が新しい方法を提案しても、試そうとしない人は多いのです。

pp81-82
答えは簡単で、嫌われてもいいから、自分の本音を隠さず、ありのままの自分を出すことです。/それが、人間関係をラクにする出発点になると考えています。/ありのままの自分を出したら、あなたのことを嫌う人も中にはいるでしょう。でも一方で、あなたを好む人も現れるはずです。

p83
私は、心の安心感というのは、たったひとりの親友がいれば生まれてくるものだと思っています。

p89
自分だけが過剰に意識して、他人は何とも思っていない場合が多いのです。

pp92-93
心が折れそうで折れないのは、ツラいときにツラいといえるからです。ひとりでぼやくのではなく、こぼせる相手がいるからです。/何でもひとりで抱え込むと、苦しさは増すばかりです。

p99
そのうち、ガマンすることが目的になってしまったらもっとやっかいです。/本来、ガマンはプロセスであり、その先に目指す成果があります。/でも、ガマンが目的化するとこんなふうに考えるようになります。/「会社に行きたくないけど、ガマンして行けば給料をもらえる」

p112
けっして会社は「ガマンしてよく頑張っている」とは見てくれません。これではガマンするだけ損ではないでしょうか。/なのに、いいことがひとつもないのに、日本人はガマンすることを、いいことをしているととらえてしまいます。

p113
問題は、苦しさしかないのにガマンすることです。得るものが何もないのに、耐える必要があるかどうかを考えてみてください。

p122
短所を克服しようとしない

p127
優先すべきは、得意科目の方です。得意科目をたくさんやらせて「自分は賢いんだ」と自信をつけさせることが大事なのです。

p127
苦手な仕事を克服することは後回しにして、まずはできること、得意なことに取り組んでみてください。

p131
残念ながら、日本の教育現場では成功体験を味わうことが難しくなっています。/勉強でも運動でも、順位をつけなくなっているからです。競争をさせないのは、この国の教育政策の一番の問題点といえるでしょう。

p139
定年が70歳になれば、50歳で転職してもあと20年ある。嫌な職場にしがみついている場合ではない。

p144
私は患者さんに、「出した薬が合わなかったらすぐいってくださいね」というようにしています。/薬の効果がないと思えば、どんどん薬を変えていきます。

p149
いざ困ってから頼るのではうまくいかないものです。この人は信頼できると思ったら、普段から関係を築いておくことが大切だと思います。

p162
むしろ人間関係が苦手な人は、ひとりでも稼げる仕事を見つけて、そこで食べていけるスキルを磨く方が、嫌な人と話を合わせる努力より、よほど実のある健全な努力ではないでしょうか。

p171
依存症の特性は、人に依存できなくて、モノに依存することです。/ゲーム依存症、アルコール依存症、スマホ依存症、みんなそうです。

p182
前向きな気持ちは自分で作り出すことができます。そのために毎日、自分を褒めて励ますことを習慣にしてください。

p185
会社から離れて、何もせずに1週間を過ごすと、働いている時に感じていた不安や焦りなどを感じなくなります。代わりに、「何かしたい」という人間本来の欲望が蘇ってきます。/休むことで再び目覚める「何かしたい」欲望は、気持ちが前向きになっている証なのです。

p188
勝ち負けというのは、あくまで世間一般の尺度でしかありません。

p189
好かれる・嫌われるという曖昧なものに左右されるのではなく、実力という確かなものを磨く方がずっと健全だと思います。

p191
日本人は何事も「1回きり」という発想をしがちです。/「チャンスは1度しかない」と決めつけ、「これを失敗したら終わりだ」ぐらいに思っている人が結構います。

p192
選択肢を自分で狭めている人は意外に多いのです。

p192
実際には、人生の出来事の大半が「1回きり」ではありません。

p198
やってみる前から悪い結果を想像すると、不安を増殖させます。

pp198-199
何事もやってみないことには結果はわかりません。/やってみる前から結果を想像するのは無意味なことです。勝手に不安にかられるのも不要なことですね。/じつは、やってみて損をしたということは、あまりないはずです。/うまくいけば文句はないですし、仮にやってみたけどダメだった場合も損することはありません。

p205
「休む」ことも「働く」のと同じように大事なことです。


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