[読書メモ]『その歯みがきは万病のもと』(相馬理人)

p6
虫歯や歯周病をはじめとした口のなかの病気や健康に関する理解度や認知度のレベルのことを「デンタルIQ」と言います[。]

p25
歯ブラシの交換は月1回が目安です。

p36
「タフト (tuft)」とは「房、束」の意味で、「ワンタフトブラシ」は一つの毛束の歯ブラシのことです。

p40
プラーク、バイオフィルム、歯垢の三つは同じです。

p43
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaning の略で、簡単に言えば専門家が専門器具を用いて行う歯の清掃のことです。日々の歯みがきだけでは取り除けない歯石やプラーク、着色汚れなどを落として、虫歯や歯周病を予防することが目的です。

p68
2001年にはギネスブックに「世界中で最も蔓延している病気は歯周病である」と記載されたほどです。

p78
歯周病はよく「サイレントディジーズ(静かなる病気)」と言われます。初期の段階では自覚症状が少なく、気づいたときにはすでに重症化していることが多いからです。

p108
妊娠すると歯肉炎にかかりやすいということです。

p113
歯周病が悪化すると肥満にもなりやすいということは、ダイエットしようと思ったら、歯周病の予防・治療も欠かせないということです。

p154
虫歯菌の感染でいちばん多いのは、母子感染です。

p156
大人の場合は、シーラントを行っても虫歯予防効果はありません。あくまでも子どものための虫歯予防処置です。

p162
歯科医院で歯に高濃度のフッ素を塗る「フッ素塗布」は、まだ歯が成熟していない子どものほうが有効と言われています。

p163
なるべく歯を削らず、なるべく天然の歯を残して、歯の寿命を延ばすという「MI(ミニマル・インターベンション)」という考え方が浸透してきました。そして、治療技術や治療器具・材料の進化が、それを可能としています。

p167
虫歯も歯周病と同じように細菌感染です。

p177
スウェーデンやフィンランドでは子どものうちは歯科医療を無料で受けられることができ、矯正治療も例外ではありません。イギリスも、NHS (National Health Service) という国民健康保険制度で、子どもの歯科医療は矯正治療も含めて無料になります。

p194
「TCH (Tooth Contacting Habit: 歯列接触癖)」と言って、普段から上下の歯を持続的に接触させるのが癖になっている人がいます。

p200
MI治療というのは、なるべく削らない、なるべく抜かないのと同時に、もし抜歯をしなければいけなくなったら骨を守るという視点も大事です。患者さんのなかには、その視点を忘れている人もいます。

p206
人間の裸眼で、離れた二つの点を識別できるのは0.2ミリが限界だそうです。マイクロスコープでは肉眼の3〜20倍にも拡大することができるので、情報量は12〜450倍にも増えると言います。

p219
医療というのは、即時評価ができません。治療が終わった直後は「いい」と思っても、半年先にまた痛みが出たり、病気が再発したりするかもしれません。しかも、半年後に起こったことが仕方のないことなのか、治療に原因があるのか、患者さんには判断が難しいでしょう。患者さんと医師の間にはどうしても情報の非対称性があるので、患者さんが判断や評価をするのは非常に難しいのです。


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