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うさぎを日本から海外(ベトナム)へ連れて行く方法

私はうさぎを1羽飼っています。もう6歳です。動物病院では「中年だね」と言われました。可愛いのに…。笑

そんな私ですが、仕事の都合上、海外へ行くこととなりました。これからたくさんの国を周る予定ですが、最初の国はベトナムです。

海外へ行くことが決まれば、自分の家族であるうさぎを放っておくわけには行きません。
『よし、一緒に連れていくぞ!』
そう思いましたが、なかなか大変でした。
何が大変なのか、それは「情報が少ない」ことでした。

犬や猫はペットとして海外へ連れて行く事例が多く、情報はすぐに見つかります。ですが、うさぎとなれば話は変わります
今回は私が色々と調べて無事にうさぎを運んだ経験を綴っておきます。ぜひ同じような境遇に会った際は、この記事を参考にしてください。

うさぎを日本から海外(ベトナム)に連れて行く方法

ここから具体的にまとめていきます。実際に私が連れてきた方法です。
ステップ①航空券を予約する
ステップ②ペット輸送サービスを予約する
ステップ③日本側の動物検疫を予約して検査を受ける
ステップ④ベトナム側の動物検疫に連れて行くことを伝える
ステップ⑤実際に連れて行く

大きくはこの5ステップで行けます。ですが、このステップなかなか厄介でした。ですが、恐れることはありません。いざやってみると簡単でした。
では、1ステップずつの詳細を記載していきます。

ステップ①航空券を予約する

まず第一関門がこれです。
「うさぎを最も低コストで輸送する方法はどれだ?」

実は、動物の輸送は結構お金がかかります。動物単体で送る場合、30万円以上は予算で考えておく必要があります。しかも、受け取り方法も考慮しなければなりません。また、うさぎだけを送るというのは健康状態も気になります。ならば、一緒に行く方法を考えました。ですが問題はここからです。

日本から出国する航空会社で、うさぎと一緒に行けるのは、JALとANAしかありません。げっ歯類に分類されるうさぎは、どの航空会社も受け入れ不可としているのです。

では「JALとANAで予約!」と思いきや、びっくりします。この2つ、航空券がそもそも高いです。日本からベトナムに行く場合、この2社はおおよそ30万円〜35万円かかります。ちなみに、ベトジェットとベトナム航空は5万円〜7万円です。

私は愛知在住者で、以下の経路が最も安く済みましたので、ぜひ参考にしてください。おそらくですが、このパターンが一番お得に輸送できます。一回経由を挟むことで、直行便よりも安く済みました。

利用便:JAL(セントレア⇒成田経由⇒ハノイ)航空代金:約25万円
セントレアの出国時刻:14時30分頃
ハノイの到着時刻:22時30分(現地時間です)

ステップ②ペット輸送サービスを予約する

では、次のステップです。航空券を予約した後に、ペット輸送サービスを予約します。これが最も時間がかかりました。覚えておいて欲しいことは、航空券の予約が完了していないと、ペット輸送サービスを予約できません。
「え?ペット輸送がダメって言われたら、航空券はキャンセルできるの?」
そう思いませんか?私は思いました。

結論としては、キャンセルはできますが、返金はされません。
私は「どんなシステムなんだ…。」と思いましたが、とにかく航空券を予約して、何が何でもペット輸送サービスの予約を取ることを考えて動きました。ですがこのペット輸送サービス、クレートが厄介でした。
ちなみに、クレートとはペットを入れるケージのことです。

私はJALで予約しましたが、ここはANAの方が良いです。というのも、クレートのサイズ規定がANAの方が緩いからです。ANAの場合、クレートの規定は合計の長さが規定内に収まれば問題ありません。ですが、JALの場合はクレートの1辺ごとの長さに規定が設けられています。JALのクレートの規定は以下の通りです。

JALのHPより抜粋 ※ペットクレートの条件
JALのHPより抜粋 ※げっ歯類専用クレートの条件

げっ歯類は、自前のクレートを持っていき、そのクレートをJALが用意するクレートに入れなければなりません。
国内線の場合のげっ歯類専用クレート:SサイズとMサイズがある
国際線の場合のげっ歯類専用クレート:MサイズとLサイズがある

私は国内線でセントレアから成田に移動していますので、上記の両方に該当するMサイズのクレートに入れるように指示を受けました。ですが、このMサイズに合うサイズでIATAの基準を満たすクレートは売っているのでしょうか?残念ながら、そのようなクレートは探しても見つかりません。

私はネットリサーチには幾分の自信はありましたので、すぐに見つかるだろうと思っていましたが、全く見つかりませんでした。
JALに、「今まで運んだ事例があれば、そのクレートの写真を見せて欲しい」と伝えると、「写真はありません」とのことでした。なかなか手厳しい回答です。笑
そこでもう一度クレートの規定、そしてIATAの規定をよく読んでみました。
※IATAのサイトURLはこの記事の最後に添付しておきます。

そうするとあることに気づきます。
そもそもIATAの文書は有料であり、購入しないと読めません。一般公開されているのは犬と猫のクレートのみです。「有料文書をJALの社員が一字一句読むのか?」

そう思いながらJALのWEBサイトをよく読み返しました。JALのWEBサイトの抜粋は前に貼った写真の通りです。読むとわかりますが、JALは「IATAの規準を満たすこと」と記載した後に、詳細の内容を記載しています。

私は、IATAのことは一旦無視して、「JALの規定を守るものを用意すれば、それは自ずとIATAの規準を満たすだろう」いう判断をしました。
JALは大きな会社です。「IATAの有料文書をお客に買わせて読み込ませ、その規準に合うクレートを用意しろ、とは言わないだろう。きっとその抜粋をJALはわざわざ書いてくれてるのだから、JALの規定を満たすものであればOKだろう」と私は判断しました。そうなると向かう先は1つです。
何でも揃うホームセンターです。
私がクレートを選ぶ際に重視したのは以下です。

・サイズは32cm、32cm、39cm以下のものを選ぶ
・硬質プラスチック素材のものを選ぶ
・鍵がかけられるものを選ぶ(鍵を別途買う)
・ケースであればペット用でなくていい
・換気穴がなければ自分で穴を開ける


Yahoo知恵袋で、うさぎの輸送に困っている人がいて、その人への回答で、自分で作るという選択肢を選んだ人がいました。その人の回答では、金網をつけたりされていましたが、全く不要です。JALの規定文書を読めばわかりますが、金網の規定は書いていません。とにかくJALの規定を守れば良いのです。そこで私が選んだものはこれです。クレートではなく工具箱です。

約2,000円 硬質プラスチック(ポリエチレン)鍵穴あり サイズ規定内
呼吸用の穴は自分でキリで空けました。給水ボトルはハムスター用の小型のものです。ここにペットシーツを敷いて、餌は直置きです。
鍵は別途購入、施錠部分が長いものが良いです。工具箱は鍵穴が最初からあるので便利です。

このクレートを用意し、その後JALのペット輸送を無事に予約できました。
ちなみに注意点があります。エアトリのような旅行会社を通して航空券を購入した場合、旅行会社を通さないとペット輸送の予約を引き受けてもらえないので注意して下さい。

ステップ③日本側の動物検疫を予約して検査を受ける

航空券もペット輸送サービスも予約できたら、次は日本側の動物検疫です。動物検疫に問い合わせて、以下を予約して検査を受けて下さい。ちなみにうさぎは係留検査と言い、1泊2日で検査を実施します。

【動物検疫所】
家から最も近いところで結構です。国際空港には大体あります。
メールでも電話でも対応してくれます。
【うさぎの場合の必要書類】
獣医師からの健康診断書 / 検査の申請書
この2つを用意すれば後は必要なものは用意してくれます。

ちなみにうさぎの場合、餌にチモシーが含まれます。植物です。そのため、植物検疫も通さなければなりません。ですが、私は通していません。そのまま持っていったら普通に通れました。笑
これは感覚的にわかるのですが、ベトナムは基本緩い国です。何度か行ったことがあるので何となく、「黙って持って行っても何も言われないだろう。言われたらちょっとお金を払って通してもらうか、処分してもらって現地で買おう。」と考えていました。結果、何も言われずに通れました。
※ですが皆さん、念のためちゃんと受けた方が良いとは思います。笑

検査中のうちのうさぎくんです。
ケージは輸送用ではなく、日本国内で使用していたものに入れて持っていきました。

ステップ④ベトナム側の動物検疫に連れて行くことを伝える

次はベトナム側の動物検疫に「ベトナムにペットと一緒に行くぞ!」ということを伝えます。メールで問題ありません。英語は通じますので、英語で文章を送って下さい。ちなみにベトナムの動物検疫の問合せ先を探すのは少し時間がかかりました。私はノイバイ国際空港の動物検疫所に予約しました。
予約時に必要なものは、以下のものです。これらをメールに添付して送って下さい。

・飼い主のパスポートのコピー
・動物検疫証明書
・健康診断証明書
・フライト情報を1日以上前に伝える

基本メールが届いても返事をしてくれないこともあるので、「ちゃんと届いてる?」と催促メールを送って下さい。笑
返事が来なくても大丈夫です。「送信したんだから大丈夫でしょ?」とベトナムの空港でごねて下さい。それでいけます。ベトナムはそういう国です。笑

ステップ⑤実際に連れて行く

予約も万全になれば、後は実際に連れていくのみです。実際に空港のチケットカウンターにうさぎを用意したクレートに入れて持っていきました。全く問題なく引き受けてくれました。そもそも鍵をかけて持っていってますので、中を細かく確認したりすることもありません。なので堂々と持っていきましょう。

実際のげっ歯類専用クレートはこんな感じです。

ちなみに、ベトナムの空港でうさぎを引き取る場所だけ注意書きしておきます。このうさぎといったペットは特殊荷物に入ります。スケートボード等の大型荷物と同じです。なので、ノイバイ国際空港では、それら特殊荷物が出てくるところから出てきます。正確な場所は、荷物が流れてくるベルトの横にドアがついていて、そのドアの奥から次々とドアの外に人の手で運ばれてきます。なので、荷物が流れてくるベルトの横にあるドアの近くで待っていて下さい。

最後に注意があります。私は「やられた!」と思いました。笑
うさぎを受け取った後、動物検疫の人に個室に連れて行かれて、引き受けましたという紙を作成してもらいます。その際に、「これはね、作成費で200,000VND必要なんだよ」と言われました。到着したのも深夜で疲れていたので支払って穏便に済ませましたが、ここに来て自分はベトナムにいることを思い出しました。ベトナムは何かとお金をせびってきます。笑
「やられたー、200,000VND」と思いましたが、こういった時の交渉術は、自分のポケットに100,000VND札を一枚入れておきます。せびられた際に、「ベトナムドンはこれしかない」と言い、ポケットに忍ばせた100,000VNDだけを見せて下さい。そこでごねてれば交渉は大概成功します。笑

はい、長くなりましたが、これがうさぎをベトナムに連れていく方法です。準備は万端、後はとりあえず行ってしまえば何とかなります。
同じようにうさぎを海外に連れていく予定の人がいれば参考にして下さい。

ベトナムの自宅に無事に到着したうちのうさぎくんです!

以下、参考のウェブサイト情報を載せておきます。
この度は、JALさん、セントレア国際空港の検疫所の皆さん、そしてお金をせびってきたノイバイ国際空港の動物検疫のおじさん(笑)、ありがとうございました。

IATAのペットの輸送に関するWEBサイト
ノイバイ国際空港の動物検疫所の連絡先
JALの国際線でのペット輸送に関するWEBサイト
各動物検疫所の所在地

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