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2022年3月5日 22:09
「涼ちゃん、マスクは不織布のやつがいいわよ」小田涼という男が出かけようとする間際、彼の母がそんなことを言ったが彼は特に気にせず「まあ、今日はこれでいくわ」と言い残してドアを開けた。ロードバイクに跨って、彼の勤める職場まで走らせる。ノースフェイスのマウンテンパーカーをガシガシ鳴らしながらひた走る。マッドな気分があった。この心を何か形にして生み出したかった。だが彼には何も手段が思い浮かばなか