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無意識の偏見を知って気づいて対処しよう🤔

こんにちは!

心理カウンセラーのhitoeです🌸

前回、無意識を利用しようというお話をしました。

今回はその無意識からくる偏見のお話をしたいと思います。

いきなりですが「アンコンシャス・バイアス」という言葉知っていますか?

アンコンシャス・バイアスとは、自分自身は気づいていない「ものの見方やとらえ方の歪みや偏り」をいいます。

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1.アンコンシャス・バイアスとは?

アンコンシャス・バイアスは、その人の過去の経験や知識、価値観、信念をベースに認知や判断を自動的(つまり無意識)に行い、何気ない発言や行動として現れてしまいます。自分自身では意識しづらく、ゆがみや偏りがあるとは認識していないため、「無意識の偏見」とも呼ばれます。

アンコンシャス・バイアスは些細な言動や何気ない行為に含まれており、「よくあること」「気にするほどの事ではない」と見過ごされがちです。

しかし、そのまま放置すると、モチベーション低下やハラスメントの増加、コミュニケーション不全、ひいては組織や個人のパフォーマンス低下など様々な弊害を生むとされています。

そのため、アンコンシャス・バイアスの知識や対処法を身につけることは、多様な社員をマネジメントする上での必須要件として位置づけられ、

すでに様々な企業がトレーニングを実施しています。

Googleやフェイスブック、マイクロソフトなどの大手外資系企業が先陣を切って導入し、現在ではあらゆる業種の日本企業が、アンコンシャス・バイアス研修を導入しています。

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2.アンコンシャス・バイアスは誰もが持っているもの

例えば、様々な職業をみて、すぐに「この職業の人はきっとこうだろう」と、ステレオタイプ的なイメージを思い浮かべたりする人は多いのではないでしょうか。

脳は瞬時に物事を無意識に紐づけて素早く理解しようとします。

アンコンシャス・バイアスは高速思考ともいえます。

大量の情報を処理し、すばやく行動するためには欠かせないものです。

アンコンシャス・バイアスが機能することで大枠で物事を理解したり判断することが可能となります。アンコンシャス・バイアスは誰もが持っているもので、良い悪いというものではありません

一方で、その情報や知識が偏っていたり思い込みによるものであっても、自動的に瞬時に処理するため修正することができません。自分を含めて、誰もがアンコンシャス・バイアスを持っていることに自覚的になり、それをきちんと取り扱うことが大切です。

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3.アンコンシャス・バイアスの種類

アンコンシャス・バイアスには様々なものがあり、一説には200種類近くあると言われています。
皆さんは職場などで、日ごろ次のようなことはありませんか?

職場でよくあるアンコンシャス・バイアス例
雑用や飲み会の幹事は若手の仕事と決まっている
血液型で相手の性格を想像してしまう
育児中の女性社員に営業はムリと思ってしまう
お酒が飲めないと付き合いが悪いと言われる
相手の年齢や性別で話し方を変える
定時で帰る社員はやる気がないと思う
上司は部下よりも優秀でなければならないと思う
腕を組んだり、足を組んだりしながら、相手の話を聞く
パソコンの画面を見ながら相手の顔を見ずに話をする
新卒入社が前提であるかのような発言がある
実績も能力もある社員が「私にはできない」と役職を断る
女性社員にのみ名刺をつくらない
気の合う部下には、失敗しても甘い評価をする
話を途中で遮ったり、軽く扱うような態度をとる
お茶出しは女性がやるものと決まっている
「普通は〇〇だ」「それって常識だろ」ということがよくある
ある人の名前をいつも間違えたり覚えていない


このような言動は、アンコンシャス・バイアスから起きている可能性があります。
自分の先入観や思い込み、勝手な解釈で、無意識に発した言葉や態度が、否定的なメッセージとなり、相手を傷つけたりストレスを与えることがあります。
アンコンシャス・バイアスは「思い込み」「きめつけ」「押しつけ」となり、周囲に悪影響を与えるのです。
いつでも、どこでも、誰にでも起こりうるものだからこそ、

自分自身に「思い込み」や「きめつけ」がないか、自己認識を深めることが重要です。気づくアンテナを立てることが、関係性や組織をよりよく変えるためのスタートとなります。

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4.代表的な心理的バイアス

【組織】
①正常性バイアス
危機的状況になっても、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする
ex) うちの会社は大丈夫/自分の部署には関係ない/たまたま今回起こっただけ
②集団同調性バイアス
集団に所属することで、同調傾向・圧力が強まり周囲に合わせてしまう
ex) 会議は満場一致が原則/コンプライアンス違反/ハラスメント的な指導が常態化しているが、誰も意見しない。
③アインシュテルング効果
慣れ親しんだ考え方やものの見方に固執してしまい、他の視点に気づかないか無視してしまう
ex) 過去の成功体験にこだわる/どんなにいいプロジェクト案も前例がないと許可されない
④コミットメントのエスカレーション
過去の自分の意思決定を正当化し、自分の立場に固執したり、損失が明確でも引けなくなってしまう
ex) 多額の投資をした不採算プロジェクトが撤退できない

【個人】
①ハロー効果
ある人物に好意を抱くと、その人物に対するすべてのものに対して好意的に考える
ex) 学歴が高い人は優秀/同じ趣味を持つ人/自分を慕う後輩
②ステレオタイプバイアス
あるグループに所属するものには特定の特徴があると判断する。
ex) 裁判官は男性/高齢者にITは向いていない/外国人は自己主張が強い
③確証バイアス
仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視、または集めようとしない
ex) ワーキングマザーは仕事より家庭を優先する/長時間働かないと成果が出ない
④慈悲的差別
少数派に対する好意的ではあるが勝手な思い込み
ex) 子どもがいる女性には負荷の高い業務を任せない/気が利き職場を明るくする社員は好まれるが、評価・昇進の対象ではない
⑤インポスター症候群
自分への過小評価・可能性を閉ざしてしまう思い込み
ex) 上司は推薦するが、私にはリーダーは無理/どうせ上手くいかない

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5.アンコンシャス・バイアスの原因

アンコンシャス・バイアスを生み出す要因は3つあります。

1つ目は、自分を守ろうとする「エゴ」
自分を正当化したり、よく見せたいと考えたり、自分にとって心地よい状態を保ちたいという、自己防衛心、自己保身の表れでもあります。

2つ目は「習慣や慣習」
慣れ親しんだ慣習や当たり前、常識だと思っていたことが、時代に合わなくなったり、多様性が増す中でずれが生じているにもかかわらず、それに気づかないままに行う言動が、違和感を生んだり、ストレスを与えることとなります。同質性が高く暗黙のルールが強くある組織ほど気をつける必要があります。

3つ目は「感情スイッチ」
感情スイッチとは、その人特有の「囚われやこだわり」や「劣等コンプレックス」、また不安感や感情を呼び起こすポイントを意味します。感情スイッチを刺激されると、人は本能的に「自己防衛反応」をとったり平静ではいられなくなります。自分を守るために、他者や現実を客観的に見ることができなくなったり、時には攻撃的な言動をとることがあります。

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6.アンコンシャス・バイアスに対処する3つのステップ

アンコンシャス・バイアスへの取り組みを加速させるためには、トレーニングが有効です。

トレーニングは「知る」「気づく」「対処する」という3つの基本ステップに添って行われます。

「知る」「気づく」というステップは、マインドセット(習慣化を促す考え方の枠組み)の形成に役立ちます。

アンコンシャス・バイアスは言語化されにくく、自分自身だけで気づくことは困難です。そのため、まずアンコンシャス・バイアスとは何かを「知った」上で、自身の日頃の行動に潜むアンコンシャス・バイアスに「気づく」ことが重要になります。

アンコンシャス・バイアスを「知り」、自身の言動を顧みて「気づく」ことで、アンコンシャス・バイアスを取り扱うマインドが形成されます。

アンコンシャス・バイアスに取り組むうえでは、スキルセットと同じぐらいマインドセットに関わるトレーニングが大切です。マインドが形成されて、はじめてアンコンシャス・バイアスに「対処できる」ようになります。

心理学7

7.まとめ

いかがでしたか?

「知って気づいて対処する」

無意識を意識して生活してみましょう!

読んでいただきありがとうございます🌸

hitoe💋


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