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良く通る商店街の角に焼き栗屋があった。石の様なものと一緒に小粒の栗がぐるぐる回っていい匂いがしていた。千円出しても数えるほどしか入っていない。でもとても甘かった。大人になっていっぱい買うのが私の野望だった。買うのは一番小さい袋に決まっていた。するとおまけで、袋がいっぱいになる。たぶん私はニコニコしていたと思う。大人になった頃にはそのお店はもうなかった。栗が好きなのは今も同じだ。電車で偶然畑の中にある大きな栗の木を見つけた。緑のイガグリが沢山ついていた。写真を撮ったけど真っ黒くろすけに見えて可笑しかった。