ごめんね
ふとスマホの画面を見るとメッセージが1件届いていた。送信主は不明。
スマホのロックを解除してメッセージを確認すると,私が幽霊のように存在を消したサークルに入っている友人からだった。私がサークルから抜けて彼女とは一度も連絡を取っていない。時折,彼女のほうからメッセージが届いていたが1年ほど私はそれを無視し続けていた。
彼女から送られてくるメッセージのどれもが,私に対する心配ではなく彼女が私に免罪符を求めていた。
「許してほしい。」
「私が何か悪いことをしたのなら謝るから。」
「今はどうしているの?ちゃんと会って話したい。」
言葉を見ただけで私は石になる。そこにある傲慢さに恐れを抱く。それが嫌で逃げだしたのに逃げることのできずに私の後を追ってくるのだ。
もう,終わりにしよう。
追手から逃げるように私は勇気を振り絞って,メッセージを送る。
「ごめんね。」
読んでくださり,ありがとうございます。