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一人・映画・ごっつ ミッドサマー

クッソ久々の、一人・映画・ごっつ

レビュー先は「ミッドサマー


感想:なんて不快な映画なんだ!!!!!!!!!

ミッドサマーは考察好きにはたまらないレベルで面白いだろう。全編に「意匠」が散りばめられていて、ちょっと吐き気がするレベル。見事なのが最初から最後まで僕には不快すぎる、映画で、それゆえに面白かった、っていう点だ。

★★★★★

満点です。不快の意味でも、インタレスティングの意味でも、エンタメの意味でも。

ミッドサマーを見終わった時点で僕の脳内に浮かんだ単語、

「典型的カルト宗教映画やん!」「はいはい、数字の9ね」「あーセックスマジック使われてる・・・」「マリリンマンソン」「ドラッグ映画かw」「アヤワスカ体験記?」「オウム」「洗脳」「絶対にしたくない死に方博覧会」「アーミッシュの人たちは怒っていい」

ミッドサマーは見事なカルト宗教映画です。

特にね、序盤からしっかりと「ドラッグ」仕様の表現が出てくる。というか作中でキノコ飲んでるし、葉っぱでぶっ飛んでる。あーニューウェイヴですね、ウィッカーマンですね、バーニングマンですね、どうして北欧というか西洋人は「愛に薬物は必要」と思うんだろうね、悲しいよぼくぁ。

遅れて来たニューウェイブか。序盤から「あ、これ人殺すんだろうな、イケニエで」っていう予感しかなかったし、特にあの白、全編が美しい白の基調で統一されているのも見事でしたね。ドラッグで酔っ払っている人々ナンカもくっそリアル。僕の友人はアムステルダムでドラッグキメて、隣にザクが座ったって言ってました。モノアイがにゅってこっち向いて「きっついわぁ・・・」って関西弁喋ったらしい。

ドラッグダメ、絶対

特にトリップについて、「みんなで」行わなきゃいけないのは、結構な確率で書籍に書かれている事。バッドはいっちゃうと不思議な行動しちゃうので。みんなで行って、みんなで分け合う。愛も苦しみも悲しみも、ファックだわ。

僕はこの同調圧力に全力で抗う為に生まれて来たんだ!

本当に海外の「愛」の定義クソすぎやろ、何がみんなで、やねん。てめえの愛ぐらいてめえで握りしめろ!って、思うやん??

ホルガ村についてからはもうアーミッシュ生活。全編に書かれたルーン文字、知ってる知ってる、持ってたあの「イス(停止、再生、死)」のピアス。常につけてた・・・。みんなの寝るところとかもうマジで「アヤワスカ体験記か!」ってレベルの建物。建物や装飾、周りに飾られている絵画なんかがのきなみ「歴史がない」「ものに劣化がない」あたり本当に狂った宗教なんだな、っていう気分。

序盤のグロシーン、あれは「福祉国家」スウェーデンへの強烈な皮肉ですね。いや、実際そうなんですよ。海外に胃ろうの患者さんって少ないんです。特に高齢者。高齢で食べられなくなった人というのは自然にまかせてゆっくりと死なせていく。それが当たり前なんです。全身動かない状態で食べ物だけ与えられた人生に何の意味が?

美しかったのが、「そういう伝統なんです!こういう教義があるんです!」って強弁しつつ、実際に、アッテストゥパンを行おうとする段階では、恐怖に慄いている。でも飛ぶんですよね。みんなの意志に、個人が飲み込まれていく。あーむりー、きつーい。グロは大丈夫です。あれを飛んでしまう人間の心理の方がきつい。

さて、外部からの人間はその様をみて「頭おかしんちゃうか!」ってなります。なりますよ当たり前。実際あたまおかしいんですもん。

もう少し悲しいので僕もいうけど、本当の魔術はあんなんちゃうからな!!!!!!!いや確かに人身御供はあったし、(全世界のありとあらゆる土着宗教で)酷い風習もたくさんあってんけど、今魔術というのは基本的にカントスタイルだし、イケニエは動物ですし、ほぼ人間なんか捧げません。赤ちゃんも捧げません。動物です。魔術は徹底して人間の技術なの!ぴえん!

人間の技術で思い出したけど、「洗脳」とめっちゃ相性がいい「薬物」

どうも海外の人、洗脳と薬物が密接に関係している事、知らない人が多いのか、知っててあえて使っているのかマジでわからん。特にニューウェイブ時代、皆が(というか今でも、か)マインドフルネス、瞑想に拘りだしたのも本当にちゅらい。瞑想時の脳の働きで、超自然的経験は出来るんですよ。僕ら脳でしかものをみてないわけだから。見れる人は瞑想のみで神の意志を感じられる、それを全部「勘違いですね」「面白い脳の働きですね」ですませられない人が、宗教とかカルトにハマっちゃうんです!

科学的見地のないオカルトはマジで有害なんで気をつけろな!!!!!!

本気でオカルトやろうと思うなら、科学的見地を無視した言動取るところから距離を置いた方がいい。再現性のない現象は嘘です。オカルトは畢竟、科学なんですよ。証明のできない事を信じる人間、証明のできない事を吹聴する人間、どちらも嘘つきです。嘘つきの正義も平等も信じる必要なんてないです。大体バカなので。

あ、本編に戻るね。

で、まぁみんな村から逃げようとするんだけど、逃げれない。村人全員が嘘を吐くから。「この同調圧力(世間)に抗う為に僕は(ry」逃げれない。みんながニコニコ優しく接してくれるから、そういうのは無下にできない。ニーチェぇ!ああ、僕にーちぇに会っててよかった。「おれのやりたいことはやるんだ」って僕はニーチェに担保されているので、僕はあそこから逃げ出せる。逃げ出せない人もいて、そういうやつらがイケニエになる。

村の人たちが嘘をつく。「近親相姦なんてやってないよ」ある人は「近親相姦で人為的に障碍児つくってるよ♡」で、こっから、セックスマジックに入っていくんだよなぁ・・・。

僕はよく「セックスマジックは全ての魔術の上位に位置する」と言うけど、あれはガチです。ああやって人に見守られながらのセックス、色々と文献が残っており、あれが魔術に於ける「秘儀」であるんですよ。大体、男性が見守るんだけど。そこに女性の絶頂は欠かせない。あれ確か絶頂してないよね?片手落ちのまじゅつ。ぴえん。(2)

で、全員が「苦痛」を共有する。誰かが泣いたらその人を抱きしめながら泣く。ああああああああ!俺の悲しみは俺だけのものだ!誰にも渡してなるものか!という意地がない。だから誰かの為に死んじゃうし、自分の為に人を殺してもよくなっちゃう。

最期に選ばれたイケニエメンズ、「失敗」した人達ですよね。祖先の木を守れなかった人と、メイクイーンに逃げられた人。

どっちもバーニングマンの火の中で焼かれていく・・・。もうさ、マリリンマンソンやったらぁ?って話です。

熊の着ぐるみに関しても、北海道でそういうのありますしね・・・。熊の子をある程度育てて、大きくなったらみんなで食う。神様だもんね・・・。神様は殺していいよ。殺していいものです。

はぁ、本当に、「観ればみるほど不快な映画」でした。不快だったので、不快感のみを吐き出しました。面白かったです。


怖いっていうより「不快」な映画でしたね。グロ表現とかは、「SAW」シリーズの方が面白かった。「SAW」は人間巻き巻き機械とか、もうおもろいやろ、っていう発想が出てきてたので楽しんで観れた。いやミッドサマーは「人間!」って感じの映画だったので怖いっていうより「辛い」方が勝つ。妙なリアリティーがあるので、観ててつかれたなあ・・・。

グロ映画は、「SAW」とか「キューブ」とかの方が好きかなあ・・・。

あとみんなクリスチャン責めてますけど、僕的にはダニーの方が不快だったし、ダニーが勝っちゃうのも意味わかんなかったし、心からダニーには専門機関への受診を進めますし、メンヘラが勝つ世の中とかなんだよって思うので、あのあと(9日間の祭りはまだ5日目)ダニーも酷いザマで殺されればいいと思います。

そこまでいったらガチのカタルシスです。

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