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小学生とスマホとイジメ

長女が、秋祭りの終わった日の夜、話してくれた。クラスメートの女子、Wは、今カウンセラーに通っているのだそうだ。秋祭りで会った時、娘に打ち明けてくれたそう。スクールカウンセラーにも定期的に会っているので、学校内外で二人いるんだそうだ。ごくごく普通の女の子に見えるWなので、娘が、「何でカウンセリングなんて必要なの?」と聞いたら、「グループチャットで嫌な事があると辛くなっちゃって、他に何もできなくなっちゃうの。その事ばかり考えちゃうから、ママがカウンセラーに行きなさいって。」だと。「辛い事があったら話してね、いつでも聞くからね。」と娘は言ったらしいけど、私はその話を聞いて、

『私は絶対に娘にスマホは渡さない。出来るだけ長く。』

と、決心を固くした。

子供達にとって、特に女子にとって何が辛いかというと、女子同士の揉め事が起こると、スマホで拡散され、他の女子が自分の悪口を言っていたという、知らなくていい情報が自分の耳に入ってくる事だ。揉め事だけだったら、先生が間に入って結構すんなり収まったりする。小学生同士だと、お互い謝ってハグして終わりな事も多い。でもスマホの出現によって、その後情報が拡散され、関係ない子供達も参加し、当事者は凄く傷つく事になる。

スマホじゃなくてリアルの世界でも、たまにそういう余計な情報を耳打ちしてくる女子もいるにはいるが、意外と対面だとやり難い。先生や他の子供の目もあるし、耳打ちして泣かれたりしたら面倒なので、表立ってはあまりやらない。

でも、スマホ上だと平気でやる。ある事ない事、〇〇があなたの事こう言ってた、あぁ言ってた。相手のリアクションが見えないから、限度なくやって相手をめちゃくちゃ傷つける。

こういうのが、毎日毎日あちこちで起こっている。傷ついてダメージうけやすい子ほど、ターゲットにされやすい。そういう意地悪を本能的にやってしまう子供も、家庭環境が悪かったり寂しさを募らせていたりどこかで傷ついているから、ある意味被害者だけど、彼らは相手の傷をみて、そう、傷ついてるのは自分だけじゃない、傷つくのが自分だけなんて許せないと、自分の中の深い傷を癒す。

こうして精神的にダメージを受けた子供は、勉強にも手がつかなくなり、宿題の提出も遅れがちになる。分からないから授業についていけなくなり、授業態度も悪くなり先生に注意される事が多くなる。そのうち学校に行きたくなくなり、休みがちになり、どんどん勉強も遅れ、家ではスマホ、Youtube、ビデオゲームづけ。そうなってしまうと、親ができる事はカウンセラーに連れていく以外になくなってしまう。そして翌年か翌々年には、せっかく受験して入った学校を辞め、偏差値が低めの学校に移っていく・・・。

これ、よくよくあるパターンで、沢山見てきた。こちらだと、早い子で小二でスマホデビューし、大体小三くらいで女子のイジメが始まるので、それくらいから、イジメられた女子たちが、少しずつ学校を辞めていく。

この前も、カリキュラムナイトでの学長への質問は、スマホの管理に関する事が凄く多かった。学校としてはこんな状況だから、とにかく事ある毎に

「子供にスマホを与えないで下さい。子供は管理できないんです。そうするには、決定的に幼すぎるんです。」

と言っているのに、何故それでもスマホを与える?子供を守りたくないの?仮に与えたとして、自分の子供が傷ついているに、どうして取り返さない?10歳の子供がある事ない事言われたり、暴言を吐かれ、ピコピコ常にいう物体が横にあったら勉強に集中できないのは、当たり前でないのか?そして、問題があった時、何故全て学校の責任にするのか。

親は子供の友達じゃない。保護者にならなくては。ダメなものはダメなんだ。子供が大切だからこそ、ダメなものはダメ。でも、スマホ以外に素敵な世界、沢山あるよ。スマホ持ってなくても、慕ってくれる友達沢山できるよ。スマホ持ってなくても、あなたが好きだから、あなたと友達になりたい子、いっぱいいるよ。

と、いつか辞めてしまうだろうWを想って、私はこれを書いている。小学生にスマホはいらない。大切な子供達を守らなくちゃ。素敵な世界を見せなくちゃ。大人として、良い見本にならなくちゃ。

毎日、事あるごとに考えている。


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