危機感と学び

ちょっと気になったことを人事の観点から。

色々な会社(特に外資)は売上が下がり利益が出なくなると、採用フリーズ、研修費用カットなど人事には優先順位が高くても、トップからするとそうでもないようなことをまず手を付ける。まさに、緊急性と重要性のマトリックスで考えると、緊急度はそんなに高くないが、重要度が高いところ。学びはすぐに結果がでるものではないので、緊急事態の時に研修などやってられるか!と現場から聞こえてくるのも仕方がない。ただし、ここがポイントで、研修=学びの場、つまり日本の学校のような一方通行の研修であれば、延期もしくはキャンセルしても問題ない。ロールプレーやケーススタディ(あなたが当事者だったらどうします?)などはずっとやり続けるべき。

問題は、ケーススタディをしても自分には今まで経験がないのでわからない!と言っている輩。当たり前なことです。人生でケーススタディになっているような経験は皆無。経験を聞いている(過去)のではない、これから起こりうる、若しくはWhat Ifが重要です。当事者意識の醸成にも役立つ。

日本の学校とあえて言ったのは、一方通行、テキストを読む、キーワードやフレームワークを覚える、答えを導くやり方はもう通用しない。

人間は知識などが他人より劣っている、「やっべー」という危機感の気持ちがあって初めて学ぼうとする生き物と思ってます。ずっと社内でいて、ぬるい環境で仕事をしているとどうしてもその危機感ってのが薄い。もっと社外に出て、他社で同じようなことをしている人と話すとか、SNSでつながるとかして、「あの会社のディレクターってこんな本読んだりしているのに、俺ってなにやってんだ!」って思って初めて本を読んだり、記事を読んだりして、そこから使えることを実務に生かすのが必要ではないかな。

今までの社内教育研修、特に階層別研修はもうやめませんか?マネージャーになったら新任管理職研修を実施して、シニアマネージャー(部長)になったら部長研修を、みたいなのはお金と時間の無駄。昇格する際にすでに知識を持っておくべきだし、それが会社が何もやってくれないといって甘えるのもどうかと。日常のプロフェッショナルとして仕事をしているときに、あの知識が必要だとか、あの本ややっぱり読んだ方がよいとか、常にアンテナをはって仕事をしていればいざとなったとき対応できる人材になると思う。

一括採用とかやってるから、一括研修というロジックが生まれてくるので、中途採用が主となれば、ひとそれぞれ違う前提で、教育研修企画をすべきではないですか。

評論家のようになってしまいましたが、一案。会社として必要最低限の知識は面接時でチェックして、それより実務経験や知識など即戦力を買うのであれば入社時に実施。その後はそれぞれのエリアについては右に出るものはいないという人を選定し、個々人が「やっべー」と思った時点でその人に聞き、アドバイスを乞う。すべてにおいて完璧な人はいないので、得意不得意があってもよいではありませんか。社内にいなければ社外でも問題なし。

危機感と学びについて書きましたが、私は危機感はもちろん、好奇心の方が強いので広く浅く、時々深く学びを続けています。

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