企業で働く方のメンタルヘルス。個人の問題?それとも職場の問題?
公的統計を用いて従業員のメンタルヘルスの状況を企業や事業の規模別に把握することは、実はそれほど容易ではありませんが、従業員規模が大きい企業ほど、 従業員数が絶対数で多いために、当然ながら、該当する労働者が企業内にいる確率は規模に比例して高くなります。
従業員規模別にみたメンタルヘルスサポートの現状
ある程度、従業員の規模で見たときに、必要の有無として挙げられるとは思いますが、ストレスチェックの実施はある程度クリアできている現状があります。しかしながら、企業のメンタルヘルス対策においては、大企業と中小企業との間で、メンタルヘルス対策の実施率、メンタルヘルス対策の取組み内容のいずれにおいても無視できない格差があるのが現状です。 中小企業のメンタルヘルス対策への政府の取組みとしては、小規模事業場向けに無料で産業保健サ ービスを提供する「地域産業保健センター」の設置や、「ストレスチェック助成金」をはじめとする各種助成金制度などがありますが、いずれも利用には制約が多く、格差是正のための支援策として十分だとは言えません。中小企業の場合、産業医などの専門家の参画する体制を構築することが大企業と比較して非効率・割高になる一方、上記の各種支援は主に初期の投資をサポートする制度に留まっているため、中小企業の負担の重さを本質的に解決するものにはならないからです。
メンタルヘルス不調とそのきっかけの因子
メンタルヘルスにおける心理社会的リスク(Psychosocial Risk)とは、メンタルヘルス不調につながるようなリスクのうち、労働者個人に内在するのではなく、業務や職場のありかた、つまり「働く環境」に外在するものを指します。
このように、メンタルヘルスの問題を心理社会的リスクという側面からとらえた場合、その問題を解決する手段は、従業員個人への対応ではなく、“職場環境の改善”というアプローチとなります。
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