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発達障害を持つ方が一般就労する上でつまづいていることは何か。

まずは、共通の問題意識をそろえる

 全国の小中学校1164 校(児童生徒数52272 人)に調査した「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」によると、6.5%が該当すると報告されています。(文部科学省 2012)。この6.5% を日本の人口に換算すると約800 万人が該当することになります。
 6.5%の内わけは、LD4.5%、ADHD3.1%、ASD1.1%(重複あり)となっており、ASDが最も少ない数値を示しています。しかしながら、障害者職業総合センターが行った「発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究」では、圧倒的にASD 者の占める割合が86%と高くなっていました。

発達障害者の就労上の課題

 大まかではありますが、「発達障害者を雇用して生じた問題」は以下のようなものが挙げられます。
・上司や同僚が言ったことが理解できない
・相手にうまく伝えることができない
・好ましくない言語表現を表し、相手を不快な思いにさせてしまう
・曖昧な言動は理解できない
・相手の気持ちを無視して自分の好きなことだけをしゃべり続ける
・自分勝手な行動をしてしまって、周りから嫌がられる
・感情的になりやすく、かんしゃくを起こす
・場の空気が読めない人たちが多いため、人間関係に支障を来してしまう

 ASD 者の中には高学歴でパソコンや機械類の操作などに長けている方も多いですが、コミュニケーションがうまくとれないため、就職面接で面接官の意図と異なる答をしてしまうことがあります。また、就職したとしても同僚・上司との対人関係でつまずき、定着できずに離職を繰り返す方も多いです。

 上記のとおり、対人関係に必要なコミュニケーションでのつまづきがあります。トラブルが続くと、継続的に雇用できなくなります。発達障害者の主な離職理由は以下のようなものになります。
・仕事がつまらなかった
・人間関係で問題を抱えた
・雇用主に自分の障害を理解してもらえなかった
・普通の人の感覚を身につけさせようとされ精神的なダメージを受けた
・仕事をするのが遅いので向かなかった
・自分に合わない仕事だった
・仕事の技術面で追いつかなかった
・人より時間がかかった、簡単な作業が出来なかった
・期待に応えようと頑張ったが疲れた

発達障害者の就労に関するスキルの考え方

 発達障害者の場合、ソフトスキルの問題が主要な離職理由となっているように、仕事そのものよりも職業生活を営む前段階でのライフスキルが十分に獲得できていないことが課題となっていることが多いです。よって、仕事に就く上での就労支援者と同様に、生活していく上での生活支援者も必要である。

 発達障害者に対する支援はある時期だけ集中的に行えばいいのではなく、ある意味一生涯必要と捉える必要があります。そのため、ライフスキルカウンセラーやライフスキルサポーターといった専門職が存在することにより、就労や成人生活を維持していくうえで必要なソフトスキルの面での支援を受けることができるようになり、援助つき自立が図れるものと考えられています。いわゆる「合理的な配慮」を行うようなサポートこそ真の臨床家と言えるものと考えられています。
 ライフスキルを整えるために、今一度、どのようなことが必要になるか、一緒に考えてくれるサポーターや環境を構築していくと「継続的な就労に向けた準備」を整えることができると思います。

最後まで読んで頂きありがとうございます。では、もう少し具体的に就労、育児、療育ついて教えてほしい、サポートしてほしいと思われたら、こちらのサービスで横山が伴走致しますので、良かったら覗いてみてください。

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