さくらと猫と察するに
動物が好きだ。
ここで人間以外、なんて付け加えてみると
「おっ、拗らせたやつか?」
と思われること承知の上での発言ですが(実際拗らせている自覚もあります)、二面性を持たないという点で共存関係を築くのが非常に楽だからです。
少なくとも私が人と関わるときは「言葉に反して無理をさせていないかな?」など、やはりある程度相手の本音と建前を探りながら付き合い方を考えるのが常になっています。
そんな私が紆余曲折あり、初めてアイドルを好きになりました。
紆余曲折のあらましはこちらから↓
その方が小田さくらさん。
今回はそんな小田さくらさん
初のフォトエッセイ『さくらと猫』の
読書感想文です。
さくらと猫について
一言でまとめると。
『小田さくら初の猫を語るフォトエッセイ』
小田さんの自然な言葉で、猫と共に過ごされてきた時間を語ってくださいます。
想像より文章、写真、イラストのバランスがよかったです。まず文章でしっかり小田さんのお考えにも触れられてから、そのあと内容を総括するように漫画が入ってくるのでより読み手に親切な作りでした。
アイドルのエッセイ本を読む経験なんて初めてだったものですから、挙動不審になりながらも読み終えることができてよかった。
中でも印象的なエピソードを挙げると、モーニング娘。のメンバーさんの「常識人」という言葉の捉え方は興味深かったです。
猫と生きるということ
今まで歴代10匹の猫と暮らし、ミルクボランティアでお世話された子猫は50匹弱でそれほどまでにたくさんの猫と関わられてきた小田さん。
私も生まれたときから猫と暮らす生粋の猫派(といっても動物みんな好き)です。
語られる内容も共感できることが多くて、全てにおいて猫ファーストと言うのはその通りだなと感じます。
家中に点在するコロコロ、猫がやることは仕方ない。なにかが起こっても責任は人間。うんうんと首を縦に振っていました。
私の飼い猫A(5歳)は大きくなってから我が家に来たのですが、その頃には噛み癖があっていろんなものをよく噛みます。
都度言って聞かせますが(と言ってもほぼ無理)、危ないもの、特にコード類は隠したりカバーをつけたりと一苦労です。
ほんの数分席を立っただけなのに猫Aの断線させる手腕はお手のもの(亡くなったイヤホンは数知れず……)。少し背伸びして購入した良いヘッドホンもお釈迦になりました。ちょっと泣きました。
ですがこれも全て愚かな飼い主、ひとのこが悪いのです。
猫B(12歳)は生まれつき呼吸器疾患があり、家の中を常に綺麗に保たないと目ヤニやくしゃみが止まらず、健康な猫から比べると手がかかるかもしれません。
我が家の王のように振る舞い、食通のため忠実な僕であるひとのこは毎食どのご飯がよいかお伺いを立てる次第。王は爪切りが非常にお嫌いなので、覚悟を持って望みます。
そしてずっと一緒に育ってきた猫C(20歳)。小田さんが言われるようにまさに兄弟のような関係です。
幼き日のひとのこが大事にしていた本を吐瀉物まみれにした猫Cに「もうしらないから!」と、絶対かまわない宣言をするも、その夜にはすっかり和解して一緒に寝る。そんなくだらないケンカをする毎日を過ごしてきました。
このnoteを書いてる時も、ベッドに横になってスマホを使う飼い主の横にぴったりくっついて甘えてきます。Cはかまわれるのも私のことも大好きなようです。それは出会った頃からずーーっと変わりません。
ベンガルとアビシニアンの雑種なので、とてつもない活動量。夜走り回るとすごい音ですし鳴き声も大きい。嬉しくなるとすぐよだれを垂らすので毎度手を洗っています。賢くドアも開けられるので鍵をつけたり、袋のご飯も自分で破って勝手に食べたりしたことがあったので手の届かないようにする工夫も要ります。
不自由さや大変さを感じても、それ以上に猫と暮らすのが日常で家族なので、当たり前にこの生活を送っているなと感じました。
猫は察する力を育てる
人間がまずどんな手段を使ってコミュニケーションを取るかを考えたときに、それは『言葉』になると思います。
しかし、猫相手だとそうはいきません。私は我が家の猫たちは人間の言ってることある程度わかってるんじゃないかと思うことはよくあるのですが、基本は察することが求められます。
今鳴いているのはご飯なのか、トイレが汚れているのか、遊んでほしいのか。
いつもより寝ているように見えるのは寒いからなのか、どこか痛いのか、病気になったのか。
普段からの様子と、今の状況を観察して適切な対応が取れるようにする。
ほとんど無意識の行動でしたが、このエッセイを読んで「そういえば、この力はうちの子たちにも育ててもらったな」と気づかせてもらいました。
私はまだ小田さくらさんのことを全然知らない身です。そんな中でも拝見する動画で話している人の目をしっかり見られる方だなという印象が強くあります。
これは相手の言葉だけでなく猫と暮らす中で表情や目線からも、いろんなことを察知しようとされているからなのかなと腑に落ちました(実際のところはわかりませんがね)。
まとめ
いい点ばかりではなく、リアルさもしっかりと描きながら綴られる本書。
猫好きな方にも、これから猫を、ひいては命ある生き物を飼うということをされる方全てに読んでいただきたい、愛のこもった一冊でした。
セイラさん、のぶおさん、吉さん、クマさん。
みなさん可愛いかったです。
しかしこれは猫飼いの性。
やっぱりうちの猫が1番可愛い。
我が家の猫への愛と忠誠心を再確認できるという点でも非常におすすめです!
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