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歓喜せずにはいられない:2022 J2 第40節 アルビレックス新潟×ベガルタ仙台

昇格ッッッ!俺たちの新潟がついに悲願の昇格!

ひとつひとつ丁寧に3年間積み重ねてきた新潟スタイルで圧倒してのJ1昇格。こんな素晴らしい試合を記録せずにはいられない。

スタメン

スタメンで特筆すべきは左サイドバックに抜擢起用された渡邊泰基。この大一番でキャプテンのゴメス(堀米)ではなく新潟育ちの泰基が先発である。

左サイドバックのスタメンキャプテンのゴメスではなく渡邊泰基

久しぶりに出場した琉球戦は固さ全開だったがその後の甲府戦はレーン移動をスムーズにこなしていた泰基が信頼を得てのスタメンである。

前半開始

試合開始前に星のJリーグ通算200試合出場と田上の150試合出場のセレモニーを経て仙台ボールでキックオフ。昇格するぞオラー!という雰囲気バリバリのデンカビッグスワン。

この試合の基本的な流れとして、仙台は3バックにおける新潟対策のトレンドである523ペンタゴンブロックを敷いてくる。

新潟はペンタゴンの中央にボールを入れてペンタゴンを小さくさせてからサイドに展開という方法で破壊する。ヤンのところでボールを奪おうとするが慣れっこのヤンがボールを失うことは無い。今シーズン何度も見た光景。正直もうお腹いっぱいです。欧州フットボールで見かける最新守備戦術のひとつである4231プレス式ペンタゴンとかJ2で見なかったけどJ1だと遭遇したりするんだろうか。吉田達磨監督とか欧州最先端とか好きそうでやりそうなんだけど。

仙台の523ペンタゴンブロック。中央封鎖が目的だがヤン(高)にボールを入れて堂々と中央から破壊を試みる新潟。

試合開始序盤は仙台のペンタゴンが機能していてヤンにボールを入れられずに外を経由するしかない俺たちの新潟なのだが、この守備方法に慣れていないのか仙台ウィングバックの出足がそんなに速くなくてボールを奪われる気がしない。ヤンや伊藤がペンタゴンの中央でボールを受ければ瞬時に歪むペンタゴン。全てが新潟の狙い通りで強いぞ俺たちの新潟。

3:25、後ろから繋いで組み立てたい仙台の甘い縦パスを狙いすまして藤原が速い出足でインターセプトして三戸がギュイーン!とアクセラレーションするかと思ったらボールロストでターンエンド。もったいない!

5:05、仙台のパスミスをヤンが悠々とインターセプトして俺たちのターンな新潟。三戸島田藤原のコンビネーションで最後は三戸がプレスの森を潜り抜けてスペースを悠々とドリブル。なぜか右サイドを駆け上がる左ボランチの島田のオフ・ザ・ボールをガン無視してとりあえず撃っとくかみたいな脱力系ミドルを披露する三戸。ボールは普通にキャッチされて自分のポジションへ対角線で戻る島田。

仙台の最後方ボール回しを追いかけ回す谷口。ボールがキーパーに戻るとスピードと気持ちと圧力ゲージが1.5倍増しになる谷口。たまらず蹴り出す仙台キーパーの小畑。

この日、マイケルの出来が本当に良くてハントも縦パスもフィードも本当に質が高かった。デンに出場機会を奪われていた感があったマイケルだったが「デンにできることは俺にもできる」という無言のアピールを感じずにはいられない。6:15、マイケルのフィードから谷口が競ってこぼれたセカンドボールを伊藤が拾って小見がナイスミドルという魅力的な攻撃に繋がった。

その後もヤンをペンタゴンの中央や手前に置いて「中に入れるよ!中に入れるよ!まだまだ入れないよ!ハイ入れた!と思ったけどすぐ出した!」みたいな感じで仙台のブロックを揺さぶる新潟。交互にボールを受けに顔を出す島田と伊藤。嫌がらせのように偽9番として落ちてくる谷口。

10:50、やっとの思いでボールを奪った仙台が攻撃に転じて中島元彦がモリモリとボールを運ぶ。モリモリ運ぶと同時にサー… っと自陣に引いて442ブロックを敷く俺たちの新潟。仙台は新潟のブロック1列目すら突破できずにズルズルとボールを下げてキーパーがピッチ中央に蹴り出したボールをマイケルが速い出足で回収。デンにできることは俺にもできる理論のマイケルが眩しい。

その後もリピート再生かというくらいの同じ形のビルドアップから押し込んで12:40に小見が左サイドタッチライン際から鋭い斜めパスを走り込んできた島田に打ち込むも噛み合わず、と思ったら気合十分の仙台ディフェンススライディングが島田にディフレクションして転がったボールは谷口の足元に収まる。谷口は華麗なステップで守備をかわして全力で海キャノンをブッ放すもボールはキーパーの腕の中。これは良いブッパだった。

谷口のブッパで勢いに乗った新潟は「守備も攻めるぞオラー!」という感じで前線からの連動プレスを仕掛けてあっという間にタッチライン際に追い込んでしまう。たまらず蹴り出す仙台内田だったが残念そこは俺マイケル!とピッチ中央に走り込んできてインターセプトする。そのまま前線に張っている谷口に縦パスを打ち込んで一気に腰を使った海キャノンや!と思ったらポケットに猛烈な勢いで走り込む小見にプレゼントパスしてゲットゴールという2秒後の未来が全新潟の眼前に映し出されたがまさかのトラップミスで守備に猶予を与えてしまう。なんとかして誤魔化そうとする小見は「狙い通りの切り返しだぜ!」と言いたげなフォームでシュートを放つ。小見の放ったシュートの先にはマイケルの壁があったが本日ノリノリのマイケルは義経のような華麗なジャンプでボールをかわす。かわした先の軌道計算をすればネットを揺らす0.2秒後だったが仙台佐藤が気合のワンタッチでコースを変えてゴールならず。そんなに頑張らなくてもいいんだよ。ゲットゴールならずの神妙な表情を何度もDAZNカメラに抜かれる小見。

その後も仙台はショートパスで繋いでボールを前進させようと試みるが新潟ブロックの網に掛かって全く前進できない。いやはや守備ブロックも屈強な俺たちの新潟である。この辺りはアルベルト時代からは想像できないクオリティを出している。攻守に渡りずっと新潟のターン。

16:40、やっとの思いでマイボールにしてビルドアップで前進したい仙台。左サイドでボールを持つと三戸のタックルによろめいて苦し紛れに出したパスの方向には中島元彦。ボールを受けた中島がオリエンタードで中央突破を試みようとするが戦友(とも)の藤原がプロフェッショナルファウルで待ったを掛ける。ピッチの上で2回転がって立ちあがろうとする中島を跨いで避けようとした藤原の内腿に中島の頭が重なって組体操な接触が発生。「ナニすんじゃワレ!」という態度を示す中島と「モックンに怒られる!」という雰囲気で逃げるように走り去る藤原。

その後も仙台がなんとかボールを奪ってビルドアップ開始→新潟プレスに追い込まれて蹴り出し→マイケル・アグレッシブ・ハントで回収の流れになるが17:45のシーンでは勢い余って遠藤を後ろから張り倒すマイケル。これは遠藤痛そうでマイケルも申し訳なさそうにしている。イエローが出てもおかしくないやつだった。19:05にはやっとの思いで新潟ブロックの2列目を突破しかけた仙台だったが残念そこもマイケル。フィジカル強者の中山をいなしてボールを奪ってカウンターを当てる。いや本当にこの試合のマイケルは気持ちが入っていたしプレーが最高すぎた。

20:20、ビルドアップの流れでマイケルが前線の谷口にフィードを飛ばして競り合ってこぼれたセカンドボール。拾ったのは小見。小見は内側にちょっと切り込んでシュートの匂いを感じさせつつ左ポケットに物凄い勢いで走り込んでくる島田にオシャレなノールックパス。受けた島田はダイレクトで逆サイドをフリーで駆け上がる三戸にクロスを供給するが三戸のシュートはサイドネット。決定機を外して顔を覆う三戸だったがニア上ブチ抜きが決まっていたら結構なゴラッソだったと思う。守備の足もキーパーの腕も届かない絶妙な糸の上というコースにグラウンダークロスを通した島田が凄い。

23:25、ノリノリなマイケルのノリノリな縦パスをインターセプトした仙台はショートカウンターを発動させる。中島が平行パスを転がした先には遠藤が走り込んできて抑えの効いたナイスミドルとなるが俺たちの守護神小島がしっかりとキャッチ。小島は遠藤のシュートモーションで完全に逆を突かれて重心も逆に乗っていたのに見事にリカバリーしてのキャッチ。細かすぎてわからない小島のスーパープレイ。

24:55、本日ノリノリのマイケルがボール回しの流れから我慢しきれずに上げてしまった仙台の最終ライン裏に抜け出す三戸目掛けてピンポイントフィードを蹴り込む。これは良い弾道!と思ったが少々伸びすぎてボールはゴールラインを割ってしまう。後ろから飛んでくるボールをめっちゃトラップしてシュートを決める三戸という並行世界も十分ありえた。マジでマイケルがノリノリすぎるこの試合。

その後はゆっくり前進する新潟からやっとの思いでボールを確保して無限の勝利へさぁ行こう!という仙台だが新潟のブロックに阻まれてボールロストして新潟のターンスタートからのシュートでフィニッシュ!もちろんセカンドボールも残さず拾うよ!という圧倒的な試合展開となる。何度も同じシーンが繰り返されるのでそろそろ書くのがめんどくさくなってきた。いわゆる再現性のあるプレイというやつになるが本当に強すぎだ。来年J1でどのくらい通用するのか本当に楽しみ。

28:25、ヤンから水戸にハーフスペース上の三戸にパスが通ってオリエンタードでゴールをロックオンする三戸。巧なボディフェイントで対人守備をかわしてヤンにボールを戻してヤンはダイレクトで楔を打ち込む。ゴール前中央へ打ち込んだ先にスタンバっているのは伊藤涼太郎。守備2人に挟まれた狭いスペースでも「10cmあればターンできるぜ!(実際には両隣に1mくらいあったけどな!)」と言わんばかりにオリエンタードなターンでググッ!と前進して柔らかいタッチのパスを裏抜けアピールしている谷口の左足へピタッと収まるように出すものの谷口がまさかの右足アウトサイドでトラップからのコントロール消失で虚しくロスト。ロストしたボールをフリーダム島田が走り込んで拾おうとするもうまく合わず。と思ったら伊藤が「やっぱ俺がやるしかないでしょ」と言わんばかりにシュートモーションに入るが必死な守備に掻き出されてしまって惜しい!惜しいのだが、このシーンは後ほど全新潟が目撃することになるヒーロー伊藤によるこの試合のプロローグだったのかもしれない。そのあと危機回避でボールを大きく蹴り出した仙台なんだけどボールは小島の足元にピタッと収まる。この試合の仙台クリアは頑なに中央に蹴り出してタッチラインの外に逃げるというシーンが少なかったような気がするけど約束事だったんだろうか。新潟スタイルに対してなんのメリットもないような気がする。

前半29:15には先のヤン楔伊藤ターン谷口シュートみたいなのと似たような流れを伊藤ヤン楔谷口受け(られなかった)小見運び伊藤受けシュートみたいな見事な中央突破を見せる。本当にみんな共通理解があってみんなプレイの解像度が同じという素晴らしいチームだよ俺たちの新潟。

その後は新潟得意のデザインコーナーキック。この日は仙台のコーナーキック守備がゾーンだったのでボックス内のアレコレではなく伊藤と島田のアウトスイング or インスイングでデザインする俺たちの新潟。ニアに蹴る頻度が高かったかな?弾かれてもきっちりとセカンドボールを回収する俺たちの新潟。

ずっと攻め続けているから書くことがなくなってきた。仙台も諦めたのか30:00以降はミドルブロックすら放棄する感じに。ペンタゴンの底が定位置のはずの中島がなぜかペンタゴンの頂点に立っていたりするのもこの時間から。

33:30、ヤンがサイドに流れてヤン起点のワンツーかまそうとした三戸が激タックルかまされて痛い。それでもワンツーパスをヤンに通す三戸。審判によってはイエロー出てたんじゃないだろうか。今日の主審はカードをあんまり出さない感じ。三戸の頑張りでどっちが蹴るのスタイルなコーナーキックをゲットして島田のニアインスイングが蹴り込まれるが守備に弾かれてコーナーキックアゲインでやっぱりニアにインスイング。

37:40、ボールをグルグル回しながら藤原がちょっと切り込んでから裏抜け谷口目掛けてアーリークロスを放り込むもピッタリ合わず。サムズアップで応える谷口。

39:15、モリモリ中央突破で元気に突撃。レイオフ or ターンを絡めた中央突破はマジで美しいしレイオフ or ターンのタスクを伊藤とファルソ・ヌエべ谷口という2人が担えるというのは色々おかしいと思うし高木がいたらピッチ上で3人が同じタスクをできることになる。こうやって考えると火力が強すぎる俺たちの新潟。

42:20、伊藤がペナルティエリア内手前(実際には内側だったが)で倒されてフリーキックゲット。PKだよー!とアピールする伊藤。PKじゃない?PKだよね?PKだろぉぉぉ!と主審に詰め寄る若頭島田。判定はフリーキックで変わらずなので蹴るのは伊藤。ゴール右隅を狙ってコース完璧!と思ったらクロス婆さんのファインプレイで弾かれてしまう。惜しい!あとボール半分落ちていればファンタジスタ伊藤涼太郎を象徴するかのようなビューティフルゴールになりえた。前半最大の見どころだったかもしれない。

という流れで前半終了。スタッツはポゼッションが新潟69%の仙台31%、シュート数は新潟10本の仙台2本という圧倒的な違いを見せつける俺たちの新潟。パスも487本の成功率91%と208本の成功率79%なので圧倒していた前半と言える。

後半開始

新潟のボールで後半開始。ブロックじゃどうにもならない仙台は序盤全力プレスでボールを奪いにくる。が、いつものようにサラリとかわす俺たちの新潟。プレスは序盤ほどほどで程なくして自陣リトリートでの541ブロックを敷いてくる仙台。それでも関係ねぇ!と中央突破でレイオフやらドリブルやらを組み合わせてゴリゴリ前進する新潟。

47:25には小見がハーフウェイラインからゴリゴリゴリゴリドリブルでゴール方向に行かずそのままゴールラインを突き破って50m走のレースを1着でゴールしてしまう。そんな小見のゴリブルは結果としてコーナキックゲットとなり伊藤がファーに蹴ってヤンがコンニャロ!コンニャロ!と2度シュートを打つが全部ブロックに当たってしまう。

48:35、仙台ゴール前で仙台が弾いたボールを中山が中央で回収すると超絶カウンター発動でヤベー!となる新潟。だったのだがヤンでも止められなかったカウンターを止めたのは後ろから追いかけていた伊藤。「余裕だぜ!」とサムズアップでアピールしたかと思ったら即スイッチオンなサイドチェンジでボールはフリーな三戸の足元へ。なんの違和感もなく三戸の足元に収まるキックの精度が凄い。三戸の得意なカットインと縦突破の二択を掛けながらクロスを上げるも逆サイドまで飛んでいってしまう。

49:55、スタメンで気合十分の泰基がポケットに突撃フリーランするも守備ブロックに進路を塞がれて惜しいのシーンだがコーナーキックをゲット。ハーフスペースを駆け上がる泰基は頑張れ。コーナーキックは島田と伊藤のイリュージョンだが中央に入ったボールはキーパーに弾かれる。

50:55、試合感が養われてきた泰基がペナルティエリア前中央にポジショニングすると三戸が優しく泰基にパスして左足トラップからのシュート一閃。ペナルティエリア前中央からシュートを打つ左サイドバックの渡邊泰基。タイキロールである。来シーズンはこういうプレイを多く見せてほしい。

53:25、仙台は氣田に変えて富樫敬真を投入して攻撃力アゲアゲ。ポジションはそのまま左のサイドに入る。ブロックとかあんまり考えずに交代フレッシュでボールを追いかけ回す富樫敬真。特にやり方を変えずに中央からズバズバ攻め込む新潟。

55:45、気持ち良くボールを回しているけどシュートが出てこない俺たちの新潟。そういう空気をいち早くキュピーン!と感じ取るのは千葉である。40m以上離れているところから無茶だろ!と誰もが叫ぶようなシュートを力一杯蹴り込むと結構な威力の無回転。キーパーの目の前でバウンドさせるというテクニカルなキックはキーパーに弾かれたが枠に飛んでいっていたような気がする。千葉ゴイスー!という感じで谷口と笑顔のハイタッチ。これでゲットしたコーナーキックは島田のアウトスイング。

その後こぼれたボールを島田と中島が奪い合った際に足が交錯して芝生に転げ回る中島。明らかに足が掛かっているけどノン!ノン!ノン!と指を振ってアピールする島田。そりゃファウルだろという主審のジェスチャーに主演男優賞ばりの演技で不満を撒き散らす島田に中島が「ナニやっとんじゃワレ!」と小突く。小突かれた島田は目を指差して「ねぇ見た?見た?ボク小突かれたよ!」とアピールしたらキレる中島。「やるんかオラー!若頭でも容赦せんぞ!」という剣幕の中島と笑顔で審判に近づく島田。お互い注意を受けて一件落着。

59:15、ピッチ中央でボールを持つと華麗な足下のテクニックで右アウト右インのエラシコから左へのダブルタッチからのボールを隠すターンという超絶技巧で守備を翻弄する伊藤。この間1.5秒くらい。伊藤のテクニック半端ない。このタイミングで新潟のポゼッションは72%という前半よりも上げてくる数字に。圧倒的すぎる。541ブロックを相手にしているのに圧倒的に攻めてるし中央ライン間にズバズバ通すし本当にどうなっているんだろうか俺たちの新潟。

そして63:30、ついに試合は動き出す。

スローインの判定をセルフジャッジしてしまった仙台が守備のセットをしない間に泰基が伊藤に優しくスローインを投げ入れるとユルユルの守備の間をを島田とのワンツーで抜け出して右足でカーブを掛けた完璧なコントロールショット。オシャレすぎて鼻血出るしポストギリギリを巻くラインで入れるというのが非常にエロい。大爆発するビッグスワン。大旗も元気いっぱいに舞っている。昇格するぞー!

両手を広げて直立不動のキング伊藤。これはもう来年の背番号10は伊藤涼太郎で決まりではないだろうか。伊藤よりも小見の方が喜んでいる光景にホッコリする。歓喜の輪の中心から出てきたのはなぜか小見。このシーンだけ見たら小見がゴール決めたみたいになってる。島田にハグされても表情を変えない伊藤。俺たちはまだ何も成し遂げていないという面構えである。

先制された仙台はデサバトに代えてフォギーニョ投入。絶対なんかやってきそうという雰囲気満々のフォギーニョはキックオフ直後に挨拶がわりのタックルを伊藤にかます。

67:05、左サイドで崩しに掛かる新潟は大外泰基から内側の島田に戻してハーフスペース内にパス&ゴーしてパスを受けて大外の小見に預けて泰基に戻してみたいな、狭いスペースでワンタッチパス交換するバルサかスペイン代表かみたいな鮮やかなプレイを見せる。ビルドアップではボールをセーフティーに受けるためにバックステップで安全な位置に下がったりする動きを欠かさないなど、泰基は来シーズン新潟のサッカーに結果マッチするんじゃないだろうか。ハーフスペースを駆け抜ける姿もサマになっている。ちょっと期待している。

68:15、ハーフウェイライン上でボールを持ったマイケルはヤンと谷口の二人が同時に裏抜けランしたのを見逃さずに裏抜けフィードを供給する。ヤンが落として谷口が蹴り込んだボールはゴールネットを突き破るかと思ったがクロスバーが全力守備を披露する。いらんことしなくていいんだよクロスバー!これが決まっていたら結構なゴラッソでビッグスワンのボルテージが最高潮を飛び越えて爆発していたと思う。いやこれは本当にびっくりプレイだった。

後半も70:00を過ぎて先制されていると仙台の守備も原型を留めない感じになってくる。守備の方法としては541のはずなんだろうが前でボールを奪いたいという気持ちが強すぎて541のラインを維持できずとにかくボールに近いやつが突撃でGO!な状態である。指示を出したり自分で全力疾走したりするフォギーニョ。

こうなってくるとやりたい放題の新潟で面白いようにパスが繋がって面白いように前進できる。はずだったのだが仙台にボールを奪われてひとたびフォギーニョにボールが渡ると元気いっぱいにゴールへ向かってゴリゴリ前進して気合いのシュートを無理やり打ってくる。フォギーニョにボールを渡しちゃいけないと直感的に危険を感じた全新潟だったが気づけばカウンターが当たっていてピッチ中央を爆走する三戸。守備3人を引き連れて左右にはドフリーの谷口と伊藤が並走中。どっちに出すかなと思って見ていたら選んだ選択肢は見えないくらい速い振りの右足ミドルでドン!が飛んでいってボールはわずかに枠の外。惜しい!アタッカーとしては当然の選択肢だったけどマジで谷口がドフリーだった。空に向かって雄叫びを上げる三戸。

仙台は交代策で流れを変えようと内田に代わって石原、若狭に代わって名倉を投入する。新潟も同時に泰基に代わって俺たちのキャプテンゴメス、ヤンに代わって秋山、小見に代わって松田を投入する。交代してもやることは変わらない俺たちの新潟だが、むしろ特徴強めの三銃士なのでギア上げていこうぜ!という雰囲気になる。やっぱり昇格の瞬間にはキャプテンゴメスがピッチにいなくちゃいけない。

秋山が入って伊藤とのパス交換がさらに洗練される俺たちの新潟。最終的に秋山は本当に素晴らしいシーズンになった。飛躍のシーズンで間違いない。来年も期待している。ここ2試合くらいはチャンスブレイカーだった松田もこの試合ではストロングを見せつけて活躍していた。縦突破からのクロスは思い切りの良さが光っていた。

そして歓喜の渦に巻き込まれて昇格を全新潟が確信した76:40。

島田の高速クロスが守備に当たってディフレクションしたその先にはオレンジブルーの13番がスタンバイ。目一杯腰を使った左足のシュートはゴール右へと吸い込まれる。

今まで感情を爆発させることはほとんどなかった伊藤涼太郎だが、このゴールに溢れる最高感に感情を爆発させてベンチに猛ダッシュ。沸き立つベンチとスタンドの新潟サポーター。全新潟が見守る新潟ローカル局やDAZNの前のサポーターも歓喜の声を上げずにはいられない。ハグハグしまくる伊藤が誇らしい。新潟に来てくれてありがとう!ヒーロー!

リプレイ映像ではゴールの瞬間にスタジアムの3万2千人が総立ちしているという圧巻の光景。

あとは勝つだけだぞオラー!という新潟はノリノリでプレスに行ってボールを奪ったら時間を掛けて得意のビルドアップでジリジリ前進する。白鳥が飛び立つ前の助走のようにも見える。

プレーオフ進出が掛かっているので絶対に諦めないのは仙台。この圧倒的アウェーでも最後まで戦い抜く姿勢を見せてガンガン攻めてくる。試合終盤になって期待通りの熱量高い試合になっている。昇格まであと10分とアディショナルタイム。

80:15、そんな時間帯なので前掛になる仙台でその状況にカウンターを当てるのは当然の新潟なのでゴール前のセカンドボールを拾ってから最速カウンターを発動させる。松田が運んで中央には伊藤と左に谷口が走り込んでいる状況、松田が選んだのは中央の伊藤だったが右足アウトサイドのトラップが乱れてシュートは力無くキーパーの腕の中。これはハットトリックかと全新潟が声を上げたが顔を覆って崩れ落ちる伊藤。まだまだ試合は終わっていないぞ。

ここにきて全力攻撃力を投下してくる仙台、フォギーニョが結構ヤバいやつで前半からフォギーニョだったらまたちょっと違ったのかもとか思ってしまう。それもでマイケルのノーファウルで奪うスライディングタックルなどでシュートは絶対に打たせない俺たちの新潟。フォギーニョにはナイスミドル撃たれたけど。

残り8分ちょっと、DAZNはオレンジで埋め尽くされたスタンドを映し出す。実況も白鳥が羽ばたく瞬間が近づいてきたみたいなことを言い始める。本当に本当にいよいよだ。5年間本当に長かったしアルベルト監督をルーツとした美しくて強いサッカーで昇格できるのが本当に誇らしい。ベンチの外には高木が立っていてタオマフで何度も涙を拭うシーンが画面に映し出される。高木は新潟昇格の主人公の一人なので本当に誰よりも強い気持ちでこの日を迎えていたことだろう。

残り5分、完全にオープンな試合展開となったビッグスワン。この時間でもキレキレな三戸がアクセラレーションなドリブルからのナイスミドルを放ったりしてワクワクを演出する。2017年以降の暗黒期のことを考えるとこんな日が来るとは本当に想像できなかった。

アディショナルタイムに入って新潟は最後のカードを2枚同時に切ってくる。谷口に代えてゲデス、三戸に代えて星の投入である。

この文章を読んでいる皆さんは既に知っている結末のとおり。祝福の花火は古巣相手にゲデスが打ち上げた。

完璧すぎる試合、完璧すぎる昇格。全てのアルビレックス新潟にありがとう!

アイシテルニイガタ!

オープンチャットでのリアルタイム解説

試合開始前

残り3試合で勝ち点差9ですが得失点差を考えれば昇格は揺らぐことの無い事実です。それでも満員のスワンで昇格を決めてもらうしかありません。大一番です。

スタメンには泰基が大抜擢です。試合に出るごとに新潟スタイルを体現できるようになっていましたので今日は自分のストロングも見せつけてほしいですね。

仙台もプレーオフ崖っぷちという状況ですのでお互いの全てを掛けた熱量の高い試合に期待します。今日は戦術とか気にしないで感情的に観戦したいですね。

現地の皆様は最高の瞬間をリアルタイムで楽しんで下さい。

前半終了時

良い前半でした。

仙台は5バック守備のトレンド523ペンタゴンブロックです。DAZN永井解説員も解説していました。仙台はペンタゴン+自陣リトリートしたら532ブロックですね。

新潟のペンタゴン攻略はヤンを中心に置いてペンタゴン小さくさせてサイドに叩きですね。右の三戸に渡す頻度が高いでしょうか。

仙台の523はWBの飛び出しタイミングがあまり洗練されていませんので何度か入れ違いで裏抜け成功というシーンがありました。後半も同じ流れならこの形から上手く行く可能性があります。

伊藤のFKは惜しかったですね。決まっていれば最高にエモいゴールになっていたでしょう。

今日はマイケルと藤原が特に良いですね。マイケルは「デンに出来ることは俺にも出来る!」と言わんばかりの縦パスと飛び出しハントです。ハントについては相手陣内に飛び込んで加速しながらですのでこれは良いチャンスメイクです。

藤原は押し込んでから中央にポジション取りますのでセカンドボール回収王になってます。ルーズボールになっても残念そこは藤原奏哉という感じでずっと新潟のターンです。

左ペナ角からの波状攻撃も魅力的ですしゴールパターンがいくつもある新潟ですので後半ゴールを決めて昇格決めましょう!

試合終了時

俺たちの新潟に何もコメントすることはないでしょう。

アイシテルニイガタ!

「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。