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サイド攻撃:2022 J2 第1節 ベガルタ仙台×アルビレックス新潟

アルビレックス新潟2022シーズン開幕戦、攻撃的サッカーを掲げる松橋力蔵監督はアルベルト監督がやりたくてもできなかったであろう4123の布陣で臨む。

新潟の基本フォーメーションは4123。
イッペイは至恩に置き換え、谷口は三戸に置き換え可能。

4123とは

4123は433とも表現されるが、その特徴はアンカーと呼ばれる1ボランチと2インサイドハーフになる。アンカーは高(ヤン)で、インサイドハーフは高木と伊藤。

4123のメリットとしては最前線手前に2人の攻撃的な選手を配置できるので攻撃に厚みが増すこと、両ウィングと合わせれば相手の4バックに対して5人で攻撃を仕掛ける攻撃力。

一方のデメリットとしては守備的ミッドフィルダーが1人となるため、4141の守備を敷いた際、2列目を突破されるとアンカーが横幅いっぱい全力ケアの必然。この試合を見る限りヤンのボール奪取能力に高い依存度。

4123をベースにしたサイド攻撃

さて、「より攻撃的に」を掲げている新潟は4123をどのように活用したのかを確認してみよう。

シーズン開幕前に松橋監督から出てきたキーワードとしては「サイド攻撃」だったが、蓋を開けてみればサイドアタッカーとしてのドリブラー、この試合では「いかにしてイッペイや至恩にフリーでボールを預けるか」ということに注力する戦術。

インサイドハーフに配置された2人、高木と伊藤はボールを受けてから即ターンで前を向けるスキルを持っているので、このスキルを最大限に活かしつつサイドアタッカーをフリーにする仕組みが基本。

そのインサイドハーフを活かすためにヤンがボールを出し入れしたり即ターンしたりしてブロックの隙間を締める役割を担う。サイドアタッカーまでボールが渡った後のアタッキングサードは各自におまかせ感。

開幕戦を見る限り、インサイドハーフを攻撃力ではなくビルドアップに組み込み、守備ブロックを中央に寄せてからサイドに展開というのが開幕戦におけるリキゾー式。

この戦術を遂行するにはボールをターンで受けて前を向けるプレイヤーが必須。今シーズンは求めるタスクを遂行できる伊藤が加入したことで高木が実質2人に増量された結果実現した戦術。

昨シーズンも福田活用で同じことが出来たような気もするが、アルベルト監督はその戦術を用いなかったので、インサイドハーフ落下式ビルドアップがリキゾー監督の特徴となる。

リキゾー式への対策

前半はリキゾー式に翻弄された仙台だったが、後半はインサイドハーフ落ち防止策として前線3枚によるブロックを敷いてくる。

これが効果的に機能した結果、伊藤高木はフリーで受けることが難しくなり新潟はサイドバック経由ウィング行きのルートが増えていく。

「なんとかボールを引き出そうとする伊藤高木」 VS 「そうはさせないという仙台」という構図になった後半。ゴールが決まりそうで決まらない。シュート18本も撃ったのに決まらない。ヤンが攻守で走りすぎてライフゲージが赤くなっても決まらない。どうして!

新潟のインサイドハーフ落ち対策として仙台は前線に3枚配置することで対応する。

結果スコアレスドローとなったけど、リキゾー監督の特徴が色濃く出た試合で有言実行な攻撃的スタイルも120%目視できたので今シーズンも大いに楽しめそうな新潟のサッカー。

ゴールを決めまくっての昇格に期待です。


「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。