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A玉とB玉

 あの、ラムネを飲む時に飲み口を塞いで来て飲みづらくする、ラムネに入っているガラスの玉は、「ビー玉」ではなく「A玉」という事を、小さい頃にお父さんが教えてくれた。元々あのガラス玉は、炭酸が抜けないようにガラス瓶の先端を密閉して封をするのが目的。だから、きれいな球体にできなかったらその役割を果たせないため、「B玉」として子供のためのおもちゃとか、全然違う目的で使用されることになる。
 
 つまりビー玉はガラス玉社会の落第生達の集まり。でも、私ならラムネビンに固定されて、他のラムネビンと共にきれいに配列されてお店に並び、買われて、そのラムネを飲み終わったらもう用無し、高い確率でゴミ箱行きのA玉より、ビー玉のほうがいいな。
 もし、A玉になっちゃっても、ラムネを手にとったのが運よくお祭りに来ていた子どもで、その子がなんとかしてガラス瓶から救い出してくれて、自分のポケットに入れて、例えほんの数日でも、こっそり学校に持って行って授業中に時々触ったり、友達にこそっと見せたりして、宝物にしてくれたら。それもいいな。

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