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チームメンバーの意見を引き出す & まとめる!ファシリテーションの小ワザ 15 選

こんにちは、Zaim の @HitomiHoshisaki です。3 年前にサーバーサイドエンジニアとして入社して、今は企画やディレクションを担当しています。社内外でファシリテーションをする機会が増えてきました。私なりに気をつけていることやコツを書き出してみます。

会議の種類

会議の大きさによって、必要なファシリテーション能力(以下、ファシリ力と記載)も変わってくると思います。ざっくり大中小で分けて特徴を考えてみます。

大きな会議

・期間が長い
・人数が多い
・一方的な報告が中心

例)全社会、領域定例

中規模の会議

・1 か月〜半年
・2 〜 6 人くらい
・双方向に意見を出し合って、相談しながら物事を決めていくことが多い

例)ユニットの定例

小さな会議

・単発
・2 人か 3 人
・具体的なタスクを実行するために、文字で伝わりにくい細かいニュアンスを確認することが多い

例)仕様の確認

特にファシリ力が必要な会議

会議進行で必要とされるスキルは、大中小それぞれで異なります。特に中くらいの会議は、「双方向に意見を出し合って、相談しながら物事を決めていく」という真逆の働きかけが必要なので、ファシリ力が問われるんじゃないかと思います。

意見を出し合う ←→ 物事を決める  
 多様性が必要 ←→ 同意が必要   
  発散させる ←→ 収束させる   

バランスを取る

このバランスをとるために大事なことは、事前準備だと思います。

事前準備

1. 目的・ゴールを考える

目的がハッキリすれば、議論で迷ったときの助けになります。また、その日にどこまで話し合うのかというゴールも考えておくと、どんな下準備が必要かが見えてきます。

2. スケジュールを登録する

Zaim では Google カレンダーで会議を依頼します。説明文に、目的・関連資料を入れておきましょう。すると余計な時間を省けて、話したいことに集中できます。参加者も事前にアイデアを考えてくれたり、必要な資料を探しておいてくれることがあります。

3. アジェンダを用意する

あるといい要素

・日付
・参加者の名前
・議題の箇条書き(自分なりの案も添える)
・関連資料のリンク

私はプロジェクトの定例会議ならドキュメント共有ツールの Kibela に施策概要の記事を書いて、その下のコメント欄にぶら下げる形でアジェンダを記載しています。補足があれば他の人がコメントを追記できますし、あとから時系列で振り返りやすいです。

4. 資料を用意する(必要に応じて)

口頭説明や文字だと伝わりにくい時や、参加者に手を動かしながら考えてもらいたい時は、別途資料を作っておきます。

例)ページ構成

手書きのラフや、Google スプレッドシートFigma などで作ったものを共有します。共通言語ができて会話が楽になりますが、引っ張られすぎて自由な発想ができなくなる可能性もあるので要注意です。数や量が具体的になるため、発散したアイデアが収束に向かいやすくなります。

ページ構成の例

例)ガントチャート

どんな作業とどのくらいの時間が必要なのかを洗い出したり、担当者を決めたりするのに役立ちます。

ガントチャートの例

例:Google Jamboard または FigJam

いわゆるオンラインホワイトボードです。なかなか意見が出にくい時や、小さなネタが多くてまとめ切れない時に使います。付箋とホワイトボードを使ったブレストがリモート環境でも簡単に実現できて、便利です。

FigJam の例


5. 参加者の前後の予定を確認しておく

進行の判断材料になるので、確認しておくとスムーズです。参加者の予定的に遅刻が発生しそうであれば、アイスブレイクを長めにする、議題の順番を入れ替える、など臨機応変に対応します。

Google カレンダーは名前順に並ぶため、よく一緒に仕事するメンバーの頭に「A」「B」など入れておくと見やすくなります。

Google カレンダーの例

続いて、意見を引き出したい・収束させたい時の小ワザをご紹介します。

意見を引き出す小ワザ

6. ファシリテーターが選択肢を提案する

「自由に意見を言ってください」は、答える側からすると難易度が高いです。事前にアジェンダや資料を用意しておくほか、「例えばこういうことですか?」「それともこういうこと?」など口頭でも選択肢を出していくと話が進みやすくなります。

7. 言いそびれたことがないか聞く

区切りのいいところで「ここまでで何か質問はありませんか?」と声をかけましょう。「質問」と言うと少しハードルが高く感じるので、「言いそびれたことや思いつきがあったら教えてください」のような言い方もいいですね。「大したことじゃないんですが…」と、意外といい話が出てきます。

8. 間をあける

前述の「質問がありませんか?」よりももっと小さな単位で、口を挟みやすいポイントを意識して作ってあげるといいようです。沈黙を恐れないでちょこっと沈黙を作ると、参加者が口を挟みやすい雰囲気を作れます。『LISTEN』で学びました。

9. 名指ししてみる

王道ですが、ここぞという時に効き目があります。「◯◯さん、これについてどう思います?」と聞いて、前述のように少し間を開けます。すぐコメントが出ないようなら、「△△ですか?それとも◯◯ですか?」と選択肢を提示するのもいいです。

10. 表情からも情報を取る

言葉としてハッキリ意見が出なくても、表情から引き出せることもあります。例えば、「◯◯さん、納得していない顔をしていますね。何か気になることがありますか?」「お、みなさん頷かれてますね。ほぼこれで決まりということでよろしいですか?」など。

11. 視点の変更を促す

新しい意見が出なくて煮詰まる時、ありますね。「いったん実現可能性は無視しましょうか」「ユーザー視点だとどうでしょう?」「初めて◯◯した時、◯◯さんはどうでした?」「うちのお母さんだとどうかなー、使えるかなー?」など、ちょっと角度を変えて質問を投げかけてみましょう。重い空気をいったんリセット!

12. 紙に書き出してもらう

リモート環境だと、準備編でも紹介したオンラインホワイトボードが便利です。Zaim ではプロジェクトが終わるたびに KPT(Keep・Problem・Try)での振り返りを Google Jamboard または FigJam で実施しています。

Jamboard の例

意見を収束させる小ワザ

13. タイムキーピングをする

見えるところに時計を置きましょう。できればタイマーや時報を使って、参加者にも意識してもらうといいです。あらかじめ「あと◯分でここまで決めたいんですよね」のように希望を伝えておくと、参加者の気持ちもまとめに向かいます。

ちなみに「5 分遅刻する」と言われたら 10 分遅刻するものだと考えて動くとちょうどいいです。

14. 数や量を決める

嬉しいことに、アイデアが多すぎて収集つかないときがあります。そんな場合は、具体的なアウトプットをイメージして数や量を決めると、取捨選択がしやすくなります。事前準備の例でページ構成の図を出したのも、そのひとつ。暮らしのアワード 2021 では、「衣」「食」「住」「遊」の四つテーマを設定してから、話し合いが一気に進みました。

暮らしのアワード 2021 の四テーマ

15. そもそも論に戻る

アイデアが広がって盛り上がるのは楽しい時間ですが、最終的にはカタチにしないといけません。「そもそもなんのためにやってるんだっけ?」「今回の目的・ゴールはなんだったっけ?」と一石投じることで、必要なもの・不要なものの判断がつきやすくなります。

最後に

いろいろ書きましたが、私自身まだまだうまくできず、反省の日々です。失敗を潔く受け止めて、少しずつ違う方法を試しながら改善していきたいと思います。あーだこーだいいながら仲間とプロジェクトを進めていくことが好きな方、一緒にお仕事しませんか?ぜひ話を聞きにきてください!


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