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古い編機を大切に使う理由

私が靴下作りに使っているのは、
K式というシングル編機で、チェーンやドラムを使って
足底の長さ、つま先かかとの位置を調節する編機です。

すでにメーカーで生産されていないため、
時には金属を削って部品を作り、大切に手入れをしながら使っています。
(私は部品を作る事はまだできません)

1年ほど前、
最新の編機は、チェーンやドラムの役割をコンピューターが制御し、
そして、つま先を縫う作業もないと聞き、
こんな疑問がふと浮かびました。

"これから、どんどん新しい編機に代わっていく中で、
私はこの古い編機の操作方法を覚えて何のためになるのかな・・・"


「新しい編機は、確かに操作は簡単になって、効率的になって、利点はもちろんあるのだけれど、機械の仕組みは基本古いものと殆ど変わらないんだよ。だから、古い機械で仕組みをわかっていることで、新しい編機を使うようになった時、きっとどんなトラブルにも対応できるよ。」

シングル編機、ダブル編機、パイル編機、ベビー靴下編機、
なんでも使いこなし、そして、私が起こしたどんなトラブルでも解決してくれる
師匠がそんな事を教えてくれました。

編んいる時の音の変化で編機を調整したり、
機械の裏に潜り込んでネジをまわしたり、
まだまだ覚える事が沢山あるけれど、
靴下職人になると決めた今、
古い編機を大切に使う事は、私にとって一番の勉強だと思っています。


#天職だと感じた瞬間


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