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三重県のうなぎ屋さんが、LINEで友だち追加を促す施策をやった結果

こんにちは。

社会人3年目。本業と副業を掛け持ちしながら、WebデザイナーとWebマーケターを目指しています。

今回は、副業でクライアントさんからご相談があった「LINE友だち限定特典」の販促についての制作過程を載せます。

なお、この投稿はLINEビジネスの応募作品です。
ご覧いただいた皆様の中で、共感して頂いた方は「いいね!」+シェアをよろしくお願いします。


クライアントさんが抱える課題

今回のクライアントさんは、四日市市にあるうなぎ屋さん「うな勢」です。

うな勢さんの基本情報
・三重県四日市市にお店を構えるうなぎ屋さん
・駐車場も備えていて、ほとんど車で来店される
・コロナ禍ではランチ・テイクアウトに力を入れている
・メインの顧客層は60〜70代。サラリーマンだけでなく、ご家族で来店される方もいる

100年以上続いた伝統のあるうなぎ屋さんを引き継ぎ、50年以上愛されるうなぎの名店です。今回、とある副業募集サイトに応募したところご縁があり、クリエイティブ(デザイナー)担当として採用されることになりました。

うな勢さんの掲げていた課題は、コロナ禍で落ち込んだ売上を回復させたいこと。コロナ禍以前は、ランチや、企業向けの宴会など大人数での会食でうなぎを提供するサービスを行っていましたが、自粛することに。会食で失った売上を、新しい形で売上を上げたい。そのような思いをお持ちでした。

同じように副業メンバーで採用された方々と一緒に、
・どこが課題なのか(四日市市内のうなぎ屋さんと比較して)
・うな勢さんの強みはどこにあるのか
・コロナ禍でも売上を確保するにはどうしたらいいか
を週1度の会議で話し合いを重ねました。

そこで出た結論は、

LINEのお友だちの数を増加させ、
ランチの来店者数とテイクアウトの売上を上げる

を目標としたのです。


LINEアカウント運用当初の課題

主に私はデザイン担当として、LINEアカウントの投稿のバナーデザインを担当することに。LINEアカウント運用に精通しているメンバーに指揮をとってもらい、訴求ポイントを検討しました。

LINEアカウント運用当初の課題
・画像で何を伝えたいのか、伝わらない
・もっとスタイリッシュなデザインにしたい

そこで指揮を取るメンバーと一緒に、分かりやすいバナーで且つ目立つようなデザインを目指すことにしたのです。


LINEタイムラインシェアキャンペーンの道のり

そもそも、LINEアカウントには
・タイムラインでの投稿
・トークルームでの投稿
・広告配信
の3つの段階があります。

私たちは、今回LINEのお友だちの数を増加させることを目標に掲げていますので、タイムライン投稿を使ったシェアキャンペーンを実施し、既存のLINEのお友だちからの紹介でLINE友だち増加の策を取りました。

うな勢さんからヒアリングをすると、お客様がLINE友だちに追加してくれるタイミングとして、「友だち追加すると割引します」と店頭で告知をすると、増加数が格段に上がるということでした。
これを利用し、タイムラインでシェアしてもらうことにより、シェア数に応じてクーポンの特典をグレードアップさせることにしました。

- バナー制作過程

最終段階の「300シェア」を最も目立たせる形に。
そして、人間の目線はZの形で、左上から右下に流れる傾向にあるため、その傾向を利用しました。

▼当初のイメージ。背景は丸型に。

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▼試行錯誤を重ねた結果、タイムラインではこの投稿をすることに

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LINEのタイムラインって、そもそも何か?と思う方が大多数かと思います。事実、筆者の私もタイムラインシェアなんぞやったことなかったからです。

左下にシェアの方法を記載することで、シェアの方法が分からない方にも、パッとこの画像を見て理解してもらうよう意識しました。

- インスタグラマーの方に協力を依頼

メンバーの知人の方で四日市グルメに関して発信しているインスタグラマーの方がいらっしゃったので、その方の投稿及びうな勢さんのInstagramアカウントでの投稿用のバナーも制作しました。

▼Instagram投稿用のバナー

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四日市のグルメ情報を発信している@yokkaichi_3150さんにもご協力頂き、友だち追加を促して頂きました。

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- タイムラインシェア機能の課題に直面

しかし、このように各SNSや関係者を巻き込んで認知拡大を行ったものの、シェアキャンペーン期間中は思うようにシェア数が伸びなかったのは事実です。

その原因として「タイムラインシェア」機能があまり認知されていない可能性が出てきました。うな勢さんから現場の状況を伺うと、お客様から「どうやってシェアするの?」といった機能に関する問い合わせがあったからです。

シェアが伸びない要因としてチーム内で上がった意見
1. そもそもシェアの仕方が分からない
→タイムラインシェアの方法について解説した投稿を流すことで対応
2. タイムラインにシェアするのはハードルが高い(恥ずかしい)
→個人でのLINE友だちにシェアすることもシェア数にカウントするとしました(今回のキャンペーンの目標は、LINE友だちの数を増やすことだから)。

1. については、急遽最終日にタイムラインシェアの方法について解説した投稿を、トークルーム内で発信しました。

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また、タイムラインシェアキャンペーンの最終日付近に、「本日最終日」とリマインド投稿を行ったことが、目標の300シェア数到達への要因の1つとなりました。


シェアキャンペーン後の成果

結論、目標の300シェアに到達できました。

シェアが到達するごとに(100シェア、200シェア、300シェア到達ごと)に、現状報告のバナーも制作しました。

タイムラインシェアキャンペーン終了時の結果
タイムラインシェア実施時期:6/16〜6/20の5日間
タイムラインシェア数:311シェア
LINE友だち数:2,486人(キャンペーン開始前と比較して143人増加)

キャンペーン前の状態と比較し、お店がある四日市周辺の友だち追加が増加しました。

▼例えば100シェア達成時のバナー

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今回特徴的だった点は、うな勢さんのLINE友だち(お客様)はコメントをお願いする投稿をしていないにも関わらず、今回のシェアキャンペーンに際しうな勢さんへ100以上の応援コメントが投稿されていたことでした。


タイムラインシェアキャンペーンの課題

今後、うな勢さんのお客様とLINE上でよりコミュニケーションができるようにするにはどうしたらいいのか?も含め、課題を明確にしました。

タイムラインシェアキャンペーンの課題
1. タイムラインシェア機能の認知度が低かった
2. 過去にうな勢さんのLINEトークルームで投稿していた「LINE友だち限定」「営業時間のお知らせ」に関する投稿と比較すると、開封率が低かった
3. 過去に実施した「いいね!キャンペーン」の投稿よりもクリック率が低かった
4. インスタグラマーの方に協力をお願いしたものの、ストーリーの閲覧数は伸び悩んだ

1. について。
チーム内で議論に上がっていた懸念点が露呈した形となりました。キャンペーン期間中にシェアの方法について解説するような投稿を行ったことでなんとか目標に達成できたものの、タイムラインシェア機能がもっと認知されていれば、より早く目標の300シェアに到達できたと考えています。

2. について。
タイムラインシェアキャンペーンについて投稿した文章に課題があるのでは?という仮説を立てました。「LINE友だち限定」「営業時間のお知らせ」に関する投稿では、一文目でパッと投稿の内容が分かります。しかし、今回のタイムラインシェアキャンペーンでは「シェアチャレンジ実施中!」と書いていたため、どういうキャンペーンなのか、分かりにくかったと考えられます。

3. について。
これはクリエイティブ担当の私の課題でもあります。
バナーに掲載した情報量が多すぎて、文字が小さくなり、見えづらくなってしまった可能性があります。うな勢さんのLINE友だちの層には、もっと情報量を削ぎ落としたバナーデザインの方が効果的だったのかもしれません。

4. について。
InstagramとLINEという別ツールを往復することの手間があると、ユーザーはシェアするという行動に結びつかないことが分かりました。

- 現場のうな勢さんのお客様からの反応

このキャンペーン期間中、お客様からの反応はどうだったのか伺いました。

タイムラインシェアキャンペーン期間中の現場の様子
・シェアのやり方についての「電話」の問い合わせが多かった。結構多かった印象。
・画面を見ながら店員と一緒にやっていたお客様もいた。店員もタイムライン機能について熟知していなかった。iPhoneのアイコンでバナーを制作していたが、Android端末のためアイコンが異なり、迷うお客様が多かった印象。
・シェアしておいたよ〜という報告で言ってくれる方が多かった
・シェアの仕方まで教えたのに、シェアする投稿(本投稿)がどれか分からなかった。
・QRコードの読み取り方を知らない人が多かった。

ポジティブに捉えれば、ちゃんと投稿を見て協力してくれる人が多かったのかもしれません。しかし本来であればWeb上でキャンペーンが認知され、協力を仰ぐことが理想だと思います。
しかし、電話で問い合わせ・スタッフがお客様へシェアの仕方を教える手間を増やしてしまい現場への負担をかけてしまったことは、キャンペーンを提案した側として申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。


新たな挑戦:「LINEを読みものへ」

今回タイムラインシェアキャンペーンを行い、筆者の私が思ったこと。

うな勢さんのLINE友だちの層は、日常生活で使うコミュニケーションツールとしてLINEを使っているのかもしれません。新しい機能をどんどん試すよりは、友だちとLINEでコミュニケーションが取れたら十分、と考えているのかもしれません。

ここからどのように新規のLINE友だちの数を増やしていくのか。「新規顧客層」と言っても、Instagramでも効果がないことが分かりました。LINEのタイムラインシェアを利用しても、三重県周辺でのリーチにとどまることが分かりました。

そこで切り口を変え、流れてくる情報に対して受動的な層ではなく自発的な層を巻き込み、取り組みを応援してもらう。そして外出自粛が解かれたあと、四日市のうな勢さんに足を運んでもらうことを目指すことにしました。

自発的に情報発信をする層がどこにいるか。そして情報に対する感度の高い層はどこにいるのか。私はこのnoteだと思ったのです。

▼noteを選んだ理由及びその思考回路

LINE友だちに登録されているお客様からの応援コメントの多さ、キャンペーンを打ち出すと参加して下さる方の多さが特徴的だ。しかし、現在LINE友だちのお客様は四日市市在住の方など、店に通える距離にお住まいの方が多いのだろう。とすれば、新たな顧客層をつかむためには、「note」という文章コンテンツの発信をしてみよう。

私がnoteに注目した理由
・拡散性の高いTwitterと最も相性の良いSNSであること
→共感してもらえる場合、拡散される可能性が高い
・noteはフォロワー・noteアカウントを持っていなくても「いいね!」やコメントが可能
→LINEからnoteのURLにアクセスしやすい。反応もしやすい。LINE友だちからの自発的なコメントの多いうな勢さんのアカウントと相性がいいのではないか。

ほかInstagramでの発信も検討しましたが、下記のようにまとめました。

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▼検討した際の参考文献です


さいごに:飲食店に関わる人全てに、新たなヒントにしてほしい

飲食店で働く方の、営業自粛に対する意見が報道されています。その度に筆者の私は胸を痛めています。なかには、オーナーさんが自ら自分の命を落とす報道も見ました。

その中で私ができることは、このように自分の知っているツールを活用する術を企業様と一緒に考え、活用していくことだと思っています。ご縁があったうな勢さんは、1つの事例です。

「飲食店はこの状況でも頑張っているんだ」ということをどうしても伝えたいのです。LINEを基盤としてお客様とコミュニケーションを取っている飲食店は多くあると思います。ですが、今までとは違った方法で、どう活用していくのか、全ての飲食店に当てはまる法則はないと考えます。

ですが、今回の事例を公開することで少しでも誰かの背中を押すことができたらと思うのです。LINE社はもちろん、飲食店のオーナーさんかもしれませんし、デザイナーかもしれません。副業を探しているサラリーマンかもしれません。

少しでも興味がある方へのヒントであってほしい。
そして自分の力では足りないので、LINE社のキャンペーンに応募しLINE社の力をお借りすることで少しでも多くの人に届けたい思いを込めています。

noteに挑戦する企画は、まだ走り出したばかりですが、多くの人にうな勢を知ってもらう絶好の機会だと思っています。

PS. なぜ筆者の私が本気で取り組んでいるのか

筆者の私は、実は地方活性化を大学生の時から学び、社会人になったら自分のWebに関する知識を活かし、地方に眠る魅力を発信していきたいと思っていました。

本業では旅行業に携わる一方、副業では地方にある企業さんと並走して「どうしたらもっと魅力的になるか」実際に仕事を任せてもらいながら考えたい、と思っています。

その時、ご縁を頂いたのがうな勢さんでした。きっかけは、「ふるさと兼業」という地方の企業様と副業希望者のマッチングを行うサービスでした。

社会人3年目という若手の私に投資してくれることへの感謝です。

▼副業に関する私個人の詳細は、下記noteに書いています。

ぜひ応援のほど、よろしくお願いします。

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ここまでご覧いただきありがとうございました。

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