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The Very Hungry Caterpillar エリック・カールさんを偲んで

 皆さんもご存じだと思いますが、代表作『はらぺこあおむし』など、多くの名作を世に送り出してきたエリック・カールさんが、2021年5月23日、静かに息を引き取りました。91歳でした。そこで今回はエリック・カールさんを偲んで、The Very Hungry Caterpillar を使ったストーリーテリングタイムのプチレッスンをシェアしたいと思います。まずは、こちらをご覧ください。

  キーンコーンカーンコーン、、、(日直さん)「今から外国語の授業を始めます。」の瞬間に、先生の肩や児童の目のつく所にあおむしのパペットを置きます。そうすると、数人の子どもがそのあおむしに気づき「先生!あおむしがいるよ!」と教えてくれます。もちろん先生は知らないふりをして、そこからあおむしさんと子どもたちとが英語で自然な会話を始めます。このように、外国語の授業を始めるときや何か活動を始めるときは、Attention getter (Attention grabber) を用意することで、子どもの注意を引くことができます。Attention getter は、パペットだけではなく、オーセンティックな教材、洋画のパンフレット、有名人の写真、マップ、チラシ、メニュー、クイズ、ランキング、リスト、洋楽、など Motivation Strategy として考えられるものを使うことをおすすめします。

 次に、ストーリーに Focus できるように、いつもの手遊びを使って、聞くことに集中させます。この歌、手遊びをすると必ず静かに聞けるようになる、というものがあるといいですね。例えば、児童の発言する声が小さいときに教師が Sorry? と聞くと、BIg voice! と言わなくても児童の声が大きくなるというように、決まった手遊びで、子どもはどうすればいいのか正しく判断して行動できるようにしておくと Classroom Management がうまく機能します。

 また、ストーリーテリングは、リーディングメソッドのKWLーWhat I Know already - What I Want to know - What I Learned を使うことで、より主体的・対話的・深い学びになります。動画ではあまりふれられませんでしたが、例えば、まずは表紙を見せて What can you see? / What's this? / Do you like caterpillars? / What do you already know about caterpillars? など発問します。自分自身とストーリーの関連性に気づき、スキーマを活性化することで、ストーリーに興味を持つことができます。これが K=What I already know です。ここでストーリーの予測をさせるのも楽しいです。また、Before reading 活動の2つ目として、W=What I want to know があります。ストーリーの予測と似ている部分もありますが、イラスト・写真やジェスチャーをつかいながら、What will this caterpillar become?  Will it become a moth?(蛾)Will it become a butterfly? など、聞いてみます。I want to know... と答えるのは難しいかもしれませんので、Yes / No で答えられるようなクローズド・クエスチョンをしてあげると、英語に対する不安を軽減してあげることができます。

 次に教師が絵本を読みます。このとき最後まで教師が読みきるか、児童と対話をしながら読み進めるかは、そのストーリーテリングの目的、絵本の種類、児童の理解力や人数などによって変わってきます。On Friday まで読み進めた後、
T : What day comes next? 
S : It's Saturday. 
T : Can you guess what the caterpillar ate on Saturday?
など、会話してみるのも楽しいです。このような会話が「うちのクラスの児童は英語でできない!」と思われた先生方、少しずつでもいいので、毎時間子どもが想像力を働かせて1単語でも発言する機会を与えてみてください。というのも、子どもが出す答えはどれも間違いではないという発問(オープンクエスチョン)に自由に答えさせると(もちろん人が不快に思うような発言は止めさせます)、間違いを恐れて発言しない、という傾向が少しずつ改善されていきます

 After reading 活動としては、L=What I learned として、わかったことを皆でシェアすると理解が深まります。低学年では、ストーリーテリングを「楽しむ」ことが1番の目標であるべきだと思いますので、わかったことは日本語で発言させて、満足感を与えることも必要だと思います。高学年、特に6年生の2学期以降は、例えば、The caterpillar ate one apple on Monday. と答えられるようになってほしいですね。とはいえ、学んだことは何ですか?と聞いても上手く答えられない場合も多いと思われます。そういう場合は、発問してみるといいかもしれません。発問は、Fact finding questions(事実発問)、Inferential questions(推論発問)、Personal questions(評価発問)に分けられます。例えば、
 【事実発問】How many oranges did the caterpillar eat on Friday?
 【推論発問】Was the caterpillar happy on Saturday?
 【評価発問】Do you like caterpillars?  What insects do you like?  Why?
などが考えられます。評価発問までできると、児童どうしでプチ討論までできるようになり、リスニングからスピーキングへと技能統合型レッスンをすることができます。

 言語材料としては、曜日、1~5までの数字、果物・食べ物の名前です。新出単語が含まれていても、Repeat after me. ではない導入がストーリーテリングではできるので、児童は英語を英語で理解できるようになります。英語を英語で理解することは、ヤングラーナーズの理想的な学び方ではないでしょうか?

 その他に教科横断型の工夫として、体育の時間に児童があおむしになり、果物と見立てたフラフープをくぐっていくのも楽しいです。図工の時間には、かわいいクラフト作りも楽しいですよ!また司書の先生に協力してもらい、図書室にエリック・カールさんコーナーを作って子どもに興味を持ってもらえるといいですね! 

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 ストーリーテリングのプチレッスンはいかがでしたでしょうか?もうすでに先生方がされていることもたくさんあったと思います。もし、チャレンジしてみてうまくいったことや、こんなアクティビティも楽しかったです!ということがあれば、コメントをいただけると嬉しいです。

★ March 20th is The Very Hungry Caterpillar Day! です。

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★エリック・カールさんのご家族によるサイトが公開され、ゲストブックでメッセージを送ることができます。↓↓

★エリック・カールさんのオフィシャルサイトです。↓↓

★エリック・カールさん自身が The Very Hungry Caterpillar を読み聞かせしています。↓↓ 


 先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!
1人でも多くの先生方子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!

【英語の先生のためのひとことEnglish】

   Tell me and I’ll forget.
 Show me and I may remember.
 Involve me and I learn.
                                                                                      Benjamin Franklin

児童を当事者 (involve) にしないと、ストーリーテリングも教師の自己満足になっちゃうんだよね、、、(私の失敗談より)

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