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【 #出雲駅伝 2022】出雲駅伝で上位争いに食い込むための条件を解説【最重要区間は○区】

駅伝シーズンの開幕戦である2023年出雲駅伝が待ち遠しいですね。2022年の出雲駅伝の展開を振り返りたい人もいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、2022年出雲駅伝について、チームへ貢献度が高いランナーは誰かを指標を使って解説します。また指標を活用して、上位争いへ食い込むための条件と、出雲駅伝の最重要区間についても解説します。2023年の出雲駅伝を楽しく観戦するため、順位予想や区間予想のためにぜひ参考にしてください。

本記事は、ひと目でわかる箱根駅伝が製作しています。駅伝の結果を様々な角度から見える化してきた経験から、ひと目でわかるようデータを見える化して解説を行っています。ぜひフォローや拡散いただけますと嬉しいです。

指標って何?という方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。


それでは3つの指標を1つずつチェックしていきます。

Hight Score 高さ値

Hight Score TOP20は以下になります。

Hight Score TOP20

 チームへの貢献度の指標。平均的なランナーと比べてチームに何秒貯金をもたらしたかを示しています。長い距離の区間方が高いスコアを取りやすいです。

全体1位でMVPとなったのは駒澤大鈴木選手となりました。

國學院大4区中西選手、駒澤大5区安原選手、駒澤大2区佐藤選手は、短距離区間でTOP20にランクインし、チームに大きく貢献しました。

中央大1区吉居大和選手、駒澤大2区佐藤選手、駒澤大3区田澤選手、青学大3区近藤選手、法政大3区内田選手、東国大3区丹所選手、國學院大3区平林選手など、1区~3区の前半区間で、TOP20入りするようなランナーがいたチームは軒並み高順位となりました。

Height Scoreで読み解く上位争いに食い込むための条件

始めに、TOP20にランクインするためには、各区で区間何位以上とることが目安になるか、2022年の出雲駅伝を参考に示します。

【Height Score区間別ランクイン人数 TOP20】

・1区:1人=区間賞のみ
・2区:1人=区間賞のみ
・3区:6人=区間6位以上
・4区:3人=区間3位以上
・5区:4人=区間4位以上
・6区:5人=区間5位以上

【Height Score区間別ランクイン人数 TOP10】

・3区:4人=区間4位以上
・5区:1人=区間賞のみ
・6区:3人=区間3位以上
※未記載の区はランクイン者なし


【優勝するための条件】

優勝した駒澤大
・6人中5人がTOP20入り
・内訳はTOP5に2人、5位~10位に2人、10位~20位に1人

2位だった國學院大
・TOP20入りは4人
・内訳はTOP5に2人、10位=20位に2人

駒澤大と國学院大の成績から考察される優勝するための条件は、
・TOP20入りは5人
・内訳はTOP5に2人、5位~10位2人
以上の成績であると考えられます。


駒澤大は6人中5人がTOP20入り、短距離区間の2区までもランクインするほど全員が良い走りをして優勝しました。

國学院大はTOP5入り2人がチームを引っ張り準優勝。TOP10 にもう1人か2人入るランナーが出てくれば優勝も狙えたと考えられます。
スコア全体20位・3区6位だった平林選手が区間4位以上で、全体15位・5区4位だった藤本選手が区間賞であれば、TOP10に入ることができ、優勝も狙える位置でした。今年はTOP10入りが出てくることを期待したいと思います。


【3位以上になるための条件】

2位だった國學院大(再掲載)
・TOP20入りは4人
・内訳はTOP5に2人、10位~20位に2人

3位だった中央大
・TOP20入りは4人
・内訳は10位、11位~20位に3人

4位だった青学大
・TOP20入りは2人
・内訳はTOP10に2人


國学院大と中央大の成績から考察される1位~2位争いをするための条件は、
・TOP20入りは4人
・内訳はTOP10に2人、10位~20位に2人
以上の成績であると考えられます。

中央大と青学大の成績から考察される3位以上になるための条件は、
・TOP20入りは3人
・内訳はTOP10に1人、10位~20位に2人
以上の成績であると考えられます。

中央大は國學院と同じ4人がランクインしました。しかし最高順位が6区吉居駿恭選手の10位。國學院大は伊地知選手が2位、中西選手が4位とTOP5が2人いました。TOP5入りが1人か2人出ると中央大も1位2位争いに参戦できたと考えられます。3~5区で区間賞、6区は区間2位以上がTOP5の条件になりそうですが、今年はTOP5を狙える選手が出てくるか期待したいと思います。

青学大はTOP20圏内に2人とランクインした人数は少ないですが、標準偏差が1位の3区と2位の6区の差のつきやすい2区間で、高さ値は3区近藤選手が7位、6区中村選手が10位と要所を締めることができて4位になれたと考えられます。

ちなみに総合5位の順天堂大は異質でした。TOP20入りの人数が、総合6位の創価大は2人、総合7位の法政大も2人にも関わらず、順天堂大は0人。ここでTOP30にまで目を向けると3人がランクイン。全員が大きく遅れることなく(大きくタイムを伸ばすこともなく)繋ぐという勝ち方もあるということを見せてくれました。


それでは各指標の振り返りに戻ります。

Slope Score 傾斜値

Slope Score TOP20は以下になります。

Slope Score TOP20

1キロ当たりに換算した貢献度。全区間1キロだったら誰が1番チームに貢献したことになるかを評価していて、短距離区間の選手の走りにフォーカスがあたる指標です。

4区区間賞の國學院大中西選手が2位と2ポイント差をつけ1位。順天堂大2区三浦選手のチームの順位を浮上させた好走は全体11位の評価です。

中央大は1区2区4区5区がランクイン。5区溜池選手が5位。高さ値は6区吉居駿恭選手の10位でしたが、傾斜値で見ると短・中距離で結果を残して総合3位となったと言えます。また、法政大はレース中盤3区4区5区がきっちりランクインできたことがチームを上位に押し上げる一因となりました。


Area Score 面積値

Area Score TOP20は以下になります。

Area Score TOP20

良い走りを長い距離走る、走りの良さと距離両方に目を向けた指標です。長距離区間の選手がランクインしやすいです。

駒澤大6区鈴木選手が1位、國學院大6区伊地知選手が2位、創価大3区ムルワ選手が3位となりました。青学大と東国大は長距離区間の3区と6区がしっかりと走れていたことがわかります。

3区と6区は両方ランクインかつ3区と6区以外が1人以上ランクインしているのが駒澤大、國學院大、中央大の3校でしたので、1~3位になるにはこの面積値の基準も上位争いのための条件となりそうでうす。

3区と6区はともに区間7位以上がTOP20入りの目安。3区と6区以外で面積値ランキングTOP20入りするには、1区区間2位以上、4区区間賞、5区区間3位以上が目安になります。

箱根駅伝と違い区間ごとに距離が変わる出雲駅伝と全日本大学駅伝は、引き続き傾斜値と面積値もウオッチする必要がありそうです。


最重要区間は○区

私の考える出雲駅伝最重要区間は3区です。以下に2つ理由を記載します。
①差のつきやすさと順位変動の多さ
②1区2区での区間賞級の走りは、3区では区間6以上に相当する

①差のつきやすさと順位変動の多さ

標準偏差と平均順位変動

標準偏差は全6区間中1位。6区は8.5キロ、10区は10.2キロと2キロ弱6区の方が短い区間です。距離が長い方が差が広がっていくので標準偏差は大きくなるのですが、3区の方が標準偏差が大きいという結果になりました。平均順位変動は前半の区間のため2番目。一番差がつきやすく(=大成功も大失敗もありえる)、順位変動が大きい区間が出雲駅伝の3区です。3区で他チームを大きく突き放したり、大きく追い上げたりできると上位争いへ近づきます。

標準偏差と平均順位変動って何?という方は、こちらの記事の後半「ポイントとなる区間は?」で解説していますので参考にしてください。


②1区2区での区間賞級の走りは、3区では区間6以上に相当する

中央大1区吉居大和選手、駒澤大2区佐藤選手、駒澤大3区田澤選手、青学大3区近藤選手、法政大3区内田選手、東国大3区丹所選手、國學院大3区平林選手など、1区~3区の前半区間で、高さ値TOP20入りするようなランナーがいたチームは軒並み高順位となりました。

と先述しました。

1区2区は距離が短く差のつきにくい区間のため、高さ値TOP20にランクインするのは、長距離区間の3区よりもハードルが高く、よほどの走りをしないとランクインできません。(実際2022年出雲駅伝は1区区間賞の中央大吉居大和選手、2区区間賞の駒澤大佐藤選手がランクインし、区間2位以下はランクインできていない。)しかし、3区は長距離で差がつきやすい区間のため、TOP20にランクインするチャンスです。

高さ値は平均的なランナーよりどれだけ貯金を作れたかの指標です。1区2区はTOP20にランクインしづらい=スコアが伸びづらい=大きく貯金を作りづらい。反対に3区はTOP20にランクインしやすい=スコアが伸ばしやすい=他チームを大きく突き放したり、大きく追い上げたりできるチャンスという意味です。

もちろん1区2区の走りも重要ですが、1区2区で区間賞を取る水準の貯金を、3区では区間6位以上でもたらすことができます。この絶好の3区は落としてはならない区間と言えます。

※中央大や順天堂大は3区のランナーがTOP20にランクインしていませんが総合上位を獲得しています。これは3区以外の区間がかなり良かったことが勝因です。3区でとるのが王道ですが、こういう勝ち方もあることは留意点です。


まとめ

今回の記事のまとめに入ります。

【Hight Score 高さ値】
・高さ値1位は駒澤大6区鈴木選手
・1区~3区の前半区間で、TOP20入りするようなランナーがいたチームは軒並み高順位

【Height Scoreで読み解く上位争いに食い込むための条件】
優勝するための条件は、
・TOP20入りは5人
・内訳はTOP5に2人、5位~10位2人
以上の成績

3位以上になるための条件は、
・TOP20入りは3人
・内訳はTOP10に1人、10位~20位に2人
以上の成績

【Slope Score 傾斜値】
・傾斜値1位は國學院4区中西選手
・中央大は1区2区4区5区がランクイン
・法政大は3区4区5区がランクイン
・この2校は中盤の短・中距離区間で結果を残して上位になった。

【Area Score 面積値】
・面積値1位は駒澤大6区鈴木選手
・青学大と東国大は長距離区間の3区と6区がしっかりと走れていた。
・3区と6区は両方ランクインかつ3区と6区以外が1人以上ランクインしているのが駒澤大、國學院大、中央大の3校
・これも上位への条件と言える。

【最重要区間は○区】
最重要区間は3区
理由は2つ。
①差のつきやすさと順位変動の多さ
②1区2区での区間賞級の走りは、3区では区間6以上に相当する



以上が本記事の内容になります。


引き続きnoteでは、ひと目でわかるようデータを見える化して駅伝の振り返りを行っていきます。

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本記事を読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

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