『Yuukyuu !!』

　久々に有給休暇というものをまともに取得した。転職後、有休の権利を得てから行きたかったライブのために有休を取ったはずがコロナに感染し、結果的に療養のための有休となってしまった。ちなみにその後にも午後半休を一度取得したが、それもコロナで仕事を休んだ期間の傷病手当の申請のためだった。しかもその時期には管理ポジションに就くことになったので業務量及び責任が増してしまい、気づいたら有休が取りづらい立ち場になってしまったのだ。よって、傍若無人に有休を取得しようものなら因果応報、結局自分自身の首を絞めかねないのである。
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　しかし、どうしても観たいライブが金曜日にあり、事前にチケットを取っておいて自分自身を追い込み「もし可能ならお休みをいただきたいのですが……」と口では言っておきながら手には記入済みの申請書を握り締めて、二週間前には課長の元へ。そんな勇んでいたこちらとは裏腹に課長は「いいよ」の二つ返事。しかし、やはり慣れないことはするべきではないのか、有休前日はトラブル続きで結局引き継ぎを終えたのは二十二時頃だった。
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　有休当日は朝から前日にしでかした大ミスの防止対策を悶々と考え込んでしまう。しかし「休みに何やっとるんじゃー！」と思い直して台所に溜まった三日分の洗い物をフルシカトし、せめてもの罪滅ぼしで洗濯機だけ回して気晴らしにコメダへ向かったわけであるが、早速その平日の店内の空き具合に「有休取っとるんだなぁ」としみじみ実感する。珈琲を飲みながら読みかけの本も読了できて、すっかりご満悦。朝から降っているにわか雨さえ、もはやこの有休のちょっとした演出のように思い始めているご都合主義全開。
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　しかしそれも束の間、結局家事を終えてからライブへ出かけるまでＷｏｒｄで既出の防止対策をまとめてしまったのであるが、それもまたライブでの涙腺崩壊に繋がる一つのファクターと化したに過ぎなかったのだった。
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文・ひとくちギョウザ