ナルト×考察:“推論の梯子”〜分析の天才!カカシの洞察力〜【Ep23】
こんにちは、ひとかどさんです。
前回紹介した”推論のはしご”はいかがでしたでしょうか。
これについて、組織マネージメントにおいても、”推論のはしご”を一気に駆け上るのではなく、「ゆっくり登る」ことで自らの意味付け(解釈)を検証しながら推論を組み立てることがいかに重要か、よくわかる記事を読ませていただきましたました!まとめ方も要点を押さえていて、すごくいいなと思いました!
さて、今回は、”推論のはしご”をより深く理解するために、漫画『NARUTO』より、ガイ先生曰く「分析にかけてはお前の右に出る奴はいない」カカシ先生に登場してもらい、分析の達人がどのように推論を組み立てているかを考えてみたいと思います。
前回の振り返り
前回、【他人に気付く】ための「気遣い」という文脈で紹介した推論。
推論とは、データ収集・経験→観察→フィルター(データ選別)→意味付け→仮定→結論→行動基準に採用→行動という8つのステップをはしごのように登って組み立てていくもので、これが“推論のはしご”という理論です。
「既知の情報から未知のことを推し量る」という意味の「推論」は、「気遣い」だけでなく、「洞察力」という文脈でも有効に機能します。
それが非常に上手いのが、漫画『NARUTO』に登場するカカシなのです。
そこで、忍界大戦編の象徴的なシーンから、分析の天才・カカシの洞察力を“推論のはしご“を踏まえて、考察してみたいと思います。
場面紹介
今回考察する場面は、忍界大戦編で、カカシ先生がナルトやガイ先生などと協力して、暁のメンバーの1人「仮面の男(トビ)」と戦う場面です。
トビの能力は「攻撃をすり抜け、触れた相手を吸い込む」というものです。
したがって、どんなに強力な攻撃をしても、相手に当たらず、全てすり抜けてしまうので、この能力を解明しなければ、トビには勝てない…そこでカカシの分析力の出番です!
では、カカシ先生はどのように洞察力を発揮したのでしょうか?
カカシ先生の”推論のはしご”
いくら攻撃してもすり抜けるトビの能力に、カカシが攻略の糸口を見つけたのは、ある出来事を「経験(1段目のはしご)」したことでした。
その「ある出来事」とは、ナルトとトビが打ち合っている最中、自分がトビに向かって投げたクナイがナルトに当たりそうになったため、カカシの万華鏡写輪眼の能力(神威と呼ばれる能力)で異空間に飛ばしたところ、時同じくして、ナルトの攻撃をすり抜けてかわしたトビの仮面に鋭利な傷跡がついたという事象です。
この事象をデータ収集したカカシの中で、推論が組み立てられていきます。
カカシの中では、これまでの戦いで起きたことを改めて思い返し(「観察(2段目のはしご)」)、例外と思われる余計な情報(=ノイズ)は「フィルター」にかけデータを選別(3段目のはしご)し、それによって考えられるストーリーを意味付け(4段目のはしご)し、仮説(5段目のはしご)を導きます。
その後、「考えてばかりいてもしかたないね…」と言い、自分の推論に結論を出し(6段目のはしご)、行動基準に採用し(7段目のはしご)、ナルト達に協力を求めて行動を起こします(8段目のはしご)。
それは、ナルトがトビに攻撃を仕掛け、トビがナルトの攻撃をかわそうとすり抜けるタイミングに合わせて、トビに気づかれないようにナルトの攻撃を神威で異空間に飛ばすこと。
すると、ナルトの攻撃がクリティカル・ヒット!
これがトビに初めて与えたダメージになったのですーー。
終わりに
やはり、経験した事象を元にこれまでの自分が抱いていた考え方や解釈を疑い、今一度、推論を組み立て直すことが、カカシが「分析の天才」と言われる所以でしょう(これは、前回紹介した「アクション・ループ」ですね)。
いかがでしたでしょうか?
推論を正確に組み立てるのは難しいことですが、これができることは「気遣い」や「洞察」にも繋がる、非常に強い武器になるでしょう。
その際に、“推論のはしご“という理論があることが参考になれば幸いです。
【参考文献】
『NARUTO』巻ノ六十二 皹
『NARUTO』巻ノ六十三 夢の世界
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