ワンピース×考察:ルフィの説得のされ方を”精緻化見込みモデル”で考える【Ep25】
こんにちは、ひとかどさんです。
前回の”精緻化見込みモデル”はいかがでしたか?
今回は、このアイディアをより深く理解するために、漫画『ONE PIECE』から「ルフィの説得のされ方2パターン」を紹介したいと思います。
前回の振り返り
説得のされ方は、「動機」と「処理アプローチ」という2つの要素から2パターンに分類され、1つは「周辺ルート」と呼ばれ、説得の持続性は低く(意見が変わりやすい)、もう一つは「中心ルート」と呼ばれ、説得の持続性が高い(意見が変わりにくい)というものでした。
ルフィの説得のされ方パターン1:「ジャヤ舵いっぱ〜い」のシーン
冒険の途中、空島へ行くための情報を集めようと「ジャヤ」という島へ立ち寄ろうとしたルフィ一行。
その時の航海の方法で、意見がコロコロ変わるルフィは、まさに「周辺ルート」で説得されていたと言えるでしょう。
この場合、「動機(その話への興味や、聞く時間があるか)」はそれなりにあったようですが、いかんせん「処理アプローチ」が低すぎたのです。
つまり、表面的な情報から物事を判断していたことになります。
ウソップとナミとの間で行われる会話から、コロコロ意見が変わるルフィは、相手の話を表面的にしか受け取っておらず(低い処理アプローチ)、「周辺ルート」を通って説得されている好例かと思います。
ルフィの説得のされ方パターン2:「うん、ごめん!おれ間違ってた」のシーン
一方で、ルフィが「中心ルート」で説得された事例、それが、ドラム王国上陸時です。
ナミが高熱を出し、近くの島に上陸することにしたルフィ一行。
しかし、上陸に際し、海賊であるルフィ達は、国民から銃を向けられ上陸を阻まれます。
その際、国民が打った銃弾がビビの腕をかすめたことで、国民に対する怒りを露わにしたルフィに対して「戦わない」ことを説得することを試みるビビ。
この時のルフィは、「動機」も「処理アプローチ」も高かった、つまり、ビビの言葉を、深く理解し、自分の中に落とし込んでいたと考えられます。
この時のビビの説得効果が持続的だったことは、その後、女人国「アマゾン・リリー」にて、ルフィがマーガレットを助けた際に証明されています。
相手と揉めることは短絡的な方法であって、世の中、まさに「無茶をすれば全てが片付くとは限らない」のですよね。
ウィスキーピークからアラバスタまでの短い航海ではありましたが、ルフィはビビから学ぶことは多かったことでしょう。
【参考資料】
『ONE PIECE』巻十五 “まっすぐ!!!”
『ONE PIECE』巻二十四 “人の夢”
『ONE PIECE』巻五十三 “王の資質”
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