DRMの話-あとがきにかえて

(前の記事)PC上での動画の長期保存について

これでだいたい自分が今やっていることについて、書きたいことは書きました。

このマガジンは、基本的に「10年以上前にRDでアナログ録画していた番組をPCに持っていっていつでも再生できてハッピー」なオタクライフを満喫したい方々のために書きました。誰とは言いませんが僕の友人で貴重な録画VHSやDVD-RAMを山積みにしている人は今すぐ着手しなさい、という気持ちを強く込めています。

ところで、これはやはり改めて触れておきたいのですが、20年前の僕らがRD-X1にとびついて、かつ自分で録画した番組を自由自在に加工してDVD-RAMに保存する生活をエンジョイできていたのは、これは当時の地上波TVのアナログ放送というものにはDRMがかかっていなかったから可能であったことでした。ちなみにこれは、録画したものを他人に譲渡などしない限りはまったくの合法です。

実際は「録画し損ねた番組を友達にあげる」ことなども普通に行われていたのですが、別にそれをネットで一般に公開したり赤の他人に売ろうとしない限りは、私的利用の延長として普通に公然のことだったというのが自分の理解です。その是非はともかく。

しかし2011年から地上波TVがデジタルに移行すると同時に、録画したコンテンツにはDRM(コピーワンスやダビング10)がかけられているので、このような操作自体が基本的に不可能になりました。

余談ですが、地デジになった後で地デジ録画を編集してBD-REに保存する東芝の録画機器がRDの名を冠して発売されたので筆者も購入してみたのですが、中身が船井だったらしいのはまだしも、これが「RDの複雑な操作性」と「DRMによるガチガチの制限」が悪魔合体した、自由自在な編集ができるわけでもないのに使いにくいだけの残念な製品でした。率直に言ってシンプルに番組を管理して番組ごとにBD-REに保存できるだけの松下のDIGAの方が性能的にも数段マシな製品だったので、RDの時代は本当に終わったのだなと思いつつ、DIGAに乗り換えて現在に至ります。

地デジなどで録画したDRMつきの番組をBD-REを経由してPCに持っていくことは技術的に可能であることは分かっているのですが、現在の日本の法律ではたとえ私的利用の範囲であってもDRMを解除するだけで違法という状況なので、筆者はそれを自分で行っているとは明言しませんし、そのための具体的な方法をこのような記事で公開するつもりはありません。まあ俺の知り合いの劇画原作者は色々とこのへんのネタをつかんでいるようですので、もしかしたらいずれどこかのブログでこっそり公開されるのかもしれません。

ただその人に聞いた限りでは、とりあえず地デジの録画物をPCに取り込むのは、手間やコストが割に合わないので普通の人にはあんまりお勧めできないというようなことを言ってました。まあ端的に言ってSD画質でなくHD画質や4Kになるとデータ量が数倍~にはなるので、それだけ加工やら何やらの時間もかかるし、30分1クールの番組を保存するだけで千円とかいうコストになりますから、よっぽど好きな作品ででもなければ気軽には行えず、週に何十本も放映されるどうでもいいアニメ(大半は話題にもならず忘れ去られるもの)をそれでPC保存しまくるわけにもいくまい、という話でした。

この意味でも、このマガジンではHD録画については無視して、むかしSDで録画した番組、あるいはVHSやレーザーディスクから録画したものをRDを使用してPCに取り込んでエンジョイするための方法についてだけ、述べておきたいと思います。一応これで完結の予定ですが、ネタを思いついたら何か記事を追加するかもしれません。

(次の記事)RDで保存したDVD-Rの扱い

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