見出し画像

動画ファイルの分割

(前の記事)VROファイルをPC上で修復する


動画ファイル分割の必要性

実のところ、ここまでの作業で、当初の目的であった「過去にRDで録り貯めたDVD-RAMをPCに入れて再生可能にする」あるいは「VHSやレーザーディスクの動画をPCに入れて再生可能にする」という目的は達成できています。そういう意味ではここで話を終えても構いません

しかしながら、これではまだつまらないのです。
先の記事で述べたように、僕らは通常、1枚のDVD-RAMに複数の番組を録画していますが、それが1個のファイルになっていては、それを再生するだけでもいささか面倒であり、何よりもビデオライブラリーとして楽しくありません。つまり僕らが構築したいのはこういう↓ライブラリーではなく

画像1

こういう↓ライブラリーである筈なのです。

画像2

僕らはこれをしたかったからこそ、20年前に東芝のRD-X1にとびついて、以後はアナログ放送が廃止されるまで東芝機でせっせとDVD-RAMに番組を録画してきたのですから。

このような観点から、ここでは1個の動画ファイルを、番組ごとに分割した動画ファイルにするための方法について述べることにします。

もちろんそれなりに手間のかかる話ではありますが、仕事でなくこれが楽しくてやってるんだから別にいいんですよ!

1個の動画ファイルを番組ごとに分割する

動画の前後のゴミのカットや分割は「動画編集」の基本的な機能なので、これができない動画編集ソフトはないと思われます。
みなさまがすでに何らかの動画編集ソフトを使用しているのであれば、それを利用すれば良いと思われます。無料の動画編集ソフトもたくさんあります。

ただし目的が「動画編集」でなく「分割」だけであるのであれば、そのために特化したソフトがあり(無料)、自分はこれを使用することにしたので、ここではそれを紹介したいと思います。

Area61ムービーメーカーを使用する

具体的にはArea61 ムービーメーカーというソフトです。ダウンロードしてインストールすればただちに使用できると思います。

画像3

操作はだいたい見たままで、読み込んだファイルを再生させながら始点と終点のポイントを時間指定したうえで「区間内を切り出し」すればその部分の動画だけがファイル出力されます。かんたん。

GUIにさほど凝っておらず、たとえば「コマ送り」機能などはないので始点と終点は自分で数字を入れたうえで出力ファイルを確認してから確認(場合によっては数字を直して再出力)する必要がありますが、精度の高い編集を行うためにはこれでいいので、自分は満足しています。

まあ「コマ送り」機能があれば格段に操作性は上がるので、バージョンアップの折には期待したいとは思います(笑)。

数字で1/100秒単位まで指定できるのですが、そこまで細かい制御ができるわけではなく出力はフレーム単位になります。これはmpegの仕様でしょうから当然のことですね。別に問題はないと思います。

同じ理由で、狙った通りに出力されず、目的の動画を前後ぴったり合わせるためには数字を0.1秒とかそういう単位で変えて再出力、みたいなことも自分はやっていますが、そういうのを気にせずに前後1秒くらいは別の動画が入っていても別に構わない人なら、適当に前後を多めに指定してバサバサ指定すれば、それで十分だと思われます。まあ、私はこういうの気にするんで手間をかけているのですが(笑)。

あと時に意図しない範囲で切り出されることもあるんですが、まあその辺は慣れていただくとして。元ファイル自体は加工せずにコピーを切り出せるので、何度でも試せばいいと思っています。レッツトライ。

番組ごとに分割ファイルを作成してそれぞれに名前をつけたら、それで作業は終了です。もとの1個のファイルは捨ててしまっていいと思います。

RD上でファイルを分割する(2024/1/28全面改稿)

(2024/1/28追記)全面的に不要な作業だと判明したので全部書き直しました。

「後ろのほうの再生がうまくいかなくなる」のは、「チャプター分割の境目」とは無関係のようです。どうもこれは「長いファイルだと後ろのほうでコケる」だけの話で、これは長いファイル=ディスクの外周部にも記録、という意味でディスクの記録盤面に補正しきれない物理エラーが発生しているという話に見えます。案外とアナログ要素が残っている物理メディアの世界。

これはSPモード1時間くらい(DVD-RAMディスク半分くらい)のファイルを、チャプター結合をしてもしなくてもPCの取り込み結果にエラーは出なかったという実験を重ねたうえでの結論です。

我が家の試行の結果として、SPモード2時間近い(DVD-RAMディスク一杯)の場合にはかなりの確率でDVD-RAMにRDから書き込み時にエラーになるし、DVD-RAMからPCへの読み込みでもエラーになるし、結果ファイルをPC上で再生するとエラーになるケースがそこそこあってうんざりしていたんですが、これをSPモード1時間超くらい(DVD-RAMディスク半分)を目安にして分割コピーするようにすると、DVD-RAMへの読み書きエラーが激減したし結果ファイルもなんの問題もなく最後まで再生できたというのを重ねて確認できたためです。

ファイル自体は別にわざわざ「チャプター結合」で統合する必要はないし、ましてわざわざ「放送1話ごと」に分ける必要はありません
その手の分割作業は今はRDで頑張るよりPCの編集ソフトを使ったほうが普通に楽で速く精度の高い作業ができるので、そうすべきでもありません。

単純にVHSで録画した内容をRDに「かんたんダビング」した場合には、それは2時間~6時間の1個のファイルになると思いますので、それはRDの設定でHDD側をSPモードにしているならば(僕はそうしています)1時間=ディスク半分になりますので、それを適当にプレイリストで1時間を目安に分割してから、それを1個ずつDVD-RAM経由でPCに送れば終了です。

さらに、実は、これまでとは根本的に異なるアプローチも可能です。
すでに述べたように、一連の問題は「RD上で1枚のDVD-RAMディスクに対して複数の番組を録画した場合、それはRDで見る限り複数の番組のように見えるものの、物理的には1個のファイルVR_MOVIE.VROに連続して記録されており、RDでは(おそらく独自の仕様も含め)それをチャプター分けして扱っている」ためであるためと推定しています。

それをどのように修復するかについては、ここまでですでに述べました。

従って、この問題は「RDからDVD-RAMに高速コピーする際に、複数の番組をいちどに入れないでRDで1番組だけを選んでDVD-RAMに高速コピーする」ことで回避することが可能です。そのようにすることで、これまで述べた方法でDVD-RAMからPCに取り込めば、その番組だけが1個のVR_MOVIE.VROとして再生可能な状態になりますので、ファイル名や拡張子を変えればそれでおしまいで、なんの問題もありません。

実は以前「VHSから直接DVD-RAMにコピーするのではなく、いったんVHSからHDDにコピーしたほうが良い」としたもう一つの大きな理由はコレなのでした。

そしてRD上で編集を行う限り、長い動画ファイルをコマ送りをしつつ「チャプター分割」をするのは、とても平易な作業です。まあ「チャプター1個だけを空白のDVD-RAMに高速コピーして、そのDVD-RAMディスクをPCに読ませてVR_MOVIE.VROファイルだけをPCにコピー。終わったら再度RD上でDVD-RAMディスクの番組を消去したうえ、次のチャプターをコピー」するのは割と手間ではあるのですが(笑)、先に述べた「Area61ムービーメーカー」で自分で細かく数字を指定して再出力して確認、よりは楽ですかね。これは完全にRDで切り出した通りのフレーム単位の動画をPCで再生できるようになりますし。

DVD-RAMディスクを2枚用意して、入れ替えつつ交互に作業をすると楽です。

「これから新規にVHSテープやレーザーディスクなどをRDを経由してPCに持っていく」ひとは、この方法をお勧めいたします。

改めてRDでファイルを1個ずつ扱う

(2021/9/25追記)

基本的には、本章で述べた方法により、すでに手元に録画済のDVD-RAMがある場合には、これを直接PCのドライブに突っ込んでVR_MOVIE.VROファイルをコピーしたうえでPC上で必要な修復するのが、一番お手軽な方法です。

ただし筆者がこれまで試した限りでは、この方法では複数の番組を1個のVR_MOVIE.VROファイルに収めているようなものは、現状ではPC上でどう頑張っても修復できないケースが発生することが分かりました。2番組目以降を正しく認識せず、終わりまで全部をエンコードも再生も修復もできず分割できない事態が発生し、この場合、2番組以降が実質失われます。

後悔したくなければ、もとのDVD-RAMを捨てるのはPC上での全部の番組の再生を確認できてからにしましょう。

このような場合には、面倒ではありますが、まずはそのDVD-RAMをRDに突っ込んで全部の番組をHDDに高速コピーしたうえで、改めて別のDVD-RAMに1番組だけをコピーして、そのDVD-RAMをPCに入れてVR_MOVIE.VROファイル(1番組だけが入っている)をPCにコピーする作業を繰り返しましょう。

この場合、そのVR_MOVIE.VROは修復や再エンコードの必要もなく、もちろん分割の必要もなく境目でエラーにもならず、1番組のファイル名を変えるだけで済みますので、あるいはむしろディスク交換の手間はかかりますが、最初からこのアプローチにすべきかもしれません。

ただRDはDVD-RAMユニットが脆弱(たいていの故障はここで発生する)なので、必要でなければDVD-RAMに負荷をかけるこのアプローチを常に行うのは抵抗があるかもしれません。

筆者の場合は、最初に「まるごとPCにコピーして分割」がうまくいかなかったDVD-RAMについて、現在この処理を進めています。

VR_MOVIE.IFOファイルも移行完了まで残しておく

(2021/9/26追記)

これまで述べたように、基本的にはRDで録画した動画データはVR_MOVIE.VROファイルであり、このファイルをPC上で処理することで動画の復元は可能です。

しかしながら、時にVR_MOVIE.VROからの修復に失敗することがあり、その場合にはRD側で番組を分割したくなるかもしれません。ただしこの場合には、同じフォルダのVR_MOVIE.IFOファイルも一緒にしてやらないと、RDで正しく番組を解釈してくれず、分割作業などはできません。

このことから「とりあえずDVD-RAMからPCにファイルをコピーしておく」作業を行いたい場合には、VR_MOVIE.VROだけでなくVR_MOVIE.IFOファイルも一緒にPCにコピーしておきましょう。そうすれば将来的にVR_MOVIE.VROの修復に失敗しても、最悪、その2つのファイルをRDで初期化したDVD-RAMディスクに上書きコピーで書き戻したした後でRDで処理を行えます。

最終的に全部の番組のサルベージに成功してからVR_MOVIE.IFOファイルは捨てるようにしましょう。

以上です。レッツトライ。

(次の記事)PC上での動画の長期保存について

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?