お酒好き？好きじゃない？

20ページ目、20といえばハタチの頃、自分はお酒らあまり飲めないと思っていた。

それなのに出身地を言ったら、絶対に飲めるはずだと生中を目の前に置かれてしまった。よせばいいのに真面目に飲んだ。泡の部分を飲んだら天井が回った。

生中を置いた人が慌てた。生中が回収されてカシスオレンジが置かれた。お酒と知らずちびちび飲んだ。これは飲めた。

美味しいジュースだな、でもさっきのビールで、頭がふわふわするなと思いながら飲み切った。そりゃふわふわするさ。これもお酒だものと気づいたのは数日後。

以後お酒は怖い、人も怖いと、極力宴席には近づかないようになった。

ところが一年後、なぜか突然飲めるようになっていた。もう美味しくて美味しくて。あれやこれやと飲んだ。ビールもワインもチューハイもみんな美味しかった。ウイスキーと日本酒はまだよく分からなかったけれど。

その後は、飲んだり飲まなかったり。けれど飲む時は美味しくて楽しいから飲んでいた。日本酒は一瞬分かりかけたあと、分からなくなったけれど。ウィスキーもハイボールが美味しいなと思うようになっていった。

お酒を飲むことが楽しくて嬉しかった。

けれどここ数年は、楽しいや嬉しいよりも、寝落ちするために飲んだり、酔って次の日苦しめばいいと、自分に意地悪をするために飲んでいることに気づいた。

だからお酒を何度かやめた。

3ヶ月やめた後、飲みたくて飲みたくて我慢できなくなって飲んだ。4ヶ月程、飲んだりやめたりを繰り返していたら、意地悪するための飲み方をし始めたのでやめた。

そこから4ヶ月やめたら、また飲みたい気持ちが溢れてきた。1ヶ月ぽつぽつ飲んでみたら、意地悪な飲み方に早々なったのでやめた。

最後に飲んでもうすぐ半年。美味しそうだから飲んでみたいいう気持ちはいつの間にか消えて、お酒の新商品を見てもなにも思わなくなった。

それなのに寝落ちするために飲まない？次の日苦しむために飲んだら？そんな意地悪な自分が、最近また顔まわりで時々囁いてくる。

困ったな、困ったな。そんな飲み方は楽しくも嬉しくもない。あとから後悔するだけ。だから飲まない。いくら言っても買っちまえ、開けちまえと囁く意地悪なわたしの声が時々聞こえる。

いやだなぁ。負けないぞ、飲まないぞ。美味しそうだと思って楽しく飲む日まで絶対に飲まないぞ。

禁酒のままか、断酒になるのかまだ分からない。
出来ればこれは禁酒で、いつの日かまた楽しく美味しくお酒を飲めるようになりたい。

楽しく飲めるまで飲まないぞ。自分に意地悪な飲み方はしないんだ。

ハタチのならぬ、20ページ目の誓いでした。