映画で英会話#6  アメリカン・スナイパー American Sniper(2014)

このシリーズでは映画のレビューをしながら、使える英語表現を紹介します

この映画が実話に基づいていると、見終わってから知り、衝撃でした。
クリント・イーストウッドの丁寧な描写、音楽、本当に好きです。

ブラッドリー・クーパー演じるクリス・カイルは実在した狙撃手で、結末は言えないのですが、”クリス・カイル”で検索すると、彼に実際何が起きたかがわかります。私がアメリカにいたとき、学校の授業料のために軍に入り、イラクに行ったことがあるという男性と知り合いました。とても人当たりがよく、日本に興味があるということで仲良くなったのですが、彼との交流が増えるについて違和感を感じるようになりました。その違和感とは、感情の起伏の激しさ。すごく楽しくて優しい人だな、って思っていたら、数分後には些細なことで急に怒り出す、みたいなことがありました。そのことについて彼に聞いたことがあるのですが、彼が言うには、戦争に行ってから頭の中がおかしくなってしまったような気がする、ということでした。

アメリカには、彼のように、大学の授業料のために軍に入隊する若い人たちがいます。彼らは人殺しがしたいとか、バイオレンスな人というわけではないです。それでも、戦争を経験してしまうと、やはり安全な母国に帰ってきても、苦しみは続くんだな、と思いました。

それでは、映画のワンシーンの会話です。
クリスが初めて未来の妻となるタヤが、バーでほかの既婚の男性に声を掛けられ、その男性を突き返した直後のシーンです。

Chris: Maybe the leather pants.
そのレザーパンツのせいかもな。

Taya: Oh,yeah?
         What kind of pants do the girls have to wear to be left alone(*1)?

あら、そう?
どんなズボンをはいたら、女性は一人でいられるのかしら?

Chris: Maybe corduroy.
コーデュロイとか。

Taya: Is that how it is with you guys?
         Like, suddenly single after three beers?

男性ってそういうものなの?
ビールを3杯飲んだら、急に独身になれるの?

Chris: Well(*2), I'm not.  After three beers, I would get fourth.
俺は違う。3倍飲んだら、4杯目にいく。

Taya: That's great(*3).  That's great.  Real redneck(*4).
素晴らしいわね。本物の田舎者ね。

Chris: I'm not redneck.  I'm from Texas.
俺は田舎者じゃない。テキサス出身だ。

Taya: What's the difference?
何が違うの?

Chris: Well, we ride horses and they ride their cousins.
俺たちは馬に乗って、奴らはいとこに乗る(性的な意味)

*1 left alone
「ひとりにしておく」という意味で、よく使います。
「私のことはほっといて」と言うときは、"leave me alone"となり、この"me"の部分を一人にさせたい人に変えて使います。

*2 well,,
会話の最初に使うことによって、考える時間を作ることができます。
「あの~、そうだね、、、」みたいな感じかな?

*3 that's great
これは本当に素晴らしいと思って言っているわけではなく、完全に皮肉です。アメリカ人は皮肉が大好きで、よく会話で皮肉を言います。私は、この皮肉の文化がなかなか理解できず、よくアメリカ人の友達にからかわれていました、、、。

*4 redneck
「労働者」「田舎者」「視野の狭い」などという意味で、よくない意味で使います。

タヤは嫌みたっぷりですが、2人ともテンポよく会話をし、タヤの嫌味にも、ユーモアを交えて答えるところが、クリスの賢さを感じますね。

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