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ビルを利用するすべての人に”スマートなおもてなし”を〜DX事例26_株式会社日立ビルシステム〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は建築でも不動産会社でもなく、ビルメンテナンスの分野からです。エレベーターやエスカレータの制作やビル管理のサービスを提供する、株式会社日立ビルシステムのビルメンテナンスDXとなります。


”スマートなおもてなし”を支えるDXの技術とは?

冒頭にも話したとおり、日立ビルシステムはエレベータ・エスカレータを制作する会社です。付随して、ビルの全般的なメンテナンスサービスも提供しており、エレベータの運転状況や施設内の情報を組み合わせることで下記のサービスを実現しています。

①立ち止まらずに体温測定。サーマルカメラによる自動検温
いきなりビル”メンテナンス”とはかけ離れるかもしれません。

日立ビルシステムはサーマルカメラによる検温サービスを提供しています。このサーマルカメラは、AIで顔認識を行った後に検温を行います。この顔認識により検温者を追従することができるため、測定するための専任者が不要で、自動化できること。歩きながらの測定や、ホットコーヒーなどの温かい飲み物を手に持っていても誤検知することが無いというメリットがあります。検温測定における無人化や、人混みの発生を抑えることができ、三密の状態を発生させないことが可能です。

②エレベーターの搭乗操作もタッチレス。顔認証でスムーズな移動
自社ビル等に入るとき、入館証を通して入場することも多いですが、今回のDXでは顔認証をすることで”入場後”も快適な移動が可能です。あらかじめ顔認証情報を登録しておくことで、入館ゲートはタッチレスで入場が可能になります。
さらに所属している執務室を登録しておくことで、エレベーターに乗るときの階数ボタンや執務室への入退室など、移動にかかる全ての操作が不要となります。

初めて入館するゲストの方でも、QRコードを読み取ることでエレベータの階数指定ができる”タッチレス”操作が可能です。まさに”顔パス”で目的地までスムーズに移動することができてしまいます。

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PRTimes「LINEでエレベーターを呼び出し!サイシード 、タッチレスエレベーター呼びサービスを日立ビルシステムと開発」より抜粋

③自然災害発生時のエレベーター稼働状況を統合管理。入居者への連絡もアプリで実施
上述した技術で使われている「誰がどこにいるか」、「エレベータの自動制御」という特徴は自然災害発生時においても有効に活用されます。
日立ビルシステムでは、地震発生時に10分ほどで全国拠点のエレベータの状態を把握し、全国約7500人のスタッフが被災地での復旧支援に当たれる体制を敷くことができるそうです。

その際、ビル管理者は自分のスマホ上で、エレベータの稼働状況や監視カメラの現場確認や、機器の制御を行うことができます。さらに入居者に対して復旧情報を通知し、Web上で閲覧することも可能です。

従来ならビル内の掲示板での掲載というアナログな手段が主流でしたが、これらの技術により、災害時の早期復旧や情報提供という”安心”をお客様にスピーディに提供することが可能になりました。

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経営戦略とDXの関連性について

日立ビルシステムが本体である日立の子会社ということもあり、日立の経営戦略と絡めて説明します。
日立は2020年3月期の統合報告書において、コロナ禍の情勢に対して社会イノベーション事業で貢献するという経営方針を打ち出しています。

その社会イノベーション事業では、社会の変化がもたらした3つのキーワード「リモート」「非接触」「自動化」をもとに、より”人間中心”のサービスを提供していきたいとあります。

日立は社会イノベーション技術を推進する核となるのは、デジタル技術の活用だとして、今後は全世界のお客様やパートナーとの「協創」しながらデジタル基盤を強化していくと謳っています。

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株式会社日立 統合報告書 2020(2020年3月期)より抜粋


まとめ

いかがでしたでしょうか?
経営戦略にもありましたが、今回ご紹介したDX技術はまさに「リモート」「非接触」「自動化」を体現した技術でしたね。日立ビルシステムの会社紹介でも「安全で安心、快適なビルにアップデートしていきたい」とありました。

今現在、私達の生活は「便利」という言葉と、「安全・安心」は近い意味になってきたと思います。便利なサービスを作っていけば、自ずと安全安心という付加価値がついてくるというわけです。ちょっと今までにはなかった考えだと思います。
そして、「便利」を創り出すのはITの得意分野です♪

ぜひ皆さんの会社でも「あったら便利なところはないか」という発想で、IT技術の活用を考えてみてくださいね。また次回の記事を楽しみにしていただければ幸いです。
タナショー


参考にさせていただいた情報
株式会社日立ビルシステムHP
https://www.hbs.co.jp/index.html
株式会社日立ビルシステム「Company Profile」
https://www.hbs.co.jp/hbs_pamphlet.pdf
株式会社日立製作所 統合報告書 2020(2020年3月期)
https://www.hitachi.co.jp/IR/library/integrated/2020/ar2020j_A4.pdf
BUILT Building×IT「日立のDXでもっと楽に確実に!ニューノーマルに順応するビル管理業務とは?」
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2102/03/news042.html
IoTnews「日立・日立ビルシステム、非接触の移動や生活を行うためのビル・マンション向けタッチレスソリューションを体系化」
https://iotnews.jp/archives/152715
PRTimes「LINEでエレベーターを呼び出し!サイシード 、タッチレスエレベーター呼びサービスを日立ビルシステムと開発」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000015946.html

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