見出し画像

コロナ状況化で厳しい花農家を救うSNSキャンペーン#flowerboostchallengeとは?~オランダで100万本以上の廃棄予定の花が救われた事例~

世界各地で、新型コロナウイルスの影響により、廃棄される花が増加しています。そんな花産業の損失を食い止るために、オランダを起点にあるSNSキャンペーンが各国に広がりました。

そのキャンペーンとは、 #flowerboostchallenge (フラワーブーストキャンペーン)というもので、このハッシュタグの付く投稿で指名を受けた人または企業は、お花屋さんまたは農家からお花を購入し、自分の周りの家族や友人、会社の同僚/社員にお花をプレゼントします。そして、そのお花をもらった人は、また#flowerboostchallengeを付けてSNSに投稿するとともに、次にお花をプレゼントしてほしい3つの対象(人または企業)を指名することで、多くの人々に広がる仕組みとなっています。

例えば、このキャンペーンの発案企業であり、オランダのポンプやバルブの製造会社「Van der Ende」社は、従業員のために1,000本のお花を贈りました。そして、同社は他に3つの企業を指名し、それらの企業からも新たにお花が購入されキャンペーンは広がっていきました。

結果、オランダの1,000社以上の企業がこのキャンペーンに参加、合計100万本以上の花を購入され人々に贈られるまでに拡大しました。また、最近ではベルギー、ドイツ、イギリス、カナダなどの企業にも波及し、コロナ状況化において最前線で戦っている医療従事者に花を贈り彼らを称えるようなムーブメントにまで発展しています。

オランダの協同組合で世界最大のオークションハウスであるロイヤルフローラホランドによると、花業界の毎週の売上高は例年より60%から70%も低く、全体の損失は20億ユーロ(18億円)以上になると推定されています。様々なイベントが中止となり、更に花の輸出量の高いオランダにとっては、特に花の供給停止は厳しい状態を生み出しているそうです。

それでも、素敵な取り組みによって花産業に良い影響を及ぼし、同時に多くのお花を救うためのムーブメントが起きたことは、ポジティブなことではないでしょうか。

この事例における3つの素晴らしい点

ひとつは、花業界以外のポンプやバルブの製造会社社員のアイディアが発端となり、拡大していったことでしょう。花産業の同業者であれば、目の前の状況改善に手がいっぱいで、こうしたアイディアにまで至らなかったかもしれません。その点で、厳しい状況下だからこそ、客観的な立場の人の意見に耳を傾け、実現まで繋げたことが成功のキーになったと考えられます。

ふたつめは、オランダの「花を人に贈る」という文化をうまく活かす事ができた点だと思います。日本では、近所の人に日常的に花を贈る習慣は、まだまだ根付いていませんが、この事例ではオランダの文化や習慣に寄り添った企画を行えた事が素晴らしい点です。

そして最後は、やはりハッシュタグを活用したSNSキャンペーンにしたことでしょう。こうした企画にしたことで、SNSを起点にキャンペーンの認知が広がっていくことで、参加者を大きく増やすことに成功しました。また、3人を指名していくルールのおかげで、自然と新しい人に広がっていく仕組みになっています。

日本でも、似た活動をしている例があります。(株)RINでは、ともに活動する#フラワーサイクルアンバサダーと一緒に考えたアイディアから、花農家が直接一般人に、コロナで行き場を失った花を販売できるプラットホームを構築し、現在約7万本の花を救う事が出来ました。アンバサダーと一緒に、一丸となってSNS上で発信していった事が結果のひとつだと考えられています。

筆者は、花農家よりバラをレスキュー(購入)しました。本来ならブライダルのブーケに使用される予定でしたが、コロナの影響で出荷キャンセルとなり、廃棄される予定だったバラをフラワーサイクリストとして新しい作品に蘇らせようと思っています。


今回は、悲しい現状を何とか改善しようとする人と、それに協力する人々の絆が、お花農家を救う一大ムーブメントまで発展した事例をご紹介しました。この気持ちを私自身も意識しながら終息までSTAY HOMEしたいと思います。

hitofula のご紹介

本物のお花のアクセサリーやインテリア商品を展開しています。お花のお役立ち情報をnoteで発信中。また、フラワーサイクリストとして、廃棄の花や一度使用した花を新たな作品に蘇らす活動を行っております。

インスタ:商品やお役立ち情報を発信しています。
公式ショップ:商品を掲載中です。
twitter:お花に関する情報をきままに発信中。
ラクマ:ロスフラワーを使用した作品を一部出店しています。


参考文献


写真引用元


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?