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【生活感想文】『群れ』での子育てのススメ

私には一人子供がいて比較的育てやすい子だとは思いますが、それでも子育てってこんなに大変なのか!と日々思っています。自分がマイペースで我儘なので、自分のペースを乱されまくる子育ては向いていないのでは、とも思っています。

でも少し考えるとこんなに密着して子育てをしているのは人類史上まだ2世代目なのでは?と気付きました。私の祖母の世代、昭和初期~戦後ぐらいまでは子供と言えば子供同士で朝から晩まで外で遊んでいて、私が一番辛いと思っていた乳幼児の子守りですらドラマなどで見る限り、子供が最初にやる仕事、子供ですらできる仕事なのですよね。

なのにどうしてこんなに辛いのか。

子供が小さな頃に私が一番辛かったのは一人になれない事。子供がいると常に何をしていても子供の気配が意識の隅にあります。神経を休める暇がありません。ほんの30分でいい、一人にさせてくれ、トイレぐらい一人で行かせてくれ、と思っていました。できれば子育て時間を残業ありで良いから7時~22時とか時間を限定して欲しい。(完全に仕事目線)

そうそうこの仕事目線も子育てを辛くする理由でした。今までやっていた仕事を辞めて子育てに入ったので、ノルマを達成したり正解がある仕事と同じに考えると誰からも認められない子育ては辛いばかり。子育てが家事と同じ生きていく生活の一部なのだ。正解も終わりもないのだ、と気付いたのはずいぶんとたってからの事でした。

その頃何人かのお母さん(2人でも良い)で何人かの子供を見ている時はとても楽だと気付きました。そうすると隙間隙間でみてもらう目があるので、ちょっと一人になれる時間ができるのです。たとえば一人でトイレに行くとか、目の前のお茶を入れる事に集中するとか。神経が休まる暇ができます。一人で一人育てるより何人かで何人かを育てる方がずっとずっと楽なのです。あ、これが『群れ』って事なのだわ、と思いました。ちょっと前まで人類が普通にやっていた事です。

『群れ』で子育てできなくなってしまった理由には個人主義と価値観の多様化があると思います。ゲームもたいしたお菓子もなく工夫して外遊びをしていた時代では誰でも似たような価値観だったと思いますが、今の子育ては個人個人でゲームの時間、お菓子の与え方、習い事、等々子供にどの程度何をさせるかの価値観が違い、そこが完全に一致するという事はまずありませんし、意外とそこは譲れないラインであったりもします。そうすると『群れ』で育てる、というのは難しくなってくるのですよね。。

個人主義を貫くあまり一人になれなくなってしまった親の皮肉。でも今起こっている子育て問題の多くは主たる養育者を一人にさせてあげる事、その人と子供だけにしない事で回避できる気がします。

もし今子育てが辛いと思っている方がこれを読んで下さっていたら、是非『群れ』の仲間を探してみて下さい。できればちょっと感覚の似ている方。でも小異には目をつぶりましょう。よく「ママ友」とか言われますが別に友達でなくても良いのです。仕事の同僚ぐらいに思って下さい。そうすれば色々割り切れますよね?その中から友達になる方も出てくるかもしれませんが、そうでなくても「子育て」という仕事上の付合いであれば数年で解消されます。

子供と親がこんなに密着して1対1で生活するのは、他の大型類人猿でもオランウータンのみ。
人類はまだとてもオランウータンの境地には達せそうにありません。

(ちなみにイラストを拝借したナマケモノも1対1子育てのようです。偉い!)

<追記>
最近見ていると、私が子育てしていた頃よりずっと沢山のお父さんが一人で乳幼児を連れている姿を見かけます。そういえばそれまで全然見なかったおじいちゃんと乳幼児も見かけますね。
男性陣も是非「群れ」で!

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