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カッコイイ大人たち。サッカーの審判員をやってよかったこと①

テレビをつけたら高校サッカーがやってました⚽️もうそんな時期なんですね。年末だ〜

私は高校、大学と女子サッカー部に所属していました。大学の時は大会の時に審判員もやらなければならないことが多いので、みんなで4級審判員の講習を受けにいくのが習わしでした。わたしももちろん受講。そこで講師の先生に素質があると見込まれて、本格的に審判員をやってみないかと誘われました。面白そう!と思った私は軽いノリで快諾したことがきっかけでサッカー審判員の世界に踏み込むことになりました。

サッカーの審判員は4級、3級、2級、女子1級、1級とあり、レベルによって担当できる大会が違います。4級はいわば講習さえ受ければ誰でもなれるようなものですが、3級以上はしっかりとルールを学び、実技試験も受けて合格しなければなることができません。

私は誘ってくれた講師の先生(以後、師匠と呼びます)のサッカー審判員養成講座に通うことになりました。2級(ゆくゆくは1級)を目指す人たちの集まりです。

師匠は現役1級のJリーグ担当、そして国際審判員もしている人でした。私もたいがいノリが軽いのですが、師匠も大阪出身でノリノリな人だったので、まさかこんなに凄い人だったなんて最初は正直驚きました。でも審判のこととなると、まさに真剣!そして自分に厳しく、他人にも厳しい。そのギャップがまた魅力的な人でした。

2級になるための勉強をしながら、実技も磨くために実際の試合で審判の仕事もたくさんしました。サッカーの審判は主審(笛をふく人)・副審2人(サイドで旗ふる人)・四審(交代管理とかする人)の4人一組で行います。どの試合を誰と組んで担当するかは師匠による采配なので、審判員をする中で色々な人に出会いました。

その中でも、社会人で審判員をしている人たちに私は興味深々でした。審判員って、みなさんはどういうイメージですか?私は正直、ファールとか判断するの怖いし(笛吹くのはめちゃくちゃ勇気いる)、ミスしたら文句言われて責任重大で嫌な役割だな〜と思っていました。こんなこと好き好んでやる人いるの?って。でも、暇を持て余した学生ならまだしも、社会人の皆さんは平日は仕事をして、残りの貴重な休日でわざわざサッカーの審判員をやっているのです。なぜそこまでして?

やっぱり「好き」だからなんです。私ももちろん、審判員の世界に入ってその面白さはよく分かりました(これはまた別で語りたい!)。そして、みんな本当にイキイキとして楽しそうなんです。逆にそうでない人は消えてゆく。いくつになっても、より良いパフォーマンスを目指して切磋琢磨しながら楽しんでいる。

本当にかっこいいなと思いました。私はなまじ要領がよかったために、大人を見下した可愛くない子供でした。でも審判員のみんな、特に師匠に出会うことができました。こんな風になりたい!と思えるカッコイイ大人たちに初めて出会ったのです。大人を見下していたけれど、本当は憧れることができる大人に出会いたかったんだと気づいた瞬間でもありました。

私は2級になりました。しかも県内唯一の女子の2級審判員。師匠にも周りにもとてもとても期待されていることは感じていました。でも、私には海の生き物の研究者になりたいという別の夢がありました。2級以上になると担当する試合は全国規模になり、地方への長期研修なども多くなります。両立は難しいと思いました。

でも、審判員のみんなを見てきたからこそ、自分の「好き」なことをまっすぐ突き詰めたいと思いました。審判員を辞めたらみんなをガッカリさせてしまうかもしれない、続けていればもっと上までいけるかもしれない。それでも私は審判員を辞めて大学院へ進学することを選びました。私もカッコイイ大人になりたかったから。

私はカッコイイ大人になれてるのかな?たくさん寄り道したけど、あの時の決断に後悔はまったくないし、今も自分の「好き」を大事に突き進んでいます。いくつになっても、より良いパフォーマンスを目指して楽しんでいくしかない。カッコイイかは自分が決めることじゃない。

でもカッコイイ大人で在りたいと、たまに審判員のみんなのことを思い出して励まされています。

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