見出し画像

「神降臨〜迷える子羊よ読め〜」連載1周年記念! 上野アキト×末次亮介 特別対談

ナレーターや表現に関わる様々な方のインタビューを連載してきた「神降臨〜迷える子羊よ読め〜」。2021年12月からスタートした本企画は読者の皆様に支えられ、1周年を迎えられました。(本当にありがとうございます)

今回は1周年を記念した特別企画!一緒にお仕事することが多いというCM企画・演出家の上野アキトさんと、サウンドデザイナーの末次亮介さんに「広告表現のこれからとナレーターへの想い」をテーマに対談していただきました。


上野アキト(うえの・アキト)/株式会社modoc所属。広告映像の企画と演出を中心に活動。 映像を中心に、広告キャンペーン全体の企画、web施策なども手掛けつつ、アニメーション、エンターテインメントコンテンツの企画や演出にも参加している。


末次亮介(すえつぐ・りょうすけ)/サウンドデザイナー。音楽・映像の総合ポスプロにて経験を積んだ後に独立。現在は広告映像をメインに活動。都内のスタジオを拠点に現場録音から音響効果、MIXまで音周りのトータルコーディネートを得意としている。仕事のモットーは「Faster, Smarter, More Creative」。


お二人の関係性


<末次さん→上野さん>

上野:最初のお付き合いが始まったのは2014年頃から。とあるCMナレーションの収録現場でご一緒しました。その頃僕はもう独立してたけど、末次さんはまだだったかなと。

末次:そうですね。その頃はまだ広告を多く手がけるポスプロに所属してました。上野さんのディレクションは分かりやすくて、ゴールを明確に共有してくださる。だから僕を含めそれぞれのスタッフが、それぞれの方法でゴールに向かって仕事ができます。ナレーターさんへのトークバックも明確だとそばで聞いていて感じます。明確な方向性がないとエンジニアリングがしづらいんです。

末次:僕は色々な監督さんとご一緒するんですが、ディレクションが良くないと「何か違う感じがするのでもう一回お願い!」とか、どんな表現を求めているのか分かりづらく、本来ディレクションで引き出さないといけない部分をナレーターに丸投げしてしまうのでナレーターさんが困ってしまう場合があります。そこで現場が混乱すると、同席したクライアントさんも不安に思ってしまう。でも、上野さんはその辺り含め的確に共有されていますし、しっかりと下準備をしてくださる方だと思います。

上野:そう言ってもらえるとうれしいです(笑)前回のインタビューでも話しましたが、「広告を受け取った人にどう思ってほしいか、どんなアクションを起こしてほしいか」がCM制作において一番大切なゴールだと思っています。関わる皆さんほとんどがプロフェッショナルなので細かい技術面はお任せするんですが、見えているゴールが一緒だと出来上がりは同じ目的に沿ったものになる。もちろん監督が責任を取る立場ではあるんですが、自分だけが意見を言える状況は避けたくて。初対面の時はなるべくゴールをシェアする時間を作って、目的を達成するためのアイデアをみんなからもらいます。

(過去の上野さん記事はこちら↓)


<上野さん→末次さん>

上野:僕はディレクターやCM監督として音関係のスタッフさんをキャスティングするとき、大体末次さんにお願いしています。2022年6月に開催したオンライン講義「CMナレ講」では、末次さんに声をかけてすぐに講義やボイスサンプル作りを手伝ってもらいました。普段でも最低月1回くらいで現場をご一緒していると思います。

上野:僕が末次さんを指名する理由は、聞く人の立場に立って音のことを考えてくれるから。プラス、ロケなどの収録から来てもらえるのが大きいです。そこから参加してもらえるサウンドデザイナーの方は意外と少ないので。末次さんの面白いところは、音の収録環境に適さない現場のとき。例えばエアコンが切れない場所とかで「これ切れないじゃないか…」とか小さく怒るところです(笑)表面だけのお付き合いじゃなく、仕上がりのことを常に考えてくれる。

末次:ノイズ気になりますから(笑)

上野:でもちゃんと言ってくれるっていうのは、出来上がりのことまで考えてくれている証拠ですよ。収録だけのお付き合いだったらノイズを気にしない人だっていると思うんで。

末次:ありがとうございます。ひとつ妥協しちゃうと他のカットとの整合性が取れなくなるので。基本ですが現場に入った時から完パケ(完成品)の仕上がりをイメージしながら音を録っています。

末次:僕は上野さんから指名が来ると、嬉しいのと同時に頭の中でこれまでのお仕事をおさらいするんです。監督によって「好みの音の傾向」があるんですが、上野さんの好みはどちらかというと、俳優さんの声を立たせつつ、衣擦れ音とか立ち上がり音とかのアンビエンス音(臨場感のある環境音)も同じ位大事にしている。それの扱いによって視聴者の感じ方はガラッと変わります。だから演出方針としては画の起承転結はもちろん、音だけでも聴かせられるかどうかの流れを重視されている気がします。

上野:実は僕のディレクターの師匠が10年くらい前に「音だけでも完成しているCMを作れ!」と口を酸っぱくして言ってたんです。だから末次さんにそう捉えてもらえているなら結構うれしいですね。テレビの視聴者は意外と画面を見てないことがあって、特にCMだとそれが顕著になります。画を見なくても、音だけでも成立する作りをしたいんです。

末次:監督さんによっては「環境音は一切いらないから、声だけにして」という方もいらっしゃいますから、好みは分かれます。

上野:でも僕、ナレーションのブレスは結構切りますよね?

末次:ああそうですね。確かに。多分セリフとか本編物だと「間」自体に色々な意味や表現が含まれることがあるんですけど。ナレーションの間自体にはほとんど意味はないんですよね。

上野:確かに。言葉だけを立てたいのかな。ナレーションは目的がはっきりあるので、きちんと言葉だけを聴かせていきたいんです。だから、エモーショナルな感情を読むナレーションではブレスや間は意識します。

上野:でもナレーション収録の現場にはクライアントさんや代理店さんがいるから、最終的には皆さんの意見を重視します。僕は正直、末次さんが技術的に何をやっているのか、細かく把握しているわけではないのですが…こちらの狙いを反映した音作りや技術的な提案をしてくれるし、完成までとことん付き合ってくれるので、本当にありがたい存在です。

(過去の末次さん記事はこちら↓)


2022年までの広告事情


上野:先ほど「音だけでも伝わるような映像作り」という話がありました。実はそれが今世の中的に顕著な動きになってるんです。みんな「ながら作業」をしていて画面を見ないから、音だけで伝わるように、というオーダーが特にテレビでは多いです。一方Youtube広告だとみんな音を聞かずにスキップしちゃうから「画だけで伝わるように」という真逆のオーダーがあることも。少し前まではあまり言葉を言わないのがカッコいい風潮がありましたが、最近のCMは情報量が増えてきた気がしています。

末次:あと最近のYouTube広告では、いわゆる有名声優さんのナレーションをよく聞く気がします。勝手に理由を想像するに、世界的に日本のアニメが流行っているから、昔よりも声優さんのバリューが増えてるのかも。タレントとか有名ナレーターよりも「みんなが知ってるキャラクター〇〇の声」の人にナレーションをしてもらう方が、耳を惹きつけられるのかなって思います。

上野:僕も、なんか二極化してきた印象が正直あって。まず「押しつけがましくないCM」をみんな作りたいから、ナチュラルな声や読み方が増えている。サブスク全盛のこの時代に、コンテンツの間に入ってくる「CM」は嫌われ者なんです。だから昔のような圧強めのCMだと、さらにその商品や広告に良い印象を持たれない。だから「押しつけがましくないCM」という形態が生まれて、ナチュラルな読み方だったり、まるで映像に出てくる俳優さんが喋ったかのようなナレーションだったりが増えてきている。

上野:それと対局的に、インスタントなCMも増えていて。画はシンプルだけど、めちゃくちゃナレーションを詰め込んでいるCM。これはWEBで増えている気がします。末次さんも「冒頭で全部!」とか言われません?

末次:ああ、ありますね。冒頭の5〜6秒にコピーが詰まっててめちゃくちゃ早口で読むとか。そこを過ぎたらCMがスキップされちゃうんで、そこに詰め込むという。

上野:冒頭を越すとゆっくり読みになったり。そういったWEB広告はナレーターさんの仕事が増える部分かもしれませんが、AIに取って代わられる可能性も否定できません。

上野:「ナレーターとしてちゃんと読む」「ナレーションの声が大事」という仕事は、先ほどの末次さんの話と被りますが、一定のネームバリューのある声優さんやナレーターさんに依頼される場合が多いと思います。実際現場では「有名声優のあの人っぽいナレーターさんを」という話しが出る事も。いざ声や読み方が似ているからといって、リピートにつながるかは別問題ですけどね。


2023年は〇〇が流行る!?


上野:ここ3年くらいコロナの影響で出来ることや表現内容が限られてたから、何となく新しいクリエイティブ自体停滞していた気がするんですよ。だから2023年こそ、そろそろ予想つかないものが出てくるんじゃないかなと。でもボイスサンプルはあまり振り切ったものを作っちゃうと再現性を疑われちゃうので、ちゃんとしたものを作った方がいいと思いますよ。

末次:すごく狭いサウンドデザイナー的な話をすると、実は昔に比べて効果音を作るのってめちゃくちゃ簡単になっていて。AIで簡単に望んだ音が作れるツールが出始めています。今年はよりその精度が高まるのではと勝手な予想を立てています。もちろんAIなので既存の音を与えて学習させる必要があって、そこはセンスが問われるんですけど。

上野:この前現場で30秒のテスト映像を組んでたんですけど、ナレーションが全部VOICEPEAK(AIナレーション)で入ってたんですよ。その映像を繋いでるエディターさんがソフトを開いて、僕の指示通り文言を打ち変えて。「仮ナレーションを誰かに読んでもらってそれを映像に当てて調整するよりも、映像とVOICEPEAKを同時に開きながらどんどん入れ替えていった方が圧倒的に作業は楽」って言ってて。ナレーターさんが本番になる前の仮ナレーションをソフトで、っていうのは、もう結構現場でやってます。

上野:でもそのまま本番ナレーションもAIで、っていうのはまだ僕の周りでは無いですね。WEB広告だとAIが読んでいるものもありますけど、それは予算やスケジュール的な問題もまだあると思います。とは言えAI音声合成、すごく進化していますから今後はプロダクションの選択肢として明確にテーブルに上がると思います。そういったソフトを使えない方だっているから、「仮ナレーションもご相談ください」という言葉はまだ死んでない。プロフィールに書いていただければ、この人に相談したい、と思うディレクターはいると思います。

(「VOICEPEAK」を制作する株式会社AHS・尾形社長の記事はこちら↓)


CMサウンドデザイン裏話


上野:昔から今までCMで度々聴く楽曲はいくつかあります。大瀧詠一さんの「君は天然色」はその代表格ですよね。ビール飲料から車まで色々な商材で使われている。良い曲は時代を経ても残るんでしょうね。ただ、曲をいくら使いたくてもその料金が高くて使えないケースは往々にしてあります。テレビ局はJASRACと包括契約を結んでいるんですが、それは番組の話。CMは違うんです。一本につき契約期間やWEB掲載の有無などで料金が変わってきます。制作費の中で音楽費が一番かかっているCM、というのはよくあるんですよ。

上野:だからボイスサンプル作りにおいても、有名なヒット曲をBGMに使うとすごく仕上がりの印象が良くなる。これは間違い無いんですが、同時に著作権の問題が発生します。ウェブなどに公開するのは時代的にもNGでしょう。でも、素読みよりもBGMを入れた方が声は良く聞こえることが多いです。クライアントさんもBGMのあるサンプルの方が最終仕上がりを想像しやすいですから。著作権フリーBGMを当てたりするのがいいかと思います。

末次: サウンドデザインのセンスを磨く為のちょっとした訓練があります。僕の師匠から教わった方法で、僕がポスプロにいた頃部下にも宿題として出していたんですが…「これに30秒、音をつけてみて」と言って、写真や絵画などの静止画を渡すんです。それに対して効果音や音楽をつけたりしてデザインしていくんですが、動画じゃない分自分でヒントを得なければいけない。画を見て意図や流れをイメージする、ってことが大事なんだと思います。

上野:なるほど。確かにイメージすることって大事ですよね、どこでもできるし。画や映像をイメージできるサンプルが作れれば良いんですが、それはつまり原稿が伝わるものかどうかという問題でもある。伝わらない原稿をいくら口に出しても伝わらないので、前提として文章を黙読してもちゃんと理解できる原稿になっている必要はあるかと。


「奇跡のボイスサンプル」は必要?


末次:ちょっと言葉を選びながらお話しするんですが…ボイスサンプルって、完成までにどんなことがあったのか、受け取る側は見えないんですよね。目の前のサンプルがテイク1で出来たのか、テイク100で出来たのか分からない。実はピッチを変えたりイントネーションをいじったり、膨大な編集作業を経て完成したのかもしれない。それが分からないから、収録現場で「なんか違う」が発生するケースは少なくないと思うんです。うーん…3割くらいは見てきたと思います。

末次:現場で録っていて上手く表現が引き出せない時は、ディレクターが「ちょっとボイスサンプルもう一回聴かせて」と制作に言って、どうディレクションするかを考える時間が発生する。これはよくあることなんですけどね。でもピッチを変えたりイントネーションを弄ったりしたサンプルだと現場で再現することは難しいので、編集段階でなるべくサンプルに近づけるよう直します。訛りで苦戦するパターンもあります。結局僕はキチッと聴かせるための整音をするのが仕事なので、割り切れるんですけど。ディレクターさんの方が困る気もします。

上野:そうですね。「ボイスサンプルの4個目の声でやってください」ってお伝えしても、その声が出ない時ってたまにありますから。そういうときは文章を細かく、例えば一行ごとに読んでもらって、編集で調整していきます。

上野:だから僕がボイスサンプル作りに関わるときには「なるべく再現性のあるサンプルにしましょう」と言うのを割とお伝えしています。「あなたがこの声を再現してくれと言われたとき、僕は現場にいません。再現性のないサンプルを作ると、いざ仕事が来たときマイナスに働く可能性があります」と。

上野:読みなんかもそうで、ナレーターさんは映像を見ながらその尺の中に収めて読みたいという方が多いんですが、呼吸とか考えたら絶対現実的に収まらない、という場合が多々あるんですよ。これは映像構成の問題です。

上野:なのでそれで「自分が上手くないからだ」とは思わないでほしくて。「我々が選んだあなたの声と読み方でこの原稿を読んだら、その尺に収まらなくて当然なんです…すみません」ってことが普通にあるんです。俳優さんだってカットごとに演技してますから。むしろ早過ぎてこっちが付いていけないこともありまして。刻んだ収録にもぜひお付き合いいただけるとありがたいです。


「待ち」中に行われている、コントロールルームトーク


上野:最初に末次さんがお話ししていたように、「なんか違うんだよな」でナレーターさんを何度も読ませちゃ絶対にダメで。何が違うかさえ伝えればその答えは、うまくいけば1回のラリーで返ってくるんです。ナレーターさんはそれを何回もされたら怒っていいと思います。

末次:ナレーション文化だと「なんか違う」とか「念のためもう1回!」等、意図が分からないディレクションで許されたりするんですけど、アニメのアフレコとか吹き替えの現場では声優さんたちって割とどんどん突っ込んでくるんですよ。

上野:声優さんの方がナレーターさんよりも一役者としてのご意見をお持ちの方が多い気がします。ナレーターさんは読むプロフェッショナルなので、演技に対する哲学というよりはしっかり役割をこなせるかどうかにこだわる印象です。どっちが悪いとか全くなくて、どちらもディレクターにとってはありがたいです。

上野:とはいえナレーターさんにディレクション内容の確認をさせてしまったら、それは良くないディレクションだと思います。「数パターンください」だけではなく「テンションを一つずつ上げて3回くらい読んでもらえますか」と言ったほうが意図が伝わるというか。もしナレーターさんが「3パターンくらい…」と言われてしまったら「じゃあ1個ずつテンション上げて読んでみます」とかって返していただけると、すごく助かると思います。

上野:一方で、あえて抽象的に伝えてる場合もあります。「爽やかに」というディレクションは、より詳しく僕なりに言葉にすると「滑舌よく声を張って明るく」ってことなんですけど、細かく言い過ぎても表現を縛ってしまうかもしれない。だから「もう後ひとがんばり!」みたいな訳わからないことを言う時もあります(笑)それはナレーターさんの様子を見ながら聴きながら、言い方を変えています。その方のキャラクターや現場の空気次第というか。

末次:ディレクションとナレーションが上手くハマらない現場だと、僕の立場的にどう関わるかすごく難しくて。流石に3、4テイクのラリーがあっても平行線だと口を挟むこともありますけど。

上野:僕はディレクションの意図が伝わらなかった時「末次さんこれ何て伝えたらいいかな?」って聞いちゃうこともありますね(笑)

末次:そんな会話もありますね(笑)

上野:色んな人からトークバックがあるとナレーターさんは混乱しちゃうので、全部僕からお伝えするようにしているんですが。末次さんみたいなサウンドデザイナーさんはディレクターもナレーターも両方見てるから、僕の考えを伝わるように翻訳してくれるんですよ。だからすごく助けられています。なので、ナレーターさんはトークバックまでの時間が長くても全然気にしないでください。下手したらナレーションではなくBGMの話をしてる可能性もありますから。


ナレーターに伝えたいこと


上野:僕と末次さんはいつもブースの外側(コントロールルーム)にいて、その後ろにもたくさん人がいて、っていう状況が多いです。ブースの中はナレーターさん1人になる場合が圧倒的に多くて、いつも孤独だと思うんですよ。でも、ディレクターとサウンドエンジニアはブースの外にいるんだけど、「ブースの中の人側」なんですよ。基本的に。僕らのことだけは味方と思ってほしいというか。

末次:うん。

上野:言ってしまえば収録現場は、ディレクターとナレーターとサウンドエンジニアのチームが残り全員の意見を聞きながら今頑張ってる最中、みたいな構図。だからトークバックの声を怖いと思わないでほしくて。何でも相談して欲しいし、アイデアを出してほしい。一緒にクオリティを高めていけるとうれしいです。だからもしブース経験があまりない場合は、お互い準備する時間を多めに取るので、出来れば先に言ってほしいです。選考でも「この方はブースでの収録やったことないから、落とします」みたいなことにはならないと思います。

末次:ブースの経験無いかも、っていうのは割と録っててわかりますね。マイクの使い方やカフを知らなかったり、機材の使い方やトークバックに驚いたりされると「もしかしたら」って思います。あとは「オンリー録ります」ってなった時に伝わらないとか。

上野:たまにありますね。「オンリーとは…?」みたいな。

末次:ですね。「あ、声だけで録ります」とか説明するんですけど。ブース経験のあまり無い方は結構簡単に分かります。それ原因で現場がまごつくと良くないので、やっぱり先に経験の有無は知りたいです。さっき上野さんも仰ったように3人のチームとして、分かっていればフォローする側にまわれるので。

上野:別に「オンリー」が伝わらなければ「この単語だけ何回か録りましょう」って言えばいいだけですもんね。

末次:そうですね。そこは「自分の弱点を味方に教えて、あえてフォローしてもらう」くらいの感覚でいてもらった方がいいんじゃないかと思います。

末次:僕の主観になっちゃうんですけど…サウンドデザイナーとかエンジニアの役割って、収録をスムーズに行う為の黒子です。ナレーターさんが出した音を寸分違わずちゃんとキャプチャーする、ナレーターにとってはサポート役的な立ち位置。だから間違いなく寄り添わなきゃいけないし。仕事関係から見ても敵じゃない。プロデューサーさんや代理店さんごとの役割がありますけど、その中ではディレクターとエンジニアは特に、表現する側に近い存在なんじゃないですかね。


株式会社modoc所属・上野アキト(うえの あきと)

株式会社modoc所属。広告映像の企画と演出を中心に活動。 映像を中心に、広告キャンペーン全体の企画、web施策なども手掛けつつ、アニメーション、エンターテインメントコンテンツの企画や演出にも参加している。毎週木曜日23〜24時に狛江FM「コマコマ〜コマラジからコマーシャルメッセージ〜」放送中!

○Twitter:@akito_ueno
○Instagram:https://www.instagram.com/akt_un/
○「コマコマ」Twitterアカウント:@radio_kmcm

サウンドデザイナー・末次亮介(すえつぐ りょうすけ)

音楽・映像の総合ポスプロにて経験を積んだ後に独立。現在は広告映像をメインに活動。都内のスタジオを拠点に現場録音から音響効果、MIXまで音周りのトータルコーディネートを得意としている。仕事のモットーは「Faster, Smarter, More Creative」。

ライター・日良方かな(ひらかた かな)

都内FMラジオ局&Voicy「オーディオブログ」パーソナリティー。令和感のある柔らかい読みが特徴で、大手時計メーカー・ハンバーガーショップ・焼肉チェーンなど実績多数。ハンドメイド大好き!なポッドキャストも配信。

○ホームページ:「ナレーター 日良方かな」
○Twitter:@hirakata_kana
○ポッドキャスト:「日良方かなのハンドメイド工房」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?