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【突撃!ナレトーーク】第5回 島田洋子さん(後編)

ナレーター界を盛り上げるべく始動したメディアプロジェクト『HITOCOE』。

ナレーターのさかし(坂下純美)とあこ(甘利亜矢子)が、ナレーターの皆さんのライフスタイルや人生観、それぞれの働き方を紹介していきたいと思います!

今回は前回に引き続き、異色な経歴を持つパワフルナレーター・島田洋子さんです!

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島田洋子さん
フリーランスのナレーター。舞台女優25年。都会的なクールさとエネルギッシュな表現を併せ持つ。中音域から重低音まで、かつて劇団四季で鍛え抜いた体と声で勝負する。またミュージカルスクール講師の顔も持つ。
<代表作>
【ナレーション】テレビ東京『ミライダネ!』、フジテレビ『妖怪ランキング大百科』、日本テレビ『バカリと大悟の人類極限クイズ』、WebCM『亀田の柿の種』【舞台】『コーラスライン(シーラ役)』『ライオンキング』『サロメ(王妃役)』
〇HP…https://www.yokoshimada-voice.com
〇Twitter…@ShimadadaYoko

前半はこちらです!↓↓↓

強いイメージとその裏にある本当の自分

さかし:そういえば、あこさんが『HITOCOE』のインタビューする方ごとにバナーを作ってくれているんですけど、島田さんのはもう作ってくれていて。ヒョウ柄なんですよ(笑)

島田:あら素敵!ありがとうございます!

あこ:島田さんっていったらヒョウ柄だなってイメージが。

さかし:イメージ戦略バッチリですよね(笑)

島田:すごい!でもそのヒョウ柄、義村さん(※スクールバーズの学校長)の提案なんですよ。私が「ふたたびのバーズ」(※前編参照)で学んでいるときに「島田洋子はヒョウ柄だよ」って。とにかく一度そう言われたらヒョウ柄を着ていかないといけないと思うじゃないですか(笑)
だから私はバーズに通っているときはなるべくヒョウ柄のものを身につけていくようにしていました。宣材写真を撮るときもなるべく身につけるとか、その写真で猪鹿蝶に応募するとか、サムネイルに組み込むとかしていたんですよ。そうすると「ふたたびのバーズ」の一年間で「島田洋子=ヒョウ柄」という公式が浸透したわけです(笑)
今回のバナーを作るときにも認識してもらえているんですね。

さかし:あこさんがヒョウ柄でデザインしたときに、しっかり浸透してるんだなって。

島田:毎回ヒョウ柄着てるわけじゃないんですけど。でも写真からそういうふうにイメージが刷り込まれているってすごい。

さかし:戦略としてはもうバッチリ(笑)
でもstand.fmのなかで、ヒョウ柄イメージとか声質などで強い人のイメージがあるけど、「実はそうでもないんですよね」ってポロッと。

島田:そうなんです、全然そうじゃないんです。だから、学長に言わせれば「完全にSだったらもっと売れるんだけどね」って。
私の内面はSじゃないから、やっぱり優しさが出ちゃうのよ、ね!

さかし:優しさがね!(笑)

島田:本質はなかなか変わらないと思う。だからイメージとしては強めに押し出すけど、そうじゃないドキュメンタリーとか報道などの読みも磨いたりしつつ、でも暴れるところは暴れるよという形でやっています。
だからこそパーソナリティを出すのにTikTokとかstand.fmっていうのはいいかなと思っているんですよ。
強気な写真だけど、私を現場に呼んでも怖くないよ、って伝えたい。ちょっとでも「この人おもしろそう!」って思ってもらえればいいなと。

さかし:ボイスサンプルとかだとパーソナリティまで見せられないから、サンプルではいい意味で「作った島田洋子」をつめ込んで、でも呼んだら…

島田:こんな楽しい人が来ます!みたいな感じで(笑)

さかし:そのほうが呼ぶ方は安心してもらえるかも。初めて呼ぶときはどんな人か知らないですもんね。

島田:そう。でも呼ばれるきっかけになったりとか、差別化とか、そういう意味でまずは強さ、ビジュアルも極端な感じで出してみたほうがいいのかなと思って、出しています。
でもボイスサンプルにあわせて写真を変えていますね。優しさを押し出す場合は別の写真を使っています。

写真からどんなボイスサンプルを聞かせてくれるのか、想像が掻き立てられますね…!

テレビナレーションも、数年前から爽やか系が求められたりしてるじゃないですか。一時期は中年層の声が流行っていたけれど、今はもう少し若い子が好まれたり。どうアプローチしてこうかなっていうのは常にリサーチしていますね。

ゴールデンタイムの番組に起用!その秘訣

さかし:先日のゴールデンタイムに放送された番組、そこにキャスティングされるに至るまでをぜひお聞きしたいです。そもそも声がかかった経緯は?

島田:一年前にバーズのゲスト講師でフジテレビの方がいらっしゃって、私はZoom参加で直接はお会いできなかったんだけど、Facebookなどでつながってボイスサンプルを送ったり、ホームページのURLを送っていました。
その方からの一件目の仕事は去年の夏なんですけれども、その方が私を候補の一人として制作会社に紹介してくださったようで、何人かの候補者の中から制作会社の方で選んで頂いたと聞きました。そのときもゴールデンの特番でしたが、15分ほどの再現ドラマパートのナレーション。
その数ヵ月後に今回の妖怪特番の話が来たんですが、それはその方から直接の指名でした。
出会ったきっかけはバーズだったのでマネージャーとも話をして、猪鹿蝶を通して仕事をさせていただきました。
決定権のある方と繋がるとやっぱり強いと思う。SNSでも繋がって、ボイスサンプルを送ったりホームページのURLを送ったりと定期的にアプローチして来て、今回はボイスサンプルの声と作品のイメージがたぶん合ってキャスティングしていただいた、という感じです。

さかし:すごく合ってました、番組に。島田さんの声。

島田:『妖怪』ですからねー(笑)
でもそういうふうに私が独特な写真を載せていたりとか、個性的なナレーションを載せているからこそ今回の番組に呼んでいただけたのかなという気もする。
もしかしたらちょうどいい時期に私がボイスサンプルのURLを送っていたのかもしれない。タイミングって絶対あると思う。それは本人に聞いたわけじゃないからわからないけど。
年始に話が来たから年賀状がきっかけだったのかもしれないし。

存在を忘れさせない…ほどよい距離感の営業

さかし:年賀状も送ってるんですね!減ってきてるとはいいますが。

島田:でも少なくなればなるほど送ったら「あ、来た」と思ってくれるんじゃないですかね。お年玉くじの番号が書いてあるから絶対捨てない。私も捨てない。だからみんな一応とっておくじゃないですか。
かもめーる(※2020年度で終了。暑中見舞い用のはがき)とかも一応とっておく。だから、毎年送っています。

さかし:暑中見舞いも出してらっしゃるんですね。

島田:基本的には出してます。去年はその時期忙しくて注文し忘れてしまってメールで送ったんだけど。毎年送ってます、200通以上は。

さかし:いろんなもので存在を思い出してもらってるんですね。

島田:そうです。たとえばメッセンジャーで毎回送っていたら相手は鬱陶しいと思うかもしれないじゃないですか。だから年賀状と…年に2回ぐらいかな、メッセンジャーで、新しく作ったボイスサンプルのURLを送るとか。

さかし:そうすると、季節ごとに一回ずつ思い出してもらうという。

島田:それくらいだったらウザくないかなって。「聞きます」というお返事をくれる方もいらっしゃるけど、返事をくださらない方でも聞いてくれているときもあるので、送るに越したことはない。

さかし:このほどよい連絡の間隔が、ふと思い出すきっかけになっていそうですね。

島田:CDでボイスサンプルを送っている時代は手書きで手紙をつけてたこともありますよ。ジャケットも自分で作るし、パッケージ代もかかるのに結構最近まで作ってました。メッセンジャーでつながってない人には今も郵送で送ることもあるから、それは直筆で手紙を一人ひとりに便箋二枚くらい書いて出します。
CDで送る良さもあるんですけどね。相手の手元に残るし、そうそう捨てないじゃないですか。こっちが手間かけて作ってるから一応見てくれる。背表紙見て履歴とか見てもらえるし、写真も見てもらえるわけだから印象に残りやすいし。いいアイテムだなとは思うんだけど、経費はかかりますね。前回までは作っていました。

さかし:DVDサイズのパッケージにサンプルCDを入れている人をよく見かけました。写真凝ってるな、大変そうだな、でもその分効果あるんだろうなって。パッケージだけでも話のきっかけになりそう。

島田:突撃営業とかのときも、名刺交換するだけよりひっかかってくれる。

島田さんの「突撃営業」については、番外編にて詳しく!

今後の目標…やっぱりテレビにこだわる!

さかし:今後どういうふうなことをやっていきたいみたいな、目標みたいなのってありますか?

島田:宅録や海外市場とかもやってはみてるけど、私の声を一番活かせるのはやっぱりテレビなんじゃないかなって思っちゃう。
宅録案件は比較的きれいにしゃべるとか、解説とかが多いように思っていて、海外にしてもどちらかというとそういう案件が多いように感じるから、やっぱりテレビかなぁと。というより何より、私はやっぱりテレビナレーションが一番楽しいから、そちらの仕事をどんどん増やしていきたい。
先のこと言えば、「自分の城」を持ちたい。誰にも邪魔されない場所が欲しいですね。一人でいるのが大好き。防音もしっかりできている部屋があれば、宅録も発声も時間を気にせずいつでもできる。ある程度の立地も必要。もちろん都心じゃないとだめ。それだけ快適ないい物件だとそれなりの家賃もかかるだろうけど、そういった物件を借りられるくらい稼げるようになりたい。そのためにはやっぱりレギュラーをたくさん持たなきゃ無理。レギュラーが欲しいな、なんだったら帯!(笑)

さかし:そうですね!帯はほしい!(笑)

島田:マンションを買えるほどの収入はテレビのナレーションをするしかないので、お仕事増やしたいですね。終の棲家を手に入れるために!

さかし:素敵です!ありがとうございました!!

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「この人はこのイメージ!」を持ってもらえるよう徹底すること、そして定期的に思い出してもらえるように連絡をしてみること、これが記憶に残るための戦略なのだと教えていただきました(でも200通はすごい…!)。

さて!今回はこれで終わりません。
途中出てきた「突撃営業」についてもっと詳しくお聞きしています。またサービス精神旺盛な島田さんのSNS活用術についても、番外編でご紹介します!

これからも「HITOCOE」ではナレーターに特化した上質な記事を連載予定です。今回の記事を気に入っていただけたら、スキやフォロー、サポート(投げ銭)を頂けると幸いです。いただいたサポートは、今後の活動費として役立たせていただきます。

【ライター】
さかし(坂下純美)

東京在住のナレーターで一児の母。都内スタジオでの収録を主に活動。1年ほど前に宅録を開始。Twitterで情報を集めながら日々勉強中。
〇HP…https://www.sakashitamasami.com/
〇Twitter…@sak1013

あこ(甘利亜矢子)
静岡在住のナレーター。司会業を中心に伊豆半島全域を走り回る日々。只今育児の為、司会業は育休中。宅録はスタートラインに立ったばかり。
〇note…https://note.com/amariayako
〇Twitter…@amariayako

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