見出し画像

【突撃!ナレトーーク】第5回 島田洋子さん(前半)

ナレーター界を盛り上げるべく始動したメディアプロジェクト『HITOCOE』。

ナレーターのさかし(坂下純美)とあこ(甘利亜矢子)が、ナレーターの皆さんのライフスタイルや人生観、それぞれの働き方を紹介していきたいと思います!

今回は、異色な経歴を持つパワフルナレーター・島田洋子さんです!

画像1
島田洋子さん
フリーランスのナレーター。舞台女優25年。都会的なクールさとエネルギッシュな表現を併せ持つ。中音域から重低音まで、かつて劇団四季で鍛え抜いた体と声で勝負する。またミュージカルスクール講師の顔も持つ。
<代表作>
【ナレーション】テレビ東京『ミライダネ!』、フジテレビ『妖怪ランキング大百科』、日本テレビ『バカリと大悟の人類極限クイズ』、WebCM『亀田の柿の種』
【舞台】『コーラスライン(シーラ役)』『ライオンキング』『サロメ(王妃役)』
〇HP…https://www.yokoshimada-voice.com
〇Twitter…@ShimadadaYoko

劇団四季出身!異色な経験を持つナレーター

さかし:島田さんって劇団四季出身でしたよね。

島田:そうです。その前にプロデュース公演などでミュージカルには出演していたんですけど。私、劇団四季の入団はちょっと遅いほうなんです。

さかし:そもそも劇団四季って何歳くらいで皆さん入団されるんですか?

島田:10代後半の子もいれば、30代40代から入る人もいます。研究生コースだと年齢制限があって、今は26歳以下かな。即戦力を求めているコースなら経歴があれば何歳でもいいんです。だから40代、50代の方が声楽で受けるということもあります。あと、「この役で」とか「この作品で」という作品契約という方もいるんです。なので、別に年齢とか関係なく入る事は可能です。
私は30代のときにダンス専攻で入りました。ダンス専攻、歌専攻、演技専攻の3つあったんですが、私は背も高いしダンスが一番得意だったので。

さかし:何年ぐらい劇団四季にいらっしゃったんですか?

島田:丸6年です。

さかし:どういった作品に出てらっしゃったんですか?

島田:『美女と野獣』でデビューして、『ライオンキング』、『クレイジー・フォー・ユー』、『コーラスライン』の計4つに出演しました。
ロングラン公演なので、一年中『美女と野獣』とか、一年中『ライオンキング』なんてこともありました。自分としてはもっといろいろな役がやりたかったんだけど、出演作は自分で選べないんです。
『コーラスライン』のときはメインキャストで出たんですよ。でもセカンドキャストだったので、『ライオンキング』に出たりしながら『コーラスライン』の稽古をずっとやってました。
すごく大変だったけど、今思えばあのときの綿密に積み上げていく過程が今とても役に立っていますね。

さかし:じゃあダンスで入団して、6年出演して、そのあと…

島田:だんだん疲弊してくるんですよね。この作品やりたいと思っても、それに出演することってなかなか難しくて。せっかく新作のリハーサルに入っていても、ケガ人が出たからあっちの公演に行ってほしいと外されて、やりたい作品からは遠ざかる…。
それにロングラン公演だから体力的にも疲弊していってしまって。『ライオンキング』にダンサー枠で出ていると、もう本当に大変なんです。頭の上や腰に動物をつけていたりとかして踊ったりするので首は痛いわ、膝は痛いわ、腰は痛いわ…。

画像2

体が疲弊していくと一緒に気持ちも疲弊していくんですよね。それでもうミュージカルが嫌いになっちゃったんですよ。舞台が嫌いになっちゃったんです。「ミュージカル大好き!」ってずっと走り抜けてきたのに。
そうなったらもう一切頑張れない。だから劇団に「こういう気持ちで舞台に立ってるのはお客様に対して失礼だと思うので」と手紙を書いて、「腰や足首、膝を痛めてまして」とか体の不調からくる理由も一緒に伝えて『ライオンキング』を降板させていただいて。その年末で、退団が受理されました。
そういう辞め方だったので「もう私はミュージカルやることないな」と思ってたんだけど…でも機会が巡ってきて、自然とミュージカルに戻って来ました。そのころ平行してナレーションの勉強も始めたんですよね。

退団後、声の仕事へ!

さかし:なぜ退団後に声のお仕事をやってみようと思ったんですか?

島田: 高校生のとき、アニメとかが好きで声優さんにも興味があったんです。だけど、声優の養成所ってそのころはほぼなかったし、インターネットも全然発展していなくて情報も得られずよくわからなかったので、絵が得意だという理由で美大に進学しました。
美大に行ってからダンスを始めてミュージカルや舞台に触れる機会が増えると、段々とミュージカルの夢のほうが膨らんで。ミュージカルのほうが全身を使うから若いうちにやってないといけないな、声の仕事もやってみたいけどもうちょっと先でもいいかなって当時は思って、後回しにしました。
それで劇団四季を辞めて、じゃあ次何やる?と思ったときに「そうだ!声の仕事やりたいって思ってたんだ!」って思い出して。そこから養成所を探し始めたんだけど…もう30代後半だったので年齢制限で養成所入れないんですよね、ほとんど。ほぼ20代しか入れない。
だけど調べてみるとナレーションなら年齢制限がほぼない、大丈夫。それで、じゃあナレーションの勉強をやってみようと思って学ぶ場所を探し始めた、という感じですね。
最初のうちは単発のワークショップに参加してみたり、3ヵ月コースとか短期のものに通ってみたり。
そのときのクラスメイトから、アナウンサー系の人が多い事務所に直結している養成所を教えてもらったので、1年半ぐらい通いました。それで一旦その事務所に入所したんだけど、お仕事もアナウンス系のものが多かったんですよね。所属してる人は元アナウンサーという人がほとんどだったから、そういう中で私が仕事を取れる事は本当にちょっとしかなくて…。
そのころにスクールバーズが立ち上がるって話を聞いて、秋1期で入所しました。営業論って何だろうと思ったので、アドバンスクラスからスタート。
その後ネクストクラスで学んで、テレビナレーションって面白いなと!

さかし:舞台はもうやっていなかったんですか?

島田:並行してやっていました。でも舞台の予定が入るとどうしても稽古に時間も労力も集中力も取られちゃうから。
声のお仕事は、登録制の事務所からBS番組のレギュラーなどいくつかお仕事はいただいてましたが、舞台のオファーがあったらまた舞台やって…とか、行ったり来たりしてましたね。今思えば中途半端だったかもしれません。

そうそう、前回の『HITOCOE』のインタビュー記事を見させていただいたんですけど、そこで鈴木君が樋口隆則さんの元で演技を勉強したと話していましたが、私も学んでいたんですよ。

さかし:え?!

島田:私は2014年からだから時期は違うけど。映像系の芸能事務所の社長と知り合った縁で、その事務所に2年間ぐらい在籍する事になったので、舞台演技しか知らないから映像演技を学びに樋口さんのところに行ったんです。
ミュージカルは比較的「型」があるからちょっと大げさだったりするじゃないですか。歌ったり踊ったりすること自体、すでにデフォルメなんですよ。
それを自然な演技を学ぶ上で削いでいって、「そこにいる」っていう芝居を学んだ。
2年半ぐらい樋口さんとこで学んだんだけど…私には難しい!と思って。

さかし:えっ!?どんなところが?

島田:何もしないとか、「自然で居る」とか、どうしてもしっくり来なくて。映像演技は私には無理!と思って潔く諦めました。

さかし:諦めた!?

島田:ここは潔く、2年半で。樋口さんに何か言われたわけじゃなくて、自分で判断しました。「これでは仕事は獲れない」と。それで一切演じる事を辞めて、改めてナレーションを本気でやり始めました。
2016年末からまた新しくボイスサンプルを作り始めて、もう一回ちゃんと営業し始めてみたり、2018年には「ふたたびのバーズ」(※前述のスクールバーズに復学できる制度)にも通い出して。
そうこうしているうちに少しずつ営業が実り始めたけど、他にもどうすれば仕事が獲れるようになるか、いろんなこと試したんですよ。

画像3

チャンスは向こうからやってくる

さかし:stand.fm聞いて、島田さん本当にいろいろ試してきたんだなぁと思って。

島田:そうそう。どれが合うんだろうって。stand.fmだけじゃなくTikTokとかもどれだとおもしろい発信ができるかとか、引っかかるかとか。
stand.fmは情報をある程度時間を取って伝えられる。でもTikTokは面白さだけを伝えるみたいな面があるから、人柄とか面白さとかを伝えるという意味では優れてるなと。

さかし:いろんなことを試す、その情報源ってどこなんでしょう?

島田:巡り巡って来るんです。例えば映像演技に挑戦する事になったのも、私の四季の同期が演出・脚本をやっている商業ベースの作品に私が出演者として呼ばれたことがきっかけなんです。それもメインキャストで!それを見に来ていた映像事務所の社長さんに誘っていただき、映像の世界に。そうやって巡り巡って。
つまりナレーションやミュージカル初期の頃のように、自分で獲りに行ったもの以外は向こうからやって来てるんですよね。だから向こうからやってきたことには、私は基本的にやってみるスタンスです。今やるべきなんだと思うから。
だからTikTokとかstand.fmもSNSでやっている人を見かけて、「こんなのあるんだ!」と思って軽い気持ちでまずは登録してみた。やっている人がいるから私もやってみよう、という。せっかく自由に動ける時間があるんだったら、今やっておこうかなと思ってやってみる。そんな感じでトライしてきましたね。

**********************************************

島田洋子さんのパワフルさ!感じていただけていますでしょうか?まさに「何事を始めるにも遅いということはない」を体現している方なんだな、と感じました。なんでも「やってみよう!」と行動に移す素直さも島田さんの魅力ですね!
ちなみに島田さんのstand.fmやTikTokの更新は、ツイッターでも随時発信してくださっていますので、是非フォローしてみてください!

後編に続きます!!

これからも「HITOCOE」ではナレーターに特化した上質な記事を連載予定です。今回の記事を気に入っていただけたら、スキやフォロー、サポート(投げ銭)を頂けると幸いです。いただいたサポートは、今後の活動費として役立たせていただきます。

【ライター】
さかし(坂下純美)

東京在住のナレーターで一児の母。都内スタジオでの収録を主に活動。1年ほど前に宅録を開始。Twitterで情報を集めながら日々勉強中。
〇HP…https://www.sakashitamasami.com/
〇Twitter…@sak1013

あこ(甘利亜矢子)
静岡在住のナレーター。司会業を中心に伊豆半島全域を走り回る日々。只今育児の為、司会業は育休中。宅録はスタートラインに立ったばかり。
〇note…https://note.com/amariayako
〇Twitter…@amariayako

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?