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目的は子供っぽいほど良い

どうも、恐れ入りますひとありです。

以前の記事で、「買い物は手段であって目的ではない」という話をしました。
私は趣味を通して「手段の目的化」という現象を知りましたが、この「手段の目的化」という現象は時に人生をも狂わせる事があるんだと感じる経験をしました。経験をしたというか、そういう経験をする人に関わってました。
今回はその時の経験の消化を目的に、手段の目的化の話をしてみたいと思います。
今回の話はちょっと暗めです。

世界一のバーテンダーになりたかったバイトの話

私はコロナが流行る前、良くBARに通っていました。
BARは色々な人が色々な会話をする場所ですが、私が通っていたBARには「世界一のバーテンダーになりたい」という目標を持った若い子が居ました。
そこのマスターにとって彼は初めての弟子であり、世界一という目標を成し得る人物かどうかをはかるため、日々厳しく指導をしていました。(正直ふるいにかけていました)
私自身も当時、若い子が頑張ってるのを見て影響を受けていて、客として彼を応援していたし、その時彼に言える事は全力で伝えていました。
彼にとっても私は特別なお客さんだったみたいで、プライベートでも一緒に遊ぶ関係になりました。
ところが彼は、ある日突然姿を消したのです。

夢を追う彼との別れ
 

BARに通っていた時、私は彼に「なぜ世界一のバーテンダーになりたいのか」と聞いた事があります。その時彼は「注目を浴びたい、皆の中心にいたいから」と答えました。この返答になんとなく違和感は感じつつ、当時その正体は分かってませんでした。
この時くらいから、私は彼が夢を追う間はその夢を応援するけど、諦める事を悪とは思わないというスタンスで彼と向き合うようになります。
彼が自分自身の言葉に呪われているように見えてきて、でも私はバーテンダーになった事はないのでそういうスタンスを取りました。
後にマスターのいない所で話す事も増えるようになって、彼の家庭環境があまり良くない事とか、学生時代もいじめが多かった事を知るようになります。
それを知った上で「世界一のバーテンダーになりたい」という目標に、なんとなく言語化できない違和感を抱いていました。
ただ、その違和感の正体を掴んだのは彼が居なくなった後でした。

「世界一」は手段であるべきだった

私は彼が居なくなった後に、キャンプを通して「手段の目的化」という現象を知る事になります。そしてそういう現象はどこでも起こってるという事に気付くのにそんなに時間はかかりませんでした。
その気付きの中でも1番衝撃的だったのが、もう連絡も取れなくなったあのバイトの子もそうだったんじゃないか? という仮説でした。
彼は私に「世界一になりたい理由」を聞かれて「皆の中心にいたいから」と答えていましたが、この中に彼の目的は隠れていたんじゃないかと思います。
これは完全に私の推測ですが、多分彼は誰かに認められたかったんだと思います。
その為に「世界一」の称号が欲しくて、ある時見惚れた「バーテンダーで」という目標を持ったんだと思います。
それがいつしか、その店のマスターと自分の言葉で「世界一のバーテンダーになれなきゃ幸せになれない」という感覚を持ってしまい、挫折してしまったんだと思います。
いつの間にか目的が抜け落ちて、目標を叶える事が絶対条件になってしまった。それが彼のBARでの結末の形だったんじゃないかなと思います。
誰かに認められたかったという目的を軸にちゃんと持っていれば、他の手段があったんじゃないかと未だに思っているし、それを今も追えていれば良いなと思っています。

目的は子供っぽくあるべきだ

この経験を私なりに落とし込んで行った時、私自身も何か手段が目的化している事はないか自問自答するようになりました。
何故出世したいのかとか、なぜ趣味に没頭しているのかとか、なぜになぜを重ねて行った時、最終的に辿り着く根っこの部分は「子供っぽい願望」である事が多い事に気付きます。
何故出世したいのか、それはお金が欲しいから。
なぜお金が欲しいのか、それは趣味の幅を広げたいから。
それはなぜ? と繰り返してった先に私の場合辿り着いたのは「かっこよくなりたいから」でした。
なんなら何故かっこよくなりたいのか。それは多分子供の頃に見たかっこいい人達への憧れです。
そしてその憧れた人達は皆楽しそうに見えていました。
つまり私が選ぶあらゆる手段は「楽しそうだから」という子供っぽい所に辿り着いていたわけです。
バイトの子も多分「幸せになりたいから」という所が根っこにあったように思います。

手段から目的へ遡れるか

バイトの彼と関わった経験から、私は何かする時、前に進みながらもたまに振り返っては「どこまで子供っぽい所まで遡れるか」を考えるようになりました。
仕事においては会社の経営理念まで遡れるかをたまに考えて働いています。
趣味でも仕事でも、手段から目的へ遡って、改めて目的側から手段を眺めてみると実はもっといい道があったりします。実際私もこういう考え方をするようになってから、上司に他の手段を提案する事が多くなりました。
ほとんど弾かれるんですけど、仮にそれを否定されたとしても、目的が分かれば否定された理由も分かるし勉強になってます。
選択した道が正解であれ間違えであれ、目的をしっかり持っとけば迷走はしにくい。
バイトの彼には悪いけど、この気付きは私の中でめちゃくちゃ大きかったです。

まとめ、というか補足

という事で今回は手段の目的化について、改めて深掘りしてみました。
なんかBARのマスターを悪者にしちゃってる感あるので補足すると、バイトの彼は私にもマスターにもウソを付いてたりしてました。
彼が今どこで何してるのかも知りませんが、本当良くも悪くも私に影響を与えた人物だったりするので、もしかすると今後もこのブログに登場させてもらうかも知れません。
正直彼が成功する為には気付かなきゃいけない事がまだまだ沢山あるように思います…。

今回はちょっと暗めな話になりましたが、私自身も整理したい過去だったので記事にさせて頂きました。
最後まで読んでいただいてありがとうございます!
それでは今回はここへんで、ひとありでした〜。

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