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能登でのきづき.1

被災地の能登半島で6日間を過ごした
門前町にある剱地という地域に、ボランティア団体のRQ能登の拠点であるInspirebaseという事務所がある。
田谷さんという地元の漁師さんが自宅を解放して、地域の方に支援物資を届ける場所、子供達が遊べる広い庭やプレイパークイベントができる場として慕われる場所。

日々ボランティアを受け入れながら、
ボランティアする人がボランティア活動に集中できる環境を作りたいという田谷さんの熱い想いから、日々の美味しい食事と安心できる宿泊施設までが整う。料理ボランティアの方々が交代で毎日来て下さり、本当に美味しいご飯を提供して下さる。
3日目ともなると、お昼ご飯が楽しみでならない。田谷さんをサポートするのは、30代の醍醐さんという男性で、彼は金沢での本職と同時進行で活動している。日々その場を仕切り、朝礼ではその日の作業手順、各作業のメンバーが振り分けられ一日が始まる。
醍醐さんが出られない時は、40代の伊藤さんという岩手出身の男性が月一で代役を務めに車を走らせて能登に来られてサポートに入る。
京都から長期参加のばんちゃんという男性も元教員らしい的確安定型の立ち振る舞いで皆を導く。
この人達のこうした姿に出逢えただけでも、
私はRQ能登に参加して本当に良かったと思う。助け合いとは、一人一人が自立しているから成り立つ。
彼らが今これができる背景には、彼らが彼ら自身となった背景がある。

顔を見に来てくれ、家の中を共に片付け、電話で相談を受けてくれる。障子を貼り、大工作業や庭の剪定、壁補修、歯医者のお迎えをしてくれる。
寄り添い、共に生きようとする姿勢を彼らは忘れない。
『その日の作業が終わらなくても、また次に顔を見に行けて交流がもてるチャンスになるからそれでいい。作業終わらすよりも大切なのは、地元の人達の心に寄り添うこと』
彼らは、日本のヒーローだ。

現地に行って分かったこと
能登の方は、しゃんとしている。
弱みをみせない甘えない。人に頼ることは心苦しいと思っている方々が多い。
そして一見、お元氣そうに見える

剣地周辺は、輪島ほどの被害はなく家も崩壊している数は少ない。外から見ると、あぁ良かったきちんと建っているなと思う。しかし実際に屋内に入らせて頂くと唖然とする
壁は剥がれ、襖は開かず、物が散乱し、酷いところは床が隆起して波打っている。
その光景は、地元の方の在り方を映しだしているようで切なくなる。心は見えない。

だからこそ、そばにいる。

田谷さんや醍醐さん達の想いにほんの少しだけ触れられたような氣がした

実際に地元の方々のお顔とお姿を
見て、話し、
共にそこにいるということ
今思い返せば、それは
人としての本当の悦びに
通じることなのかもしれない

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