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すこしでも

「僕の話した言葉が、プレーが、後ろ姿が、少しでもみんなのプラスに、何かを後押しするものになってたら嬉しい」

高校の卒部式で、チームメイトと後輩に伝えたメッセージ
濁ることのない、純粋な努力の時間が紡ぎ出した、純度の高い言葉だったように思う


高校時代所属した部には
キャプテントークという時間があった
練習後に、キャプテンから今日の練習についての振り返りや事務連絡等が行われる時間だ

「お疲れ様でした。明日も頑張ろう」 

的なサークル的な部活ではわりと形式化されやすい時間でもあるが、本気で目標達成を目指すことで人生教育を掲げていた監督はこの時間を大事なものにしていた

キャプテンは自分の想いを、チームへの想いを話す
メンバーは傾聴する
監督はそれを受けてフォローする
エンカレッジする

そんなキャプテントークと
その後に続く監督からのメッセージが
チームの文化を、言語を作っていたのは確かだった



高2の冬、自分も周りも明確に想定してたが、キャプテンになった

自分がキャプテンになったとき
この時間の意味を考え直した

全員が自分の一挙手一投足に注目している
プレーでは群を抜いていたし、受け入れられる土壌もある

毎日言葉を、問いを投げかけることができる
この時間は大きなチャンスだと思った


自分が正解とは思っていなかったけれど、
高校から競技を始める人が多い中で
中学から全国の舞台を経験している身だからこそ伝えられることはたくさんあった

そして監督との1on1でチームについて話し合う時間で出てきた想い

これをどう伝えればいいか迷っていたが、まずは言葉で伝え続けようと思った
そして伝えるだけでは意味がない

チームが強くなるには、意思疎通と、
チームとしての力が必要だった
チームの力は個を高めるし
個の高まりがさらにチームを高める

与えられた目標ではなく
全員が信じる目標が必要だった

だからこそ、想いを伝え続けることと、
問いかけることを行い続けた

「今日の頑張りが、どれくらいの勝利の喜びに繋がるかを想像しながら練習しよう」

「弱い自分に少しずつ勝とう。まわりを見れば頑張ってる仲間がいる」

「俺たちはめちゃくちゃ努力してると思う。でも、強豪だって同じくらい努力している。頑張っている自分に満足せずに、どうしたら勝てるかを全員が考えよう」 


キャプテントークは一言で終わらない時間になった
全員に毎回問いを投げかける


自分がなぜここに立っているかを問い直す

俺らは自分の意思でここにいる
だから、明日もここで頑張ろう


そんな時間に、そんなチームにしたいと願った




控えめに言って、最高のチームだったと思う


メンバーに何度背中を押されただろう

自己犠牲と責任、信頼、愛情


いろんな感情をこのチームから学んだし
リーダーとしての自分を大いに高めてくれた



実は伝えようとしていたけど
みんなに成長してほしいとか思っていたけれど

一番助けられていたのは
支えられていたのは自分自身だった


「最高の3年間をみんなは創り上げた。胸を張っていい。でも過去最高をこの3年間にしないでほしい。常に幸せを更新していってほしい」

卒部式で、監督が話したメッセージ



この最高なチームのおかげで、私は過去最高を常に更新し続けることができている

みんなのおかげで今がある
今を更新し続けられる

だからこそ思う

すこしでも、みんなの役に立っていたのだろうか
すこしでも、だれかの人生の支えになれているのだろうか


恩は返すものではなくて、社会に循環させるもの

贈与をたくさん受けとった
アンサングヒーローでもいい

ただ、少しでも自分が誰かの幸せのきっかけになれたら
とっても嬉しいし、幸せ


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